愛よ


おまえは道端の石ころみたいに
でしゃばりもせず佇んでいる



それは
太陽の光をたくさん吸い込んだ布団
使い古して先の曲がった万年筆
おどけた瞳を持った豚の貯金箱
 ....
結局また苦しいことになったが

少しタフになったのか

心臓がしめつけられるようなんだけど

まだわずかに心に余裕がある

もう駄目なのかもしれないと思いつつ

建設的なことを考え ....
きんぎょは鉢に一匹しか飼えない

許容範囲を超えると
致し方ないね
堪え性も無いね
脳髄はみるみる溢れ出て
それはどうやら緑色なの

なの、
ごく小さい範囲の爆発でも
腕はしっかり ....
まだ青い実が
道に落ちている

成熟を知らぬままに
その存在を主張する

ああ
ボクに
何が出来るのだろう
いつまでも
子供のままじゃ
いられないんだ

青い実が
道に落ちている

誰もそれを
拾おう ....
やっと唄えるようになった16人が
唄った歌は
たくさんの人に向かって
中空を漂っては消え
漂っては消えてしまうので
なかなかたくさんの人たちには届かず、
僕たちはもう一度中空に向かって唄っ ....
ヤブ蚊というのは
人に似ている
あんまり暑いと
商売にならないのか
無防備な半袖にも
やって来ない
 (ホントハ体温ガ上ガッテ死ンデシマウノデ)
涼しくなると
栄養ドリンクを吸いに
 ....
東の山でテロルがあった
火のないところに煙がたった
晩秋の寒さの中ですぐに鎮火したが
不審火は続く
人気のないところからも自然発火する

空は雲を重ねて黒く笑った
風は目を光らせて時を伺 ....
 
 
 
【黄昏ゆく中で】



 これからは振り向かずに歩きましょう。
 何処かで聴いた唄みたいに
 別れの言葉を残して消えた、あなたの後ろ姿

 風に吹かれてたたずむわたし ....
ぼくの乗ってる大きな船
生まれたときには乗っていた船
どんな名前のどこの海を
進んでいるのかぼくは知らない
ぼくは芋を剥いている
船底の小部屋で腰を掛けて
芋を剥くのがぼくの仕事

ぼ ....
穏やかな波がわたしを襲う
安心してゆだねきっていた
わたしの過失
死んでしまった貝殻に
疑いを隠していた

    ここは、なまぬるい
    それは、
    時にあた ....
はんぶんの優しさをください
背中の割れた
脱け殻でもよいので

  *

すいかの臍に
耳をあてれば
野菜であるという宿命を
粛々と背負う
胎動がきこえる
まだ生まれてもいないの ....
 俺はいま、おかずになる画像を探して
 ネットの海をさまよっている。

 さまよいながら、また、こんなことを考える。

 人間は、どうしようもない生き物だ。

 意味もなく殺し合い、 ....
神の妨害がゆるされるのなら

この身を捧げることなんて

鉄と綿を天秤に架けることくらい

結果はわかっていたことだった

地下鉄の階段から見上げた

地上の灯りはとてもましにみえ ....
ごめんよツブ貝

もっと上手に殻から出してやれたのに

少しずつ 割って 引っ張って

内蔵がみちみちと切れて

だめだった。

無理矢理引きずり出して

刺身にしたのに

 ....
くり返し聞こえる
ずっと耳の奥
石をたたく水の音
ふうわりと浮かんだ陽炎を
あなたの肩越しで見ていた

線香の、つんとした部屋
気管がくるしいのは
意識を奪われているから
ゆるんだ浴 ....
どこからか
風の強弱に
合わせるかのように
風鈴の音が聞こえる

昼間の風鈴と
夜の風鈴では
どこか違う

昼間の風鈴の空洞には
何もない
何もないから
ガラスや金属の
異論 ....
 ほんとはこんな命題で書くのは不本意なんだけれど
 それでも立ち向かわなければならないんだ
 そんな勇気を
 一握りでも

死にたい人間のすべてが自殺を
成し遂げられるわけではない
死 ....
七月の階段を登ってホームに出ると
七月の風にはじかれる木蓮の花
のぞき込む 流れない水
そして少女が手を振る
まるく
何ものをも拒まぬ速さで

おはよう
こないだ タケダからメール来て ....
数寄な者から順不同に死ぬることに涙をする

 ●

真率な文字列の内服をした
染み渡るものではなく
其のままの死には
至らないものであった

 ●

難儀が過ぎ 自 ....
若きアルルカンよ
画家を抱け
詩人に抱かれよ

トルコ石で作ったパステルで
お前のあらゆる窪みを描かう

お前のあらゆる出っ張りは
湿った言葉に痙攣するだらう


美しきアルルカ ....
ひらがなを読みはじめたころだ
ぼくは母と一緒に千住の街を歩いていた
街角の壁に貼ってある
映画のポスターには男の人と
女の人の顔が描かれていた
そこに読めない漢字
「あのじはなんとよむの」 ....
 冷たい虫が脳の中を泳いでいる

 足を大蛇に巻きつかれる
 締め上げられる
 丸飲みされていく

 柳が風にゆら揺らいで
 人影が立つ

 海へ入ると息 ....
ふれたいなら
うんと手を伸ばさなくちゃ

あいつは透明な空に
すいこまれそう

蝉はおもいおもいに
自己主張をして
太陽はこれでもかと
あたしたちを焼いて
アスファルトを
ゆらめ ....
日陰の中で
祠の供え物を
三毛が遠巻きにしている
昼下がり

夏の青空の飛行機雲が
長く長くのびている
その下で
三毛がまったりと
朝早くありついた
おかしら付きの煮干しの骨が
 ....
恋人同士で祇園祭に行くと破局するんだって
昔からそんな噂がまことしやかに流れていた


きみからの誘いを断らなかったのは
おろしたての浴衣に袖を通したかった気持ち半分
別れたらそこまでの縁 ....
いつか やってくると
願っていた
ゆめみた ガラスの靴
わからずに 足にすれば 先があると
いきつけると 信じていた そんな
昔話が揺らぐ あたしの
街のかたすみ靴物語り
      ....
脆弱な夜は微かな光にさえ怯えて
僕を守る暗幕はいともたやすく引き裂かれる
路地裏の隙間に残る闇の中へ逃げ込んでも
サーチライトは執拗に僕を見つける



僕はただ安息が欲しいだけ ....
太陽が昇り始め
朝がきた

キミとの
最後の夜が
終わった

寝不足の瞼に
氷を押し当てて
苦いタブレットを噛み砕く

明日から
どう生きようか

つまりは
キミのいない ....
未だ幽かに蒼い山の向こう
嵐の後の風が吹く
気だるい身体がバスタオルを引きずって
一つの光に吸い寄せられる


あれは星なのか
いや、人々の営みだ


あれは星なのか
そう、淡く ....
俺みたいな人間にも社会はおせっかいで
別にいいって手を振っても
なにか言って巻き込んでくる

橋の下で寝ているだけなのに

空は馬鹿みたいな青


なさけない
ああ、なさけない
 ....
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