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おもい鉄の扉を
押した
瞬間にまなざしが交差する
待ち合わせには慣れている

ここはもう寒くないよ

暗がりにふさわしく目を開いて
ひとびとの騒めきを聞いている
楽しいのは
誰もい ....
東京にもう雨は降らないらしい

眠らずとも
目覚めなくともよくなるまで
幾世紀を費やし
浪費するのは何も砂ばかりではない

やさしい飲みもの
歴史をごみ箱にいくら捨てても
まるで甲斐 ....
故郷には深さがある
海の深さとは別の種類の
血の深さと記憶の深さ
一人の人間に一つずつ
最も深い故郷が与えられており
人がほんとうに帰っていく極地がある

果樹園に包まれ
たっ ....
社会人になって幾数年
歯車と化して十数年
叱られ叩かれ使われて
上昇したのは尿酸値

痛風発作に怯えつつ
言った言わないエビデンス
横文字並べて要するに
費用を安く抑えたい

わか ....
「へえ、すごいね」
流れてく広い月


多機能トイレに
死なない程度
埋め尽くす闇
知ってるんでしょ
いらない体液のゆくえ
教えてもっと


すっごい大好きな
絶望を
毎日 ....
誰ともすれ違うことのない
道を歩いていく 私は私を探す 一体の体として
しかし他の誰でもない自分とすれ違うことはなかった
だけど 確かに道を 私は歩いていたのだが


桜はどこにあるの ....
灰色の薄明の底に
灰色の湖が静かにひろがる
その汀にひとり佇んでいる

灰色の薄明は薄明のまま
明けることも暮れることもない
灰色の湖はただ静かだ
誰の 何の気配もない

ただこの場 ....
団欒の横
座椅子に座り
静かにみかんを剥いている

今日どこかへ出かけたことも
娘の顔も
忘れたよと笑う

テレビの映像は意味を失くし
新聞は取りに行くだけの紙になり

積み重ね ....
依存性とは外的な要因が大きく作用してしまうものである。いくら遺伝子の魔術によって勧誘されようにも、実際に巡り合わなければ誘惑されることもないのだ。

澄んだ青空のもとで長時間待たされる。これ ....
小さな嫉妬の粒を
指先でつまんで丸めてみる
日暮れて家へ帰ろうと思うのだが
行く先が知れない

たくさんの人たちが
出立する暮れ方の川辺の
薄れていく土手の向こう
たわんでいくぼくの背 ....
雨のあいまに草がのびていく
つみとってもつみとってものびていく
春は毒だ
帰る場所もないのに咲いてしまう
 僕は知っている

 満月の夜
 梟の声響く夜半過ぎに
 一の社の榧の古木は
 封じられた記憶、取り戻し

 社裏の小さな瀬に
 小さく泡立つ冷たい流れに
 月の光は毀れ落ちては千々 ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
空を渡る種の帯の下
あなたは何故暗い笑みを浮かべているのか
原のなかで
明るい風のなかで


無数の角と無数の羽が争い
多くが失われ多くが生まれた
双つの光が向かい ....
幼い頃の思い出は
割れて捨てられた風船のようなもの。

時が経てば
記憶の隅に追いやられ
パンパンに膨らんだ心がいつしかすりかわる。

(父と食べたアイスクリームの味が思い出せない。)
 ....
母親がくれたジャガイモとニンジンを洗い、味噌汁をつくる。泥がついている。うちの畑でとれたものだろう。でこぼことしたニンジンの表面をゆびさきでなぞっていると、すこし落ちつく。水と野菜の関係は、なんだかと .... 穏やかな日々を
カップに入れて朝を飲み干す
苦みや甘みを口にふくむ
めぐるという
気づかない音色に耳をそばだてる
あれから

かわらないものを撫でる
空を切りわける風に
 ....
曇の上の雨
陽が照らす鏡の背
朝の径に降るかけら
午後の径をすぎるひとひら


空の海が
黝く干いてゆく
まばたきのなかの無数の月
夜が 流れ込んでくる


 ....
道路はとっても長く続いている
まるで一つの生き物みたいだ
うねりながら竜が背中を提供している
道路の上を吹く風は天に吹いている風とあまり変わらないのだろうと思う
さあ太陽さんもっとあっためてく ....
 私はカルピスのいちごオーレの底にたまった沈殿物。
五百ミリリットル入っていても果汁は一パーセントにも満たない。
濃いピンクのふりをしても、先生たちは私のことを講堂に響く大きな声で、赤点、ギリギリ ....
​もう少しで手が届きそうな光でその目が眩んでる
申し上げ難いけれど それは星の様に遥か彼方

