行く春
三州生桑

かげろふやガソリン一滴惜しむ日々

花散るや小猫は野辺に腐りつつ

病む祖母のひとみ濁れり藤の花

わが胸は花花花とうづきけり

秘めごとは肉の匂ひや落椿

佳き人のお尻は白し夢の春

夏近し不意に視線はからみ合ふ

荷風忌や詩のかなしさとみだらさと

春の夜の闇まさぐりぬ指のさき

行く春や恋の指南は嘘ばかり




http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/


俳句 行く春 Copyright 三州生桑 2008-05-01 18:48:43
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
俳句