すべてのおすすめ
神の僕〈しもべ〉は疵付いて
暗き洞にて翼をたたむ
水と戯れ諸人を癒す
翼は未だ開かれず
北風吹けば、居心地良い洞に留まり
陽光照れば、荒々しき世界に飛び立つ
さすれば私は
束 ....
この子は生まれた時から変わっていた。
どう変わっていたかってのは
ちょっと目に分からないくらい変わっている。
何が楽しいのか、絶対に笑わない。
笑わないってのが、また、一つの何なんだが
ニッ ....
爪を切る
快い音が響くたびに
日常の縁から否応なく
寸断されていく記憶
苛立ちの16ビートのリズムを
机の上に刻み続けた爪
つまらない照れ隠しに
痒くもない頭を掻いた爪
....
顧みられない壁の横で生まれ
白も黒も知らずに白と黒になり
街を隠す羽を動かしている
冷たいにおい
曇を遠ざけ
冷たいにおい
手の甲を踏む
街に沈む街
....
最初の一歩は
小学校の
とっても古い校門へ
向かう小さな坂道に
桜の花びらが一片(ひとひら)
二片ひらひらと
ピンクの風が吹く中を
母親の片手を握り締め
木造校舎の仮講堂
校長先 ....
自転車を猛スピードでこいでしまう
毎日の生活がある
自転車をゆっくりゆったりと漕ぐ
あきらめとゆとりの生活がある
ぼんやりと歩く散歩の中で
見えてくる気づきがある
気づいてしまう
....
君と会うため
黒服を着た 男たちをさけて
繁華街をライブバーへ向かう
半年ぶりに会う君は
また ひと回り細くなっていた
バーへ入り君を目にして
ハグし合う
いつもと同じ
申 ....
輝いていた日々が
走馬灯のように
頭をよぎり
闇に消えた
積み上げた積み木が
崩れ去った。
泣いた。泣き明かした。
神様はいないと思った。
天から命の雫が落ちてきた。
もう一 ....
白線が
電車で顔を擦られ
風が吹いて
月を食べる
あご紐
だめになっていく体のリズムの変調が
自分には一番良く分かる
画面がフラットになり
肩車をして
新聞を逆さに読んだ
朝が来る
あたが好きて言わんけん
おりが好きて言わなんたい
※熊本弁で
あなたのことを「あた」
自分のことを「おり」と言います
京都市内は天気雨
烏丸通りを東へ進むと うっすらと虹の橋が
鴨川のあたりから 色づいた東山を通り 比叡のほうへと伸びている
消えそうな七色の向こうに
カメオベージュ、アイボリ ....
今季一号の木枯らし吹き荒れた次の日の朝
あれだけ騒々しかったのが嘘みたいに静まり返っていて
近所の児童公園にはこれでもかってぐらい散り積もった落ち葉
これってプラタナスだよね
比べてみ ....
よく泣いていた
眠るまえ泣き
屁理屈に抱かれて眠った
それを繰り返していた
そうしているうちに
かなしみと添い寝できるようになっていた
泣こうとしたらいくらでも ....
町の明かりに
じぶんを問いかけている
やくざが入れ墨に
じぶんを問いかけるみたいに
ぼくの遺伝子がONになる
海を聴いている
茶色いレーズンを吸っている
....
盲目のピアニスト
孤児院育ちのボクサー
....
暖かいミルクティーを入れた
ティーカップは首を捻るように
皿の上で少し、傾いている
人生は、少しぐらい
わからない質問のある方が、面白い。
(僕等は日々のテストをクリア ....
僕等は一体いつ頃から
目に映る世界の色を、忘れたのだろう?
カーテンの木漏れ日へと、はいはいしながら
丸い瞳を見開いた、幼い頃の自分。
大人になってくたびれたこの胸から
今 ....
いつものようにキスをして
電車に乗った君の
窓越しの笑顔に、手をあげて
一人になった休日の僕は
駅ビル内の喫茶店で
朝食のパンをかじりながら
ふいに
自らを漂う雲と思う ....
自分のすきなものを
あなたにそっと教える
まるで幸せを
あなたにわけるように
いつかあなたと
わたしのすきなものを
一緒に楽しめたなら
すきなものは
大事なものになる
わすれ ....
君の10年分を昨夜ずっと何度も見ていたよ
眠らずに何度も見ていたよ
生まれたばかりの君を
心細い私
心の弱い私は
君を育てるという大きな壁にぶつかって
泣いてしまった
くじけてしまい ....
配管の網の目に棲む
浴槽にためる湯が 水位を
どうするのかを見ている
うらなりの子のように産みつけた
執念をよびさます
学くんに貸して戻らなかった鍵盤も美和子さんにそっとわたした恋文 ....
浄化する現実路線
聖なる賄賂
信じて舞う
瞳を閉じて ひらひら 揺れて 恋
きらめく滴 雪は溶け 水
誰にも知られない部屋に
内側から閂を掛ける
時計の針 ....
むかしもいまもそうだ
の・ようなもの
家族ゲーム
メイン・テーマ
それから
そろばんずく
・・・・
黒い家
・・・・・
椿三十郎
・・・・・ ....
現実から逃げてしまう。
自分よりも空虚な空間を見つけることに
フォーカスしていて
無いものねだりばかりで
最近、自分を見失ってる気がする
いつからか自分で得なくなった?
....
地に飢えた哀しみより街に住む孤独の苦しさ
古い映画を観ればすぐに涙ぐむ癖に
アフリカの子供たちから顔を背けるわたしたち
土地を追われた哀しみはすでに絵空事で
ひもじい辛さも ....
埼玉から都内の西に越して
一部屋減った
3LDKの都民住宅
なにも家具が入ってない
下見のときは
とても とても
広く見えた
が!!!
おとな5人と成猫2匹には
狭い ....
夕暮れの校庭で
少年が一人
逆上がりの練習をしている
息はすでに上がり
手のマメは破れているけれど
何度も地面を蹴り続けている
成功したところで
得られるものも
失うものも ....
あり合わせの野菜と特売の豚ばら肉で作った野菜炒め
ちょっと辛めなのは彼の好みで
できたての熱々をふたりのお皿に取り分ける
彼はと言えば相変わらずのパソコンに熱中していて
彼のお皿にはお ....
自転車通勤がしたいと思い
16万円の高級自転車を買ったが
わたしには通勤先がない
などと今まではそういうパターンで
俺はずっとやってきたわけだが
2011年からはもう少し工夫をして
魔獣や ....
ふたつの冬が互いを削りあっている頃
孤独な吾が身が突然痛み出す
痛みます、昨日と変わらぬ今日なのに
精神の不具であることは恥ではないはずなのに
何故、かくも私は不自由な心の持ち主なのだ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49