届かない
目にするものすべてが
もう駄目かもしれない
明日は
いつ来るのだったか
ずっと待っているのだが
入れ違いになってしまったのかもしれない
目の前にいるのに
行き過ぎてい ....
呼吸がしたい
本当の呼吸がしたい
本当の呼吸って何だ?
腹式呼吸ができてる状態のことだろうか
それとも公衆を気にせずにふがふがと至近距離で呼吸することだろうか
わからない
わからな ....
賽銭は 御礼参りに来たときに
神様ヘルプ 年末ジャンボ
はだかになってわたし
まっくらなへやの床をだきしめた
おなかの上に寝そべる闇を
なんとかしたかった
降りてくるよるに
カーテンをひいて抵抗したけど
時間制限があったらしくて
ひいやり ....
白息に はしゃぐ笑顔は 何度でも 空に透かして 林檎のほっぺ
木枯らしが 染み入る午後は コーヒーを 暖房の前は 子猫専用
甘酸っぱい 君との距離を 思う日々 一緒に作ろう キンカ ....
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{引用=
これは、リンゴの木の前に立っている私 ....
砂に埋もれていく
記憶の再構築
あなたの悲しげな瞳が
頭の片隅に
何度も巻き戻していたかった
擦りきれたテープのように
ぼやけても色褪せても
あなたの肌の感触は
鮮明に
時間 ....
部室に転がっていた雑誌の表紙は手塚治虫だった
手にとって眺めていたら
女優の田中裕子のエッセイに目がとまった
もう20年以上まえ、平成元年のことだ
エッセイの内容は
ライトアップされた東 ....
もしもうひとつのパラレルワールドがあるのならば
その世界の僕はどういう人生を歩んでいるのだろうか
もし幸せな人生を送っているのかな
僕の人生と取っ替えっこしないかい
君が死ぬと ....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
私が
景色を切り取って綺麗にうたおうとしている朝に
母と祖母が冷たい戦争をしていた
庭では 冬支度がすすんでいた
家の中の空気と 外の空気が
同じぐらいの温度の朝だった
無言とは
ひ ....
表情無き声をエメラルドグリーンの
細胞と気管支震わせ響かせてる
「逆さまな答は正常の否定」と
待望の結末 見えたら飛び降りる
走り出せば今日も地は泥濘み始め
偶然のリアリティ 逆 ....
幸運のバッファローが鼻血を出して
ポケットいっぱいのピーナッツは欠伸してる
誕生日
ああ 今夜も
おなかいっぱい
日差しがいっぱい
ぶつぶつがいっぱい
ああ 今夜まで
「まあ ....
エゴイストの鳥はうたう
自分の目で見えた世界を
自分だけの声で
うたで
エゴイストの鳥はうたう
知っていると
自分のものだと
エゴイストの鳥は
エゴイストであることも知っている
....
僕は夢想する
雲一つ無い青空に
ぽっかり浮かぶ黒い月を
僕は夢想する
鬱蒼としたジャングルに
飛来する原色の鳥達を
僕は夢想する
ジャングルの樹々の間を
悠然と歩む ....
眠れない日の
眠れない夜は
より明確に朝と繋がる
その夜で太陽は欠けもしないし
この地球の丸さを
完全に隠し去ったりもしない
どこまでも繋がっていくこの夜は
言ってみれば人 ....
遠い君 思う瞳に 鶴映り 帰っておいでと ため息混じり
私の悲しみが
雪となって落ちてきた
ひらひらと
黒い髪に休むように
静かに
手のひらの温もりに迷い込むように
いつまでも
止まない
白い悲しみ
どこまでも
染めていく
....
わたしがうさぎだった頃
この世は赤いもやがかかっていた
花びら一枚にも手が届かないので
うつむいてありの行列を眺めるしかなかった
わたしがひなどりだった頃
飛び立ちたくて仕方がなかっ ....
テーブルの上には、
分からないことばかり
整然すぎるほど あふれ
どれが なになのかを
さがして、時間を費やすけれども
けしてそれは、愚かなことなどでは
ないのです。
....
マッチ売りの少女にでもなった気分で
その鍵穴を覗くのがわたしの日課となってしまった
この街へ引っ越してきた当時はタバコ屋さんだったトタン屋根の並び
ちょっとしたお屋敷風の黒塀に
その鍵穴は ....
紅葉があんまり紅いから
メールを送ってみたんです
紅葉があんまり紅いから
安心するんじゃないだろかって
紅葉があんまり紅いから
やさしくなってみようかなって
良く撮れた
....
こめかみで飲んだ弾丸
胃の中で溶けるのを待っている
ナンセンスな朝
知らない爺さんとキスした日曜の
けだるい舌
チョコレートにシガー
鈍痛の肚裏でわたしは何度も死んだ
二 ....
無辺際の空
金属が滑空する
滑らかな肌は
雲の白さに嫉妬する
見るものすべて
聞くものすべて
触れられぬあなたの
裸体を想起させる
悲しいことなど
嬉しいことなど
すべて綯 ....
かすかに皮膚が振動していた
配線のくるったモーターが
きみのなかに棲んでいた
やさしいおとだ
ぼくたちのつながりは
こわれてしまいそうになる
緑や青のコードを
指でもてあ ....
{引用=
今日 {ルビ午后=ごご}の空は、
秋をきびしく拒絶していました。
その審判は、言葉や法則でなく、
まして、表象された風景などでも
なかった。
許しはしないと、
風や雲の ....
悪縁を捨てたく風呂で体じゅうこすりまくって血だらけになる
鏡に映る顔は父の同じ年より白髪としわが多くて
来るはずのない幸せを次の年こそはと祈り
迎える零時
幸せという言葉のカタチを ....
触れない海は
一本の線で表すことができる
松の梢からその線をくぐり
入ったり出たり 出たり入ったり
わたしには関係ないことさ
沖がぐらぐら沸き立った
あれほど引き止めたのに出て行った
....
樹から落ちる枯れ葉も
雨に震える風も
街角に咲く小さな花も
名前を付けたら
全て私のものになる
無機質に広がる
ビルも交差点も
輝きを放ち
愛しいものに変わる
私の指を握り返す
....
死ぬまでにしときたい事を聞かれないと答え
してもらいたい事はと聞かれ即座に答えたね
膝枕 寝付くまで穏やかにしててもらいたい
髪と布の磨れ違う気遣いにウトウトほろ酔い
時に寝返りうつ伏せ窒息す ....
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