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手作りの飛行船に乗って
大陸の端っこから
ひとり こっそりと
大空へ飛び出して約1ヶ月になる
着陸する方法はとっくに忘れた
水は飲み尽きて空っぽ
食料もあと ....
『経済』
私のため
ひとつ法律を
さらり書き上げる
揺れるカーテンから
隣近所の花壇の香り
風と共に
ふたつ階段を
のぼってくるり
振り返っても私はいない
人をな ....
レインボーブリッヂはセヴンブリッヂ。
七つの色は罪の色。
「まるでトウキョウみたい」と僕は呟いたのでした。
仕事 ほっぽり出して
詩なんて書いてる
なんか悩んでる
25歳 初恋でございます
ほしいものは なんでもあげる
いらないものは全部捨てていい 無理しなくて良い
微々たる ....
子供の頃、僕らは社会見学で宇宙船を見に行った
飛行場の長い滑走路に降りてきたそれは
船体に星空を貼り付けているわけでもなく
凶暴な触手の持ち主が船体を食い破っているようなこともなかった
船から ....
君から奪ったギャルソンのコート
とてつもなくカッコいい
真っ黒でサイズも僕にピッタシ
ソレを着ちゃったら
僕は君のよーにお洒落になれたよーな気になってしまうんだ
君から奪ったギャルソンの ....
物の見方を変えるために
距離を置く
物の良いこと悪い事
その両方が見ることが出来る
俺はこの前
詩を書く事に
距離を置いてみた
自分は綺麗事を並べているだけなんだろう ....
{引用=
手紙のうえを 匍匐する 春の補色残像と 虚飾で
ペン先が 紙を愛撫する この前頭葉には 潤いが
どうも足りず 西洋風の
横書き ....
?.
なんだかみんな似てるね
みんな美人ぞろいだね
あのこ ああ、あのこなんか
絵にしても いいね
なんだかみんな似てるね
でもおまえだけ少し違うね ....
帰宅ラッシュだった
階段で圧力に耐えかね
ひょろ長い女の背を
あわあわと胸で押してしまった
(押すなよおっさん!
おっさんではない
武士である
{ルビ法度=はっと}に ....
陽光 燦燦
青空へ 誘う 透明な想い
世界は 光の乱反射
聞こえない 音の余韻
コップに溢れる 炭酸水
綺麗な 想い出は 弾け散る 青だから
この青空に 記憶させる 注ぎ込む
....
草の汁の香
冬の忌に満ち
かさぶたとかさぶた
双つの雨粒
ゆるりと肌に消えてゆく
脚の十字 手の十字
持ち上がる夜と闇の音
落ちる音 穿つ音
かたちを残し
流れ去る音 ....
幻聴 それは孤独な僕には良き話し相手さ
灰色の荒野には凍り付いた骸が地平線の向こうまで続いている
僕はその真ん中に胡座をかき 両手を合わせて宇宙から風に乗ってやって来る煩悩を心に取り入れてい ....
まだ興きたばっかりの国同士が争っていた頃
僕はある国の一下級兵士の息子としてこの世界に生を受けた
子供の頃から疎開が絶えず 友達も将来は兵士になって国の為に尽くすと教育されていた
僕は戦 ....
朝なのに彗星の流れる音がした
朝の森閑たる雰囲気を突き破り
僕の家の隣の道路を通っていった
それは自動車の奇妙な睦月の風を切る音だった
一つ大きくプシュー と頷いて バスがアイスバー ....
眺めるのは
不安、この先の先の方の、
それ、キリンの首の長さで、それ、
真っ直ぐの横顔で、
それ、お前も好きだろ、それ、
オレ、男だけど身ごもっちまった
それ、渦巻きの中の
....
無数の花びらたちが帯のように
川の両端を縁取りながら流れている
私は冷たい雨にかじかんだ手のひらで
傘を握り橋の上からそれを見ていた
けれど川にも街にも花びらにも色は無い
ふと見れば ....
ベッドのへりからあおむけで見つめる
まるい蛍光灯
目を閉じて追いかける残像は
欠けたのか
届かないのか
つながらない輪の形をして
黒の中に赤く燃えて
中も外も見えないほど燃えて
そ ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日
どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ
ことばは、忘れないため ....
ミッキーの高い声も あの日の花火も
全部 長い間違いとして 君に深く刻まれたんだ
そして 放たれたピリオドが 胸を貫いた
今年にも春がきて
春を数えるときがやってきた
まずは春の色を数えたい
薄い黄緑や淡いピンク
あちらこちらにたくさん見える
暖かい風が揺らしてる
どれが一番似合う春の色だろう
春を見ている ....
肌の繊維は黍ほどに荒い
かの女の
黒味がかった糖蜜に
ぷんとかおるのは汗だけでなく
ぼくをからかう意思だとか
淫蕩にみちた態度だとか
何しろ ここはゆるい斜面だ
相変わらずの屠殺と
....
歌う川
――十一の変奏曲
{引用=
一
川は
歌う
膨大な水の旅客を乗せて
すべての山と谷を後に残して
流れながら
歌う
二
祈る人は ....
例えば
用を足していて
済み
尻を拭おうとして
トイレットペーパーを
力任せに引っ張ると
安っぽい
「トイレットペーパーを支えてるやつ」は
その安っぽさをいかんなく発揮して
芯の ....
知りたかったこと 知りたくなかったこと
知らなくてよかったこと 知ってはいけなかったこと
とけるとける 落日の坩堝 橙色の窓辺
消える影と影の少女 黄昏の廊下に 一枚の印象を残して
出会え ....
とおくみつめる
あの秒針の刻む音が
きこえるほどの しずけさで
あやしくぼんやりとした曇天に
にじむ光の粒子を
私も刻む
時のまなざしは熱かった
始まりは、秋の縁側で
ぶらさがっ ....
シャンゼリゼ通り
喫煙席の私
苦いコーヒーをすすって
軽くビリリと火傷
傾きかけた太陽と
背後に迫る月と
バランスを保つ地球
フーと煙を吐き
流れたそれは コーヒーと混ざり ....
ある日突然
街から空が飛んでいってしまった
青い空は街の向こうへと
逃げていってしまった
残されたこの場所は
街から出される煙で
空をつくっていった
灰色の空はきれいな灰色だが
それは ....
朝一の電車に揺られて
見たことも無い別世界に到着
働き蟻の行列に紛れて
流されながらも蟻塚に向かう
蟻塚の中で手続きをして部屋へ案内されて
白い紙に黒のみの塗り絵
....
ピカソの良さが分からない
そう公で宣言してみれば
私は世界中の評論家から
反感を買う事になるだろう
展覧会に並べられた
一流の絵画や彫刻
それらが町外れのギャラリーにあれば ....
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