妄想だけで生きられたなら幸せだね
儲け話はフィンガーボールで手を濡らしてから

「もう一歩」の ....
色褪せても
あなたは咲いている

そうだね

あなたは見られる為に
咲いてるわけじゃない

ただ
命の限りを生きている
ひとりの私はひとりきり
自転車のうえ
川底の小石
草の根元
に這うありんこ
のことは今は見てない
夕食の献立どうしよう
冷蔵庫には
ナスがひとつピーマンが数個
お豆腐半丁
またカフ ....
青看の行列が覆い尽くしていくのが空だぜ
それがほこりまみれの吹雪じゃ飛ぶはずがないよな
上司同僚と催事めいた挨拶を交わして事務所を出たら
俺は空港における状況の逐一を嫁だけにメールすればいいのだ ....
夜 狂いのむごたらしい清潔さ
不眠はわたしの明晰を鍛える
すべての致命傷がやがて
朝焼けに染まるように

消毒する どうせ助からないのだから
深夜 信号の変わった道路を
ふたりで歩いて ....
セールスマンが 私のこと 歌ってた
仕事で へこんで
お客さん この上もなく ひきつった笑顔で
見送ることしかできない

きっと 弱いのは
さずかりもの
つらいって 歌うのは わ ....
・NEWDAYS

飛び降り
宙ぶらりんで嗅いだ春は
甘かったかな
苦かったな

コーヒーと海を混同したまま
電車はくさる肌の上を黙走していく



・ドーナツ

暴力 ....
誰も何も言わなかったから悪いんだ
リンゴジュースを買うために失う120円、
もしかしたらそれで世界を救えたかもしれない
眠たいだけの授業に費やす時間とお金

かわいいは正義だって、誰かが言っ ....
背に花の生えた猫が
午後の雨を待っている
二つに分かれた坂道の
曇に近い方を歩いてゆく


休み休み進むのは
花が重いからかもしれない
午後に夜にひとつ咲き
朝に昼に ....
米粒より小さな私がいる
足元の草よりも小さな私は
厳かで巨大な荒削りの岩の上に立つ

海風が吹き荒れる
米粒程度の私を試すかのように
青い地平線が広がる
米粒程度の私を包み込むか ....
深水遊脚さんの自由詩おすすめリスト(913)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
destination- アオゾラ ...自由詩516-4-3
新しい雨- 伊藤 大 ...自由詩1016-4-3
帰郷- 葉leaf自由詩716-4-3
わかります- 松本 卓 ...自由詩916-4-3
イタミノ- モリマサ ...自由詩4*16-3-28
ある日の散歩道- 番田 自由詩216-3-27
灰色景- 塔野夏子自由詩5*16-3-27
みかん- yaka自由詩416-3-27
ニコチンよ永遠に- アラガイ ...自由詩12*16-3-27
小さな嫉妬の粒を- オイタル自由詩516-3-26
つみとる- はるな自由詩916-3-26
闇を背負う人- 夜雨自由詩216-3-26
休園日- 自由詩37*16-3-23
ひとつ_羽音- 木立 悟自由詩8+16-3-18
幻の思い出.- 梓ゆい自由詩116-3-17
愛がジャガイモのようだ- ユッカ自由詩5+*16-3-11
春を飼う- かんな自由詩2+*16-3-11
夜へ_白へ- 木立 悟自由詩316-3-11
生き物の愛おしさ- 黒髪自由詩2*16-3-10
足並み- 為平 澪自由詩716-3-8
モウ- 邦秋自由詩116-3-7
枯れない心- 幸絵自由詩116-3-7
吉川さんお久しぶり- ふるる自由詩5*16-3-6
GATE-B2(ゴル投稿長考版)- 高橋良幸自由詩4*16-3-6
さくら- 川津 望自由詩416-3-5
『労働賛歌』- 座一自由詩9*16-2-15
なにもかも- 平井容子自由詩816-2-4
かわいいだらけの学校- 上城レー ...自由詩316-2-4
しずく_秘名- 木立 悟自由詩816-2-4
石廊崎- 自由詩5*16-1-3

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