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うすっぺらな
アスファルトを剥したら
今も蘇る
ブリキの街
白く錆びた娼婦の肌が
うすい庇の影に
やさしく溶けて
ぼくを呼ぶ


はだか電球ひとつ
布巻き電線が這う天井
タイル ....
おやすみなさい

同時に寝る

こんな奇跡的な幸福

かさねられることが

また幸福だ

おやすみなさい


同時

ふたり

ふたりだけ

同時

ふとんが ....
生真面目な絆の国の小市民の仮面

の下には

逃げ足だけが速いご立派な大人の仮面

の下には

空気より希薄な辛うじて世帯主の仮面

の下には

コップ1杯でクダを巻ける安 ....
一羽の鳩が飛んでいた
わたしの乗る列車を追いかけるように

無機質な四角い窓枠のなか
黒いコートの肩越しに
羽ばたき続ける
白い鳩の





線路を渡る架線を巧みに避けて ....
嫁いで どれくらいたった時からだろう
実家の両親が 他家の者として私に接し
夫の両親も 嫁として私と接した

血族でも 他家の者になった私は
実家の事には 深く口を出さず
それが お互いの ....
何もない深い海に
沈みたいときがある
そんな気持ちが
突然わたしから出入りする
たとえば地下鉄の窓からや  ....
今でも あの場所を流れています
高速道路の車列が整然と
途切れない 地平線のように続いて

形にならない声を
無差別に浴びて打たれ
そして 流れ 流れていく河

大きな河の膝の青タンを ....
傾いた街灯、その足元は
海底と繋がっており
一回の視野の中で
復元されたサンタマリア号と並ぶ
その奥で
ガラス張りのビルが
頭、胸、腹を平らに
ものとものとを繋げている
それは1995 ....
<1>

これがなければ
生きることができなかった

これがなくても
たぶん死ねなかったけれど

これがあったほうが
人様に迷惑をかけない
はずだった

これがあったほうが ....
まぶしさがいずこからかやってくる
湖面は揺れ 
私は浮かび上がろうともせず
かといって沈み込むこともなく
散り散りとなった魚たちの肉片を
生臭い目で受け止める

巣の中で縮こまる小鳥のよ ....
きっと その
水色の子は
女の子でしょう

あなたに 毎日
愛をささやきに
来たのでしょう

私の真っ白い子は
おしゃべりで甘えん坊で
食いしん坊でした

どこからか
飛んで ....
深い胸の奥
求めるものは何だろう
ありきたりなことばだけの感情ではなく
細やかだけれど
静かに燃えている
わたしのなかの
赤い熱 ....
   Ⅰ

ちらちらと粉雪が舞うなか
高らかにラッパの音が鳴り響く
あれは祝福の合図か
それとも最後の審判への警告か

澄んだ空に鳴り響く清らかな音に
私は身も心も洗われて行くような気 ....
{画像=120105004250.jpg}




現状認識


悔恨と希望、両極端に振れる

不安定な時代を生きる

情景は印画紙に焼き付けられ

その意味は後から知るこ ....
 
朝起きたら、外に出よう

白い息を吐きながら

此畜生と吐きながら



 
光の畏怖に
高揚する妄想
朝陽に翳した赤い煌めきに
目を覚ます薔薇色の希望

天を見つ ....
あたしはお母さんを待っていた

喫茶店で待っていた

いっしょにお昼を食べる約束をしていたからだ

この近くには乗馬倶楽部がある

あとで乗ってみようか

お母さんがやって来た
 ....
               120102



うれしかったことはなにもありません
うまれなければよかったのにと
憎まれ口を叩く腹の上に360キログラムの石を載せる
どすんと落とし ....
腕をつくフォルム
眼球と二重瞼のバランス
背中に手を添えて
差し伸べるように
手のひらを奥へ傾ける
黒髪がしなり散らばる感触
床へ促す一連の流れを素描しながら
降りそそぐ熱い雨を
 ....
気合入れて目覚めても
去年となんら変わることの無い朝だった

それでも
いつもの年とは変えよう
変えてみよう

初春は一途な決意が大切なんだと自らを奮い立たせ

買いだめしておいた菓 ....
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青春 / 矛盾する感情に流されるままに


