街にほどかれて
悲しみがほころんで
ふらついていた
悲しまない
悲しむまい
どこかで僕らは
計られ
見守られ
さやかな風が運ぶ
なにを見た ....
凍りつく寸前の
ずしり
それは
深い深いみずうみの
4℃
絶対温度で横たわる
好きです、って
告げたら最後
深みで眠れ
ことばよ
声よ
赤紫の記憶は消せないみたい
でも時は流れていて
曇り空が晴れて今日神聖な今日晴れていて
囲いから出たなら
監視が怒るのは無理もない
望みを絶つ言葉を塗りかえる言葉
....
太陽がブスブスと燃え尽きて
街がポツポツと独白を始める
厚化粧した流行が
人工の闇を闊歩する
巻き起こる風にそよぐビル群
氷だらけのジュース
灯りのない部屋に切り取られた小さな窓
ひとつ ....
またもや不意打ちに
なげこまれたアクシデント
水面がざわざわ騒ぎだす
バリケードをはりめぐらせたつもりが
いつもほんの一瞬のスキをついて
とびこんでくる
ズン と重く腹にしずん ....
甘いうっとりする
メロディーを聞く
クーラーの下
ロイヤルミルクティー
宝石の輝き
しゃれた服
楽しい時間
優しい気持
風船プカリ
大笑いの声
花のお話し
葉の深呼吸
....
昨日きみとすれ違ったので
掌サイズのレモンをしぼった
種がとび出して地面を弾いた
今日うっかりきみに
話しかけてしまったので
直径一メートルのレモンに乗った
種がごろんと落ちて地面に寝 ....
080430
疲労回復には
液晶テレビ
大画面のコマーシャルをと
キャッチコピーを捕まえて
頭からガジガジと
囓ってやると
殺し文句を考える
捕まえたり ....
蛙の/鳴き声は
星の/鳴き声だ
地上の/宇宙で
無機質な/命の
星/鳴いている
夏がそこまで来ている季節
山の木々の新緑が
やけに眩しくて
道端の花の咲き乱れる様子が眩しくて
息づくすべてのものたちの
生命の躍動が
私にも頑張れと
そう言って ....
全てが崩れ去ってゆく
全てが悪い方に進む
2回くしゃみをする
燃えて炎となり
消えてゆく
腰を低くしていると
皆が良くしてくれる
頭が低いと話しかけられ
皆が信用してくれる
....
感動のない
人生なんて
太陽のない
ソーラーカーの様だ
より多く、より深く
知る事だ
時々魔法をかける
おじさんがいる。
一生懸命
真面目に
平々凡々と
生きる楽しさ
....
野菜をたくさん載せて市場へと向かうトラックが横切っていく。水路には水草が揺れている。私は派出所へ向かい、被害届を出すところだ。この国では太陽が物を盗む。私の場合、被害としては最悪のケースで、家が盗ま ....
にせものの葡萄のにおいがする
光のすきまを
さらに小さな光がとおる
貨物列車 埃の花
すぎる震え すぎる震え
高く遠く
直ぐに昇る鳥
真昼の星
青を青に打ちつけ ....
自転車で坂道を駆け下りて
夕暮れ前の公園を抜けていく
誰もいない遊園、鉄のにおい
藤の花がぱらぱらと
わたしの背後で落ちていった
同じかたちの宇宙が隣町にもあって
昔はよく友達に会いに ....
夜風を、友よ、
ぼくは、青春と呼ぼう、
黒の日だまりのなかで
ひとりを抱えて
自転車をこいでいる
いくつか光を過ぎて
セルロイドみたいな
外灯のそばの新緑 ....
傷が癒えていきます
でも
いろいろな声が遠くなっていきます
いろいろな景色が霞んでいきます
嬉しいのでしょうか
悲しいのでしょうか
少し涙が滲んできます
女子トイレに入ってきた
あなた
あっと小声上げたと思ったら
ばつの悪そうな顔して出ていった
なんだかおまぬけで可愛いよね
あれれ、わざとかな
石橋は疑って渡れ
ほとんどの誤り ....
そよ風が揺れる
新緑の公園
きらめいて
サッカーに興じる
少年たち
ヘイ!こっち!
ナイス!今の
ヘディングしたんだよ!
そよ風が揺れて
きらめいて
藤棚のベンチに ....
星がひろがる、昼下がりの欲情、
トキが流れる、冬の終の性処理、
あれからのトキを、考えている、
ああ、二度と会えないひとなんて、
僕だけだろうか、きみもだろうか、
....
私は卵について語りたい。だが卵について語ろうとするとき、私は古傷をえぐられるような心の痛みを感じ、私の心の流れは、卵という言葉から割れ落ちた無数の破片によって堰き止められる。私はこの透明で広々とした ....
新緑を眺めながら
赤いゼリーを
ぷるんと含む
冷たく
とろりと
溶けて
でも
なぜか
こころは
溶けないの
?
まだ柔らかな朝の光を受けた街は
サッパリした顔で無防備に佇んでいる
夜に息をひそめていた澄んだ空気を
胸いっぱいに吸い込みながら歩きだす
あらゆる事が起こり得る一日の始まり
だ ....
見上げた空から
はらはら 葉が
ながれていた
なみだ、かと思った
それは
落ちていたのではなく
夕暮れの空
まっすぐいちれつに
ならんで昇っていた
りょうてから
ふわり ....
{画像=080426092028.jpg}
さあさ みなさん
手を繋ぎ、
夜の踊りを踊りましょ。
赤いライトの輪の内は、
ヘモグロビンのタンゴです。
蒼いライトの輪の内は、
黴びた膚肌( ....
ピストルを背中に押し付けられて
細い路地へ連れ込まれる
そんな夢を見た
銃弾が放たれた瞬間に
ちょうど目が覚めるとは限らない
痛みのない苦痛を味わうこともある
それ ....
「卵」という文字が
何故か哀しく歪んだ
誰かの顔に見える
「卵」という文字が
何故か背中合わせに俯く
ふたりの人に見える
「卵」という文字が
何故かずっと倒れずに ....
080426
妻を殺して逃げるんだ
二十五時の暗闇で
つま先立ちで忍び足
窓の外はほの暗く
モダンな街灯連なって
にたりにたりと
ほくそ笑み
綺 ....
窓辺に香る黒いグラジオラス
いつか見た記憶のようだった
車のライトがフラッシュバックのように
無言の部屋を通り過ぎてゆく
雨夜の帰り道
突然君にくちづけた
あのあたたかい
湿った ....
水銀の光の一粒が
横へ横へと動いている
ゆうるりと回転し
他の光をかき分けている
てのひらを巡る
遠いみちのり
つもるうつろ
熱の轍
まるめられた透明が ....
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