仕事から帰り
洗面台でうがいをする
ぶく ぶく ぺぇ
ぶく ぶく ぺぇ
まっしろな洗面台の
お湯と水のつまみは
少し飛び出た両目で
真中のましろい底に
丸い口を空けたま ....
080404
コレでよい
コレで
ひとかけらの土塊を
脚で踏みつぶす
粉々にしてから
ふるいにかける
乾かしては水を加え
塊にして
叩く
叩く
....
穏やかな日々というものがある
一日一日に
棘があり沼地があるのは
ほんとうは知っている
ひとびとは
うまく避けながら果実を探して
今日の美食を味わう
それでも僕は
虹の掛か ....
小さな花びら ひとつうまれた
小さな掌 くしゃくしゃ 紅い
ずっとつぼみで いたんだね
(ぱっと広げた花びらには、むげんのかけらが ふわり)
月の光に 太陽のうたに
とけそうな影を 何度 ....
夜風がゆるく吹いていた
さくらが銀河のようだった
カップルが一組
川向こうのベンチに座っていた
僕たちはすこし道に迷ったようだ
たまに肘があたる
あてどない人生が
....
桜舞う水底に佇む魚
たゆたうひとひらを
尾鰭で弾く
開ききった瞳孔で
仰ぐ空は
こみあげる白一色
こぽり、泡が漏れる
どこからか
漏れ続けている
ゆるい水流にもたれれば
....
08/04/01
高速道路の下にも
桜が満開
できるだけ遊ばなくては
どこでもごはんは
売り切れるから
三時のおやつは
ゴム消しがいい
....
ひと折り ふた折り 届くと いいな・・
だれかのためなんだけど
だれのためでもなくて たぶん あたしの
折り返しては 悩んでみたり
振り返っては 折り成してゆくよ
あたしに
....
ドロップの缶をゆすると
世界がひっくり返るような音がして
ハッカ味が転がりでてきた
たいていこんな感じで
詩を書いている
これしかできないと思いながら
これすらできないと泣いて
....
ひどく病んでいろづいた花は
あたしをただ焦がします
鮮 烈 、
ほんとうはいらなかった
べつにどうでもよかった
曖昧なものは
曖昧であるうちは永遠です
曖昧 ....
夫の着ていたワイシャツの
袖口や襟元の生地が擦れてしまい
これで会社に行ってはいけないと
わたしが云い
名残惜しそうに夫はそれを差し出した
紺地に白チェックのワイシャツは
今日から ....
うつせみの なくこの世あり ひびきすみ青やかになる み空の高さ
{引用=※ 現人(うつせみ)=?この世に現存する人間。生存している人間。
?この世。 ....
テレビを見ながら
リモコンをカチャカチャやってたら
消音を押してしまった
それでなんとはなく
映像と文字だけを見つめていた
テレビから
映像や文字がなくなれば
....
きみは彼を
愛している、きみは彼を愛して
いる、
きみは彼を愛している、非
相似に
ただひとつの時間が
あるために、
それは
愛している、彼はきみを
巻き込んでいる
....
{画像=080401235450.jpg}
アセチレンの光が
ちろちろ
ちろちろと
影をゆらす
ちろちろ
ちろちろと
ゆれる
灯の上に
吊り下げられた
白いお面
狐の面 ....
毎日の洗い物で荒れる指だが
こまめにハンドクリームを塗り込むことで
この冬はヒビやあかぎれに悩まされなかった
昔から
荒れる 治す
を繰り返してきたことで
指紋はほとんどなくなっており ....
焼けてきたお肉を器用に裏返してくれる
横の物を縦にもしない性格だと思っていたのに
どうやらそうでも無さそうで
アルコールの度数は低いからと
ビールの飲めない私に勧めてくれた
甘くてとろり ....
とにかく今の私は
「君」を探し求めている
「君」はとても優しくて
「君」は常にあたたかで
「君」はいつもニコニコしていて
そして「君」は病気の私を自然に受け入れてくれる
そんな「君」を
....
お腹が空いて動けないよぉ
「どないしてん?」
あっ アソパンマン
「まいど アソパンマンでっせ」
お腹が減って動けないんだ
「ほな 救急車呼んだるわ」
えっ あの ....
季節のかわり目は
いつもどこか淋しい
風が吹くたびに
しがみついていた桜の花びらは枝を離れ
雨が降るほどに
やわらかな景色がその色を増してゆく頃
たとえば新しい教科書の
空欄に名 ....
{画像=080401004444.jpg}
禅問答ではないですが、頭に思い浮かんだ言葉をそのまま使いたいと思いました。『そこにあり、ここにある』といった表現です。自分のありようがそんな単純な言葉で表 ....
きみと別れて
ぼくは季節を見失う
桜を、
夜を、
匂いを、
化粧を、
花火を、
肌を、
濡れた、
性器を、
きみと別れて
ぼくは季節を ....
ひとひら
ふたひら
黒い水辺の
むこう岸
藍色の闇に
ふわりと浮かぶ
燈籠のような
花明かり
ひとひら
ふたひら
うろこのような
....
春雨の降る夕暮れ時に
私は傘も差さずに
飲み屋の前で
酔っ払った学生達の
笑い声を背後に
高田馬場駅への道を行く
吉野家の入り口に
貼られたポスターは
先日婚約発表をし ....
拡散する意識のなかで
三月の
浅すぎる海底に揺れている
季節は傾きながらも
横滑ることなく
白い軌跡を轢いてゆく
街路樹の切り口に
ひたり、しみ込む優しさ
僕はきっと
臆病な ....
からすは桜の枝に留まらない
花が落ちてくる
花びらではなく
雀たちが花を切り取り
蜜を吸い落としている
くるくると
くるくると
花は 回り 回る
幾つも 幾つも
....
濃密を増した この空
重力の強い 会話が
男 と 男 で 交わされ始めて
口ごもる低い声が 雨のように漏れて 滴り
あの木々も ビルディングも
積もりに積もった 垢 落とし
排水溝は汚 ....
ねえ君は
どうしてそんなに喋り続けるんだい
何かから逃れるかのように
何かを一時でも忘れたいかのように
その身体を
いま/ここに繋ぎ止めるために喋り続ける
軽くなる言葉
....
水晶のグラスを
シャンパンの泡
昇っていく
ナミダ浮かぶ夜
甘い地平線
求める冷たい雫
使えるようになったんだ
おとぎばなしの魔法
ディズニーランドのパレード
ラッキ ....
打ち寄せる波が
群青色の夜に輝く頃
誰かが届けた二枚貝
時を刻み
異国の景色を
映し出す
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