すべてのおすすめ
わたしは新参者だから
とにかくにっこりと会釈する
「こんにちは」
と声をかける
するとにっこり
が返ってくる
けれどもそれは
返ってくるばかりで
声をかけるのはいつもわたし

それ ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
鉄鋼所が身近になってから
鉄を人に喩えたりするようになって
鉄製の電車の壁に身をすり寄せる

鉄の粉塵は無色で町を覆う
自動車の鉄板に細かな鉄の屑が毎日積もって
こびりついてなかなか剥れず ....
田舎暮らしに馴れきってしまい
地下街が怖くて僕は
東梅田のビルの隙間
歩道をとぼとぼ駅に向かう
汗がにじむのは
気温のせいじゃなく
コンクリートに染みついた
あの夏の影の照り返し
不快 ....
青い血で書かれた水曜性は、
{ルビ万年青=おもと}の実となって赤く結ばれる。
ある、いは、いつになく遠く静かな空で、ある。

店員が しきりにすすめてくる
玄関先に どうかしら
と自分に問 ....
人違いをした
人違いしたのは
はじめてではなかった
はじめて人違いしたのは
デパートのおもちゃ売場で
母親とまちがえて
知らない女の人に
おもちゃをねだったときだった
知らない女の人は ....
今日見えたものが
明日も見えると信じてるから
生きて行けるのですか?

さながら私たちは
籠の中の鳥にもなりきれずに
開け放たれた扉を
行ったり来たりの繰り返し

振り向けば ....
泥臭いごぼう

えいこらせ

泥臭いにんじん

えいこらせ

泥臭い顔

えいこらせ

泥臭い人生

えいこらせ

泥臭い人間

えいこらせ

土をかぶって
 ....
中にある中国。俺の。中にある欧米。
頭の。中がキーボードになっていく。
ジャンプしてる。足が。頭の上で。
入れ替わる。下半身と上半身が。

機械樹の体育倉庫に/微生物の粉をふりかけて/白いご ....
ときどき妻が
キッチンの引き出しの中をのぞいて
笑っているのはなぜだろう
中をのぞこうとして近づくと
あわてて閉めて私を追い払う
みんな眠ってから
トイレに行くふりして
開けようとした瞬 ....
ついに機械は人間を征服した
自ら創り出した機械に追われた人間は
やがては
絶滅の道を進んでいった

地球を征服した機械は
だからといって
自然を支配しようとはしなかった
むしろ
自然 ....
鱗が一枚一枚
剥がれ落ちるように
今はまた
別な種類の魚になって
あなたを飼うことに
とても忙しい

引き出しを開けると
テーブルと水草がないので
ホームセンターへ買いに行く ....
おもてに映るのは
笑って
泣いて
嘘を吐いて

うらでは何を
映しているの?
遠い空しか
見てないの、ね



仰向けに眠る癖は
やっぱり
私なんか
あなたのどこにも
 ....
狭い部屋なので
多くのものを置けない
だから
多くのものが載っている本を
たくさん買おう
そう思って
まずは大きな本棚を買ってきた

本屋に行って
買えるだけの本を買ってきた
本棚 ....
初めましての挨拶から
僕らもう一度始められないかな

好きな音楽に好きな本
君んちの愛犬の名前に
僕んちのデブ猫の体重
君の抱えてるトラウマに
僕の癒えることない傷跡


初めて抱 ....
自分の名前を失くしてみた

自分の名前をてのひらにのせる
初めてちゃんと手にとってみたそれは
案外に硬く
今までそれを身に付けていたにしては
まだ馴染みきっていないような感じがした ....
アイロンのかかった俺のワイシャツに
今日も人混みが押し寄せる

離れてくれないか
もう少し離れてくれないか
くっつかないでくれ
オレのシャツに

昨夜君が丁寧にかけてくれたアイロン
 ....
山鳥は、
 語りえない

ゴム、しゃぼん
 せかいは いとも
  かんたんに

 喧嘩する
  きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
 ぼんの せかいは 簡単に
 ....
貴方は優しくささやく
貴方の思いは岩をも砕く
傍にいて欲しくて
泣いた。