青春って何だ

捨てられるものさ
だから忘れられるもの

もっともっともっと、感じてく ....
流れていく方向を見失って
濁り始めた水と空気

「仕方がない」のお題目の下で
済し崩しにされる許容限度

時間をかけて築き上げた壁を
やすやすとすり抜けて
目の前に現れる他人

 ....
年が改まり 今日から新年なんだ
モソモソと布団から這いずり出して 袢纏を引っ掛け 
いつものように 新聞をポストに取りに行ったら
電話帳みたいな ぶっとい紙が捻じ込まれていた

こんなもん、 ....
一年の仕事を終えて 
家に帰った年の瀬の夜 

テレビで久しぶりに 
「ガソリン値下げ」のニュースを見て 
はじめて(嬉しい)と思う自分に少し驚く 

僕の顔に似た赤ちゃんを 
今夜も ....
紫色に染まった指では帰れない

道草をした通学道路 道沿いにある桑の実
よその家の前にある 小さな紫の甘い実
小学一年の私達は つぶつぶをぱくりと楽しんで
親にばれないように 反対側にある川 ....
 あけましておめでとうございます。   たま




 オロチ

箸は一本でいいと言う。
ふたりの子は箸を一本ずつ持った。
狐の権太はうどん屋に化けて
村の二本松の辻に店を出してい ....
歩いている夜の住宅街を
妻とふたりでゆっくりと

曇りがちな夜空
薄墨色の雲

ポツリポツリと
一言二言言葉を交わしながら

ただそれだけのことなのに

このごろすれ違っていた心 ....
年の瀬になると、人さらいがやってくる。寒くなって
きて、その年を振り返って、いろいろあった年を、あ
るいは何もなかった年を、何となく思い出している時
に、みんなが忙しくなって、着ぶくれした身体を ....
              111230



誰でもすぐ書けますと
エッセイ教室のお誘い電話が鳴り響く時に
夾竹桃の花弁がほろりと落ちて
足下に赤い輪郭を記す
ほろりと落ちる度 ....
世界の果てには物語が待っていると思っていた

幼い誤解そのままに生きてきた

物語は僕自身だと知らずに


沢山の街を通ってきたし

最後の列車にものった


季節が変わるのを ....
……とある蛙さんの自由詩おすすめリスト(2548)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ブリキの金魚_2012- たま自由詩29+*12-1-11
同時- 吉岡ペペ ...自由詩912-1-10
仮面_(再)- nonya自由詩21*12-1-10
Bird_strike(車窓のひと)- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-1-9
お面- 砂木自由詩20*12-1-8
『深海』- あおい満 ...自由詩9*12-1-8
なぐられ河- subaru★自由詩24+*12-1-8
神戸におけるコントラスト- 中川達矢自由詩612-1-6
仮面- nonya自由詩27+*12-1-6
氷雪の灯火- within自由詩12*12-1-6
幸せな子- 森の猫自由詩15*12-1-5
『幻』- あおい満 ...自由詩8+*12-1-5
天使- 未有花自由詩19*12-1-5
現状認識- beebee自由詩23*12-1-5
此畜生- 殿上 童自由詩26+*12-1-4
『ガーネット』- あおい満 ...自由詩4*12-1-3
馬とオレンジ- 吉岡ペペ ...自由詩4+12-1-3
竜言飛語- あおば自由詩10*12-1-2
新しさを知ってゆく月を美しいと詠む國で- たちばな ...自由詩26*12-1-2
It's_a_beautiful_day(変わらないひと)- 恋月 ぴ ...自由詩28*12-1-2
青春_/_矛盾する感情に流されるままに- beebee自由詩19*12-1-1
re-born- nonya自由詩21*12-1-1
【_お正月は嫌いです_】- 泡沫恋歌自由詩27*12-1-1
家族の船_- 服部 剛自由詩712-1-1
無情- 砂木自由詩10*12-1-1
新春お年玉セット- たま自由詩23*12-1-1
ウォーキング- kauz ...自由詩6*11-12-31
人さらいがやってくる- 岡部淳太 ...自由詩711-12-31
師走の包絡線- あおば自由詩8*11-12-30
Like_a_rolling_stone- 梅昆布茶自由詩9+11-12-29

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