たすけて
私連れて行かれる
手足が動かないよ
服を脱がされて下着だけのみっともない姿で担架で運ばれてく
ドクター私おかしくなんかないよ
おかしいのはあなたとかお母さんとか先生とかクラスメイト ....
私の魂は私の体から抜けて深夜どこかへ行ってしまう
私の意識は朦朧としてくる
ねえどこに行ってるの
わかんないよ
どこで遊んでるの
私君のせいで記憶が断片的にしかない
私が何人もいるみたいな ....
世界は美しくなんかない
人生は使い捨てるもんだ
夢はずっと寝て見てろ
愛は無償じゃないぜ
きちんと対価を払いな
快楽は健康的じゃない
脳に刻み込まれていく
知識を覚えて増えた皺は二度 ....
蝉時雨が肌を刺す
てんでに湧き起こる
雲の峰の下
白き猫と対峙する
突然の珍客に身構えた
野生の瞳は鋭く
こちらを値踏みしている
ようだが
耳はフルフルと
右へ左へ落ち着かず ....
オレンジ色の 悲しみは
小学校の 鐘の中。
オレンジ色の 悲しみは
家路を急ぐ 自転車の
ライトに吸われ、風の中。
オレンジ色の 悲しみと
今宵の月が 重なると ....
トンボの影が 歩道を泳ぎ、
陽射しはそれを 追いかけた。
今朝に生まれた 南の風は、
池にもぐって 青くなる。
街全体の 木々たちに
飛行機雲が 挨拶し ....
今すぐバスに飛び乗って
君と一緒に逃避行
行き先は何処だって
君と一緒なら天国さ
そう僕が居なくても
きっと誰も困らない
僕の代わりはいくらでもいる
そうですよね?
佐々木部長
....
ガンダムってすげえよな
隣の席で男の子たちが騒いでいた
お台場に展示されている実物大のガンダムを見てきたらしく
それぞれ高揚した面持ちで身振り手振りが忙しい
ガンダムってモビルスー ....
或る部屋の窓辺で
日が陰を大きく傾げるのを
ただ子供らの声とも
蝉の啼く声とも判別し得ぬ
まどろんだ感情のまま
ひと思いに飲み込んだ
風景の無味乾燥な後味が
一度体内で逆流を試みたも ....
俺は全然孤独じゃなかった
分かってくれる人がいた
理解できなくても受け入れてくれる人や
俺の人生を見ていてくれる人までいた
みんなと一緒にいながら俺は
....
君は幻 夏が翳るから 僕は無口になる つまさきに
触れる空気が気怠い 何処かで 水の揺れる
気配がする 裏庭に ひそむように 羽黒蜻蛉が
息づいている 白い空に 百日紅が 凌霄花が
浮かんでい ....
神妙にいたすしかない
まどろっこしい夢の淵で
足を踏み外し一路はるばると
緑のさやを開いていく
ジッパーで世界は
夢とこちらに隔てられている
片側通行でないので
夜は眠る決まりなのだ ....
忘れた景色のことは
もう、分からないから
私を追うのなら
出発は
最終列車がいい
戻るつもりのない時間帯に
その街を出てきたことだけは
今もまだ
覚えているから
どう ....
海辺を歩く釣り人たちと
夜明け前の風に吹かれる
理屈は波と共に流れて
水平線上のたゆたいを眺めていた
二匹の鯵が弱りゆくを
ただ見つめるばかり
鰡は嫌われてもなお
馴れ合いを求め ....
今日の空はなんて美しいの
青くて
あああの空に殺されたい
もう私
死にたい
生きる意味なんかないよね当たり前だよね
大学に行くのは
みんなが行くから、に決まってる
それ以外に何か理 ....
さよなら、20世紀のかなしみ
戸惑うばかりに時を紙やすりで削り
緑が朝の雨に研がれていく
薄暗い台所では 食べる営みの準備
食い繋いでいく真摯な必要性を包(くる)む
食べもしないのに ....
戦争について考えることは
それは有益なことなのだろうか
平和についても
それは有益なことなのだろうか
幸福について考えることこそ
有益なことなのではないだろうか
戦 ....
口に出して言うてみて
もしテレビついてたら消してな
家族がおったら ちょっとはなれて
一人ぼっちやったら ちょうどええわ
「生まれ変われるなら
もっと一生懸命生きんのに」
言う ....
そこで「実
は」とどう
せ始まった
ばかりの振 と
りで続きみ
たいにどこ
で/今際、
ニノウデ
君の腕で
ら 茹でて/
抱か ....
秘密の恋
こんなこと誰にも言えないよ
誰にも相談できない
女の子に恋してるなんて
先生に怒られちゃう
君の哲学
君の言葉を
私は愛する
この危険な恋
君への思いは私だけの美しくて儚い ....
名札についている安全ピンになかなかどうして不安になるのでしょうか。服に穴を開けるときに針が皮膚まで達してしまったらなんて、そんなことがある訳ないでしょう。
ピストルに安全装置がついていてそれでも人を ....
げんそうを知りたかった。
えいえんが分からないから。
げんそうをどういうものか僕はみてみたかった。
えいえんがなかったから。
♯
ほしとほしが干からびて補えなくなっ ....
いつからか 独り言がふえて
よけいな言葉は
詩をつくらなくなった
目がさめたら
黒板は白く埋まっている
「もう充分です」
だからもうかえりなさい
言外に、言外へ
言葉 ....
私はある日永遠を見つけ出した
永遠は神、神は私に「世界はもう終わっている」ということを悟らせた
私は3月のある日に
ルールを作った
私とあの娘だけの宗教
を作った
....
クリームで前が見えないけれど
世界には青が降っている
炭酸を抜かないで
誰かの声を聴いた僕は夢中になって世界を振った
*
勢いよく噴出した青を二人の子供が飲んでいた
子 ....
しげりしげり光の青青としげった青葉を食む
尺取虫の羽化をした。
青空の縁を
すぎる時はぬれている。
白い肌の、青く浮かび上がり
おもい出を語り継ぐ
(おばあさまのわかいころ一時
白 ....
君って素敵
でも私はレズじゃないから
君への気持ちは友達以上彼女未満てとこ?
ぜんぜんわかんない
でもそれが苦しくて少し楽しい
なんだかわからなくなるよ
私がもっとかわいかったら
例えば ....
リスクは少ない方がいいのは
それは誰でも頷くこと
地道に貯めていった一円貯金は
今にも爆発しそうだった
揺れる椅子に座る
この椅子の名前はなんだっけな?と
そんなこ ....
剥いたばかりのオレンジの皮には
世界中の切なさが詰め込まれている
予期せず飛び込んでくる酸味はほろ苦く
容赦なしにやわらかいところを襲い
細胞のわずかなすき間からもぐりこんで
き ....
誰かが世界に対して何かを叫んで忘れている
片っ端から記憶が消えていくのはあらかた嘘だろうけれど、その場には忘却の二文字が
確かに、確かに、
脈々と 存在していた
嘘のように
本当 ....
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