かわら煎餅を食べた
元気が出た。
貴方のお母さんの作ってくれた
おにぎりの味は忘れられない

重き荷を背 ....
あの町の夕暮れにはカレーの匂いが良く似合う
大体
二日目
ジャガイモが煮崩れてるぐらいで丁度良い

あの夕暮れの町には
人は流れていなくても
夕凪にてろてろとした
柔らかさが流れていて ....
小さい頃からお世話になっていた診療所には
セイコさんがいた

しなびた手のお年寄りで
診療所の奥で薬の調合をしたり
患者がいなくて暇な時は掃除をしたりしていた

小さい頃はよく風邪をひい ....
「きゅらりん」

私は本当にあなたがそう言ったのか、
はたまた、驚いた。

「きゅらりんってなんだよ。」

けれどもあなたは、なにも教えちゃくれない。
沈黙に陥った。

「だからさ ....
マンホールの上でベーコンが焼ける暑い日

屋根瓦の上に産み落とされたあなたのアイデアは

半熟からウェルダンになって

天へと昇っていったのよ

ねぇちょっとおかしいと思わない

 ....
歯車の一員として
歯を食いしばり
グトッと堪えて
鼻をすすって

水の流れに沿って
時に流されてゆく
花は萌え
天気も良い

タンバリンの音
水がポトリと落ちる
エンジンを切り ....
たくさんの花を枯らした
サボテンやアロエも枯らしたし
ケフィアやカスピ海ヨーグルトも駄目にした
それでも命は大切にしなければならないからと
小さな虫はその形や色が嫌いでも
なるべく殺さず ....
生牡蠣色した夜明けの都市を
雨は重たい鉛のように撃ちつける
聖母像を運ぶ男と
地球儀を回しつづける女が
顔を上げて同時につぶやく
――あなたは誰?

ぼくは鉄路に耳を当てている
いくつ ....
自分が変わってるのか
世界がおかしいのか

まぁどっちにしろ
誰にも理解されないことの方が多い
それも少し慣れた
諦めが肝心だと誰かが言ってたから
やっぱりそうなのだろうと思う

寂 ....
どうもさっきから耳鳴りがするんだが
耳の中を覗いてみてくれ

おいおい
俺が墓標を背負っている男だからって
こんなもん期待すんなよ例えば

サーカスのブランコ乗りが
星屑の中で行ったり ....
透明と漆黒の間
無限階調の青い温度を
滑らかにはばたく
マンタ
重力は知らない
裏返り、途絶えてゆく
浮力の哀しみだけを
白い腹に秘めて

辿りついた系譜は
争い合う知識ではなく
 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
深水遊脚さんの自由詩おすすめリスト(913)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
イナゴ- 渦巻二三 ...自由詩707-9-10
忘れる- 葉leaf自由詩1707-7-28
鉄鋼所- 九谷夏紀自由詩407-7-22
駅・大阪- たりぽん ...自由詩15*07-7-22
黝い手跡_(あおぐろいしゅせき)- こしごえ自由詩22*07-7-21
人違い- 小川 葉自由詩907-7-10
NOT_FOUND- 優飛自由詩12*07-7-8
- kei99自由詩107-7-7
印刷プレビュー- 狩心自由詩3*07-7-6
引き出し- 小川 葉自由詩14*07-7-5
アンチテーゼ- ぽえむ君自由詩6*07-6-30
- 小川 葉自由詩1207-6-30
嫉妬- 小原あき自由詩18*07-6-29
本棚- ぽえむ君自由詩13*07-6-21
追憶の欠片- イヴ自由詩607-6-21
自分の名前を失くすはなし- Utakata自由詩1207-6-17
満員電車- オズ自由詩207-5-30
ゴム- はらだま ...自由詩38*07-5-10
話してね!- ペポパン ...自由詩9*07-5-10
夕暮れ町- ねなぎ自由詩607-4-29
セイコさん- ふるる自由詩13*07-4-29
日常会話- 蔦谷たつ ...自由詩3*07-4-18
おかしな日- オズ自由詩407-4-8
歯車の輪- ペポパン ...自由詩4*07-4-7
- たもつ自由詩42*07-3-24
愛について- んなこた ...自由詩607-3-19
孤独感- イヴ自由詩2*07-2-15
耳鳴り- サナギ自由詩3*07-2-3
ホバリング- 佐野権太自由詩19*07-2-2
トーマス- ごまたれ自由詩69+*07-1-7

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31