{画像=080330035748.jpg}
言葉は、
口に出してしまえば
消えてしまうさ。
心はそんな
簡単なことでは満足しないさ。
手を挙げても
君は見てくれないし、
目を上げても
....
春の雨に隠された怖れを彼女は見ている
幾つものしずくに映る逆さまの世界を
彼女は見ている
からだの動かし方は知らない
時代がかった衣装の代えもない
おひな祭りというものが過ぎて
誰かさ ....
木蓮はほどけて
黄いろい死斑を散らせていた
桜の木々は赤く汚れて
ところどころに
灰いろのピンクを零していた
季節はひとつを終わらせ
ひとつを始めてゆくというの ....
飛び立つ後ろ姿を
どこかで見た
朝
の記述を
探して
黒く浮かぶ
記憶の島を探し
脳内を辿ってゆく
鳥
ほの明るい
Cellの海の
上空に浮かび
....
)鳥が叫んでいた、音楽の道。(僕はその先に小屋があって、小屋はビルの一階になっていることを知っている。沙漠の拡大は羞恥心により妨げられている。ビルの屋上から沙漠は始まった。音楽が細く放射していく、僕の ....
覗き込んだら 電脳朧月
深夜のコーヒー もう何杯目だろう
君のすべてを零と壱に分解して
新しく未来に何を残せていけるのだろう
知りたくない情報も鼓膜に突き刺さる
最近の音 ....
{画像=071224181905.jpg}
見送る駅のプラットホーム、
走り出す京浜東北線。
大森駅。
ぼくは立つ、
見送る駅のプラットホームに。
人は溢れ、
向かう、
改札口へと。
....
080328
グライダーのように
空中ブランコのように
限りある人生を
ぶらぶらふらふらしていると
フラスコの悪魔に喰われてしまいます
化学 ....
1.
上履きの色は赤か青で
たまにみる緑が
私はうらやましかった
ぺたぺたと
音もなかった
たくさんの足
あの
はためく日の丸をもう
みることがないから
ここがどこかわから ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな
溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな
孤独という状態を
....
ぼっかり空いたこころの隙間に
あなたの優しさが忍び込む
そのひとに騙されているのではと
友達は忠告してくれた
仮にそうであったとしても
構わないと思ってしまうわたしがいる
ひとの弱 ....
海のおもてはエメラルドグリーンで
絶えまなく変化する指紋のように見えた
そこには
際限のない虚無や希望の陰があった
際限のない快楽や絶望の放光があった
届くことのない ....
きょうもまた
むごたらしくも
花が咲き
そして散り
音もなく
忘却はととのえられ
かるくなって
飛んでいき
あしもとのごみは
せわしなく
掃き集められ
きよめられて
そうしてく ....
出口に中指を添え
Tシャツとジャージ 石鹸に座ってよろめく
壁を蹴ると滲む 気化した感情
昨日の雨は冷たかったが
雨上がりを見逃してしまった
窓を打つ音は
雨後雨と報じる
曇りガ ....
春、という実感もないまま
海を泳ぐ
わずかに持ちあがった
二の腕から滴る光に
戸惑う
掻き寄せるものは
どれも曖昧な痛みばかりで
だいじょうぶ、と
支える声は
生え変わったばかり ....
ピアノ伴奏のある
昔の洋楽を聴きながら
朝の街道をドライブする
ニッポンのビジネスマン
街路樹の子宮のなかをゆく
きょうもハードな商談がいくつかある
じぶんたち ....
庭に咲く
一輪の
紅い花
見ていると
笑っている
ようだ
人の優しい
笑顔のようだ
誇らしく
きれいに
咲いている
紅い花を
誰かの部屋の
片隅に
そっと
飾 ....
飲み込んだ寂しさは
夕日の味がした
あまりにもさっぱりしていて
麦茶みたいだ
その素っ気なさに
耐え難い孤独を感じた
夕日の味がした寂しさは
冬の麦茶みたいな
黄昏の色をしていた
....
わたしの中、唯一
開かれた小さな窓から
ぼうっと眺める
つながる点と、点たち
ペンシルが弧を描き
強弱をつけながら
行き先を定める
それは幾重にも覆われ
その鼓動さえも
....
まさか
こんな所に
XXクラゲが
いるとは
思わなかった
ぼくはたまたま
近所のコンビニまで
時速160キロで移動中に
道路のど真ん中に落ちていた
XXクラゲを踏んで
大クラッ ....
あの光を見るためには
少なく見積もって三昼夜を
眠らずに過ごさねばならない
昼に見れば
赤い眼は赤く
白い冠羽は白く
くっきりと残像を残すのだが
それは光ではなく
単に赤い眼であり ....
080325
黄緑色の話し声がする
黄色い声をたしなめるように
大きな顔した男の声がして
電車の中は静まりかえり
黙々とメールを読んだりする
帰り道の通せんぼは
....
2000/04/21
死んだ君の眼を食べたいと思うことがある
白眼を向いてぼくを無視しているつもり
だけど120%意識しているのだろう
....
東口を出た歩道橋に
一人立つ
目の見えない
フルート吹きの奏でる
あめーじんぐぐれいすの
音色を前に
手押し車の老婆は通りすぎ
土産袋を持ったサラリーマンは通りすぎ
....
春雨の降る午後
私は一人傘を差し
無数の蕾が開き始める
桜並木の道を往く
三っつ目の信号を曲がり
学校に沿う坂を下ると
傘を差す
君の母が立っており
喪服の私は頭を ....
今期も残すところ実働六日です
計画達成まであともうひと踏ん張りです
強く持続した思いは、必ず物質化する、なんて
偉そうなこと言ってるもんだから
僕は間違いなく追いつめられていま ....
育つために撒かれた種
飲み干されるため血にまみれたトマト
食べられるため握られたおにぎり
焼かれるために横たわるメロンパン
プチられることなく窒息したプリン
時代に見捨てられ
度々俺の ....
傷ついたこころに きれいな夢
ひしゃげた気持ちに あしたの光
うたぐった
あなたにひざまずく
命に似せた「愛してる」
風向きは南
飲み込まれ ....
抱き寄せて、
そうやって愛されたいの、
めちゃくちゃにして、しばって、
そうやって愛されたいの、あなたに、
人は信念とともに若く疑惑とともに老ゆる
すぐれた創造力たくまし ....
その色
スカンジナビアの薔薇より
もっと赤い
沈み込むように
夜な夜な世界の果てまで
私のつま先から髪の毛の先まで
何も残さず
燃やしつくす
夢の砂漠は
いつか辿り着くと ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36