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長い年月を波に洗われて打ち上げられた
流木のように古びた椅子に座っている
おまえがいるだけだった
正午の青空のした 影もなく
呼吸さえ 受動で
降りかかる陽射しに ....
潜水艦
虹色の海を渡る
魚たちを見ていたら
いつまでも
ここに居られる
気がしていた
だけどそこは
ぼくのいない
世界でした
ライラライラライライラ
流れ星も揺れる珊瑚 ....
羽のうしろに光がいて
羽が光を振り向いたとき
ひとつの石の眠りのなかに
数千万年の微笑みがあり
光だけが咲く庭の
短い歴史に埋もれたのだと
....
あしがいっぽんしかなくなって それでくるくるとおどります
すいそうのひろさは はじめから わからない
ひれにみたてたながいそでのふくは まわると とてもきれい
すそも まわるとまとわ ....
あなたが通り抜けた改札で
何故か
わたしは置いてけぼり
あなたが買えた切符
何故か
わたしには買えなかった
人生には幾つもの
改札があって
選ばれたひとと
そうでは無いひ ....
卵を割ったら
子猫がでてくる
という夢を見た
次の日の朝ご飯の
目玉焼きが
まんまるの目に見えた
子猫は半熟の涙を流していた
それから僕は
目玉焼きを
食べることができな ....
好きですけど
あなたはきらいですか
きらいですけど
やっぱり
みかんを齧った
流れる空気は知らないうちに
甘くなった蜜のかおり
みかんは未だに熟していません
甘いで ....
君は鳥が好きですか
僕はどちらでもないです
桜が咲くと嬉しいですか
僕は土手で寝転びます
今日は何か音楽を聴きましたか
僕は鈴木茂を二回かけました
夕ご飯は美味しかったですか
....
緑の葉を一枚
唇に{ルビ銜=くわ}え
言葉の無い唄を奏でる
黒い影の姿で空を仰ぐ
わたしのまわりが
ひだまりとなるように
* この詩は「詩遊人たち」 ....
食べ物をこぼすと
誰かが 食べたかったみたいねえ
子供のような声でいう
お母さん
あなたが
好き
※いちにちめ
朝起きたら
靴から花が咲いていた
綺麗な花ではなかったが
あんまり堂々と咲いていたので
迷った揚句に仕方なく
会社へは裸足で行くことにした
※ふつかめ
朝起き ....
こえ、
ぼくを剥いてゆく
この
あかぐろい
にんげん、を
剥いてゆく
こえ、
きみの
こえ、
ふたしかな
やさしさ
ぼくの ....
なにかと鋭い恋人に
今日は特に死相が出ている
と言われたので
心配になって病院にいったら
思想だった
俺てっきり死ぬかと思った
良かった
とどのつまり
俺の頭ん中は
夢だとか希望だと ....
昨日までやわらかかった
祖母の手には
取り返しのつかない
岩石が生えてしまった
気味悪がる僕をよそに
つうんとした口調で
おこづかいをあげる
なんて言い出したから僕は
* ....
空と 空のかたちの窓と
空のかたちの音が重なり
幾つもひらくものの内の
悲しいものが言葉だった
小鳥が鴉のうたをついばみ
鴉が小鳥のうたをついばみ
小鳥は鴉に 鴉は小鳥 ....
My spirit's been up to the heavens
Taking my soul on a ride
Up to the ends of the rainbow
and ....
日が暮れて今日も塩屋に
ナメクジたちが集まる
口々に死にたい死にたいと言いながら
塩を求めにやってくるのだ
けれど感情が昂りすぎて
みな自分の流した涙で溶けてしまう
翌朝塩屋の前は
粘液 ....
ぼくらの夢が一つ消えていった
ずっと空き地だった場所に
高層マンションが建つらしい
みんなでゲームをしたり
自転車で走り回ったり
喧嘩になったりもしたけれど
いつも気軽にみんなが集まって
....
地下鉄に揺られています
あなたは今何をしていますか
僕今ちょうど北大路駅
あなたは今どこにいますか
僕が揺れる地下鉄は
君がいるような夢心地
君の笑う顔が
僕の頭の中を巡るよ
....
歌を音を色を光を愛せば永遠だ
壊してしまいたい
あなたにウィスキーを投げつけてしまいたい
あなたのちっぽけな愛を恥ずかしめてしまいたい
ずっと一緒にいたい、よりあなたが憎いと言 ....
沈んでしまった
沈んでしまったんだよ
波は驚くほど冷たくて
足はガラスの欠片か何かで深く傷ついて
白いワンピース
ガラスの欠片
そのシルエット
日は音も無く哀しい程静かに
沈ん ....
雨が降ってた ・ シャワー
雪が積もった ・ かき氷
晴れ間が差して ・ ライト
並んで踊った ・ ワイパー
ふたたび雨が ・ 涙の雫
そして ・ アンド
木々を剪定した ・ ....
ときどき
本当にときどき私は身体と心が千切れて離れてゆく感覚に
襲われてしまうのです
身体の芯から崩れてゆくような気がして
私の身体は
私の手足は
力なく横たわってしまうのです
....
2007/03/15
投函したと電話したら
明日、読むのが楽しみです
ホワイトデーのチョコレートも
美味しかったです
と
言われたので
少しは脈があ ....
線路の砂利で小人を遊ばせていたら
石のすき間から雑草がかわいらしく
風がちりり、とふくので
小人達の草原はきらきらとゆれる
あぁ、世界はもう
やわらかな
たらふくに酒を飲み
電信柱にしがみつく
「こらこら、電信柱に上っては駄目だよ」
ちがうの
電信柱の陰から 君を見てみたかったの
少女漫画のそれの様に
ゆらゆら乙女にふけっていると
....
枠に閉じたら 絵だと
逆らわなかった息づき
飛べたものが 石の中
墜落もできずに
鎮火を待つ間
まだ 蝶でいる
電車に運ばれて
自然の黒いろに
人工のひかりが
駆けぬけてゆく
夜を運んでいる
皆なにかしらの
欲望をこらえながら
目を閉じたり
見つめたりしている ....
父さんは
今週も仕事で行けなかったが
「きょうはどうぶつえんで
きょうりゅうとおほしさまをみてきたの」
少々想像力を要するユキの報告をききながら
夕暮れ
隣家の妹夫婦 ヨコヤマ家へ
....
おんなじ町に
子供のころから住んでいると
きょうのように
車じゃなくて電車で帰るとき
各駅停車で帰るとき
ひとつまたひとつ
思い出に停車している
駅は姿をかえ ....
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