カウンセリング(テスト)
モリマサ公

昨日は水曜日
カウンセリングに行く
きもちのなかでの幅がなくかなしくもないがたのしくもない
記憶力が低下中
なにもおもいうかばず
こころにひっかかるものもなにもない
あいかわらずの毎日がたいくつ
というわけでもなくつらいわけでもない
いまの状態を正確に記録
しておこうとおもう




すこしずついろんなことができなくなっていきながら前に進む
全てのさびしさとともにアメ玉をなめてる

わらわないホームレス
シャブの切れたナース
聖母みたいなビッチたち
ゆるく人類の記憶が糸のようにのびながらからまり
回転してる
西高東低の切りとる輪郭を覆いつくすように
かぶさるブルーシートがふくらみ
ひろがってく空がうすまる
明るい夜のなか
風船は手を離れすいこまれ
体中にあながあいていく
みたいに
マンホールがうらがえって透けてみえる
誰もいってることが大体ただしくて無敵
マジに全然わからないが焦点を50メーター先に合わせとりつくろい「だよねー」って笑い
笑いながらなんだか自分のやってることが全然わからなくなる
わからなくなっていく
泣かないこどもたち
燃えるゴミの中の
ハリが折れた注射器
おちてくる枯葉をあたまからかぶる外国人
すごく元気よくかけぬける日常
みんなのリアル
アンテナが乱立している
あらゆる角度で
あらゆる角度から見た
ここいらへんにいる全員がやがて死にかけて
その中の半分がたぶん生き残り半分は死ぬ
完全に死ぬ
残りの半分も最後には死ぬ
つまりは全部死ぬ
てゆーか
なにがいいたいかというと
物理的に
気が狂いそうになりながら不思議と俯瞰的になっていく
結果的に
つまり気が狂いながら俯瞰的になり
他の誰
とかのせいとかでなく
自分のせい
で世界がゆがみねじれていくことを理解する
信号が青に変わるたびになにかをあきらめることと
背中を押されて
歩道から車道へと交互に足がでることは同時だ
右足
そして左
右足左足そしてあきらめる
すこしずつ前に進む
つまりすこしずついろんなことができなくなっていきながら前に進む
一歩
つまりすこしずついろんなことができなくなっていきながら前に進む
いつかはここにいる全員が死ぬ
とこころにおもい
さびしくアメをなめ
けどまだ全員が生きてるという甘酸っぱい感覚に支配されながら

前に進む







自由詩 カウンセリング(テスト) Copyright モリマサ公 2008-02-16 22:05:51
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