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南風に乗って、夏が
駆け込んできた

いつだったか あなたは
疑いなく寄せるそれを
レモンの光、と呼んで
指先で掬い上げて口付けをした

透明な時軸につかまって、僕は
ひとま ....
山鳥は、
 語りえない

ゴム、しゃぼん
 せかいは いとも
  かんたんに

 喧嘩する
  きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
 ぼんの せかいは 簡単に
 ....
汗ばんだ、女の子に魅力を感じます。
僕は、決して、自然が好きではないけれども、
わきを開けて、スプレーを吹きかける女の子は、
好きではありません。

そのわきに、剃りのこった、毛があれば、
 ....
ボルヘスさんはアルゼンチンの詩人さんだ
彼はいつの頃からか
世界中のあらゆる本が集まる巨大な図書館で
年若い妻と共に暮らしている
盲目の身のボルヘスさんのために
妻は毎日本を読み聞かせる
 ....
春がじかん切れとなり
贅沢な地下鉄のゆれにまかせて
それぞれ 肩から鳥を逃してゆく
そらにまいあがれ、ちぎれないままで 
そらを

みじゅくな鳥が
春の隅っこを
ゆっくりと ....
帽子の話はひととおり終わり
白い塀が先の方まで続いています
突き当たりの干物工場を右に
道順を教えてくれる指先は節くれだっていて
足元には重いものに潰されたような
カマキリの一部が残っていま ....
飲み干した缶のウーロン茶

無くなってしまったベンチ

夜の自動販売機

高校生の襟首

まっすぐな

まっしろな

失敗をしたことのない

厳しいあなたのことを

た ....
     1

逆光の眼に飛んでくる鳥を、
白い壁のなかに閉じ込めて、
朝食は、きょうも新しい家族を創造した。

晴れた日は、穏やかな口元をしているので、
なみなみと注がれた貯水池を、
 ....
フワフワと昇っていった太陽が
正午を待たずにフラフラと墜ちていくと
祖父は老人の特権を振りかざしてぼやく
「昔の太陽はこんなものじゃなかった」とぼやく
かといって、一日中大空に君臨し
見 ....
確かめるように差し出した
金魚引換券は
手のひらの熱で
もう、よれよれだ

  (ううん
  (いちばん小さいのがいいの
  (だって
  (いちばん大きくなるでしょう?

わがま ....
「シエスタ」





ふたりでシエスタ
手をつないで眠る
肩が重なるくらい
寝息が前髪を揺らす、くらい


ぼくら同位置に同時存在できない
だからせめて、出来るだけ近くで
 ....
床下の古い梅酒の甕の中に
老女が一人 ちんまりと正座している
皺だらけの顔でにこにこと笑いながら
一匹の小さな透明な竜と遊んでいる

琥珀色に澄んだ酒の中で 軽く竜を弾く
竜 ....
川のせせらぎかと思った
マンホールの奥に それはある
空気入れで押し込めたタイヤの中にも
 いわば
作りかけでいたはずの 夏の星座
暗闇を並べるのは不自由するばかりで
地平まで 窓に映る蛍 ....
重ねあう肌のあたたかさに
見いだそうとするもの

胸の奥に秘めるもの

真新しかったスーツに
シワもめだってきて
某寂無人のかかとに踏まれた
つま先が疼く

こんなはずじゃなかった ....
記憶のかたわらで
あの人の奏でる、ヴィオロン

夜想曲は、もう
恋のできない私に似合いね
と わずかに唇をゆるめてから
伏目で弾いた鳴きやまぬ、旋律
それはどうしても、波としか呼べなくて ....
子どもたちのかおり水はかがやく
わたしの足をのみさらうもの
それはとても自由な戯れに見えたけれど
目をとじて 耳をすませば
ひとつの韻律をかんじるわ
わたしもむかしは うたでした

 も ....
{引用=




  金色が たおれる 欠伸が 蔓延する 
  蛙のうた こもる ねむれない 五月 日々の罅に 滲む
           ゆううつの 書物 ふあんていの音楽
  刺身 ....
わたしはわたしを見ていた
夕暮の公園の砂場にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
朝焼けの庭先の花壇にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
昼下がりの小学校のグラウンドにわたしを ....
ねえ、ねえ、ねえ、

ねえってば

こんな感じに甘えたのは
あなただけ

生きることの大切さと
初夏の清清しさを教えてくれた
忘れられない優しい笑顔

こねこのように
ベッドの ....
夢のなかでぼくのあたまを撫でて、泣いてくれたひとは誰だったんだろう 野良犬を見かけなくなって寂しいだとか
犬の糞を踏まなくなって嬉しいだとか
駅前の駐輪場はどこも整備されてきて
雪崩れを起こして倒れなくなったなとか
そんなことにふと気付くことがある
数年前の ....
大きな葉の下から
そっと空を見上げると
とても薄い緑色が輝いている
そろそろ夏が生まれる
風が吹くと
きららとした緑色は
暗くなるけれど
遠くで流れている川の水のように
他の場所で光り ....
風が、やんだ

鳥の声を探して
下草に濡れたのは
迷い込んだ足と
慰めの小さな青い花

遠ざかっていた場所へ
私を誘う手は
湿っていて
それでいて
優しいから
触れたところから ....
最初に雨を見たのは
ぼくだった

みんなはそのとき知らなかった
窓に一筋の雫が流れて
静かに落ちていったのを
最初に雨を見たのは
ぼくだった

風はなかったのかもしれない
ただ水が ....
擦り切れている背表紙を
後生大事に持ち歩く
付箋に躓くことを繰り返してしまった

左手には一束のシャレード
紐解いている間に
夏の森は
微笑や涙やトキメキを頬張って
色彩を奏ではじめて ....
「めそめそさん」



ある朝目が覚めると
隣に知らない女の子が寝ていた
くびが細くて大きい目をしている
名前はめそめそさんというらしい
それからぼくはめそめそさんと暮らしている

 ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
ばらばらに散らばった
こころをかき集めて、


「こんなにも だよ」

って、見せるキミの手は
散りゆく破片で 血まみれで



降りそそぐ花びらは、

しきつめられて

 ....
途切れがちの遠い波音に
あるいは
いつかの風景の肌ざわりに
私は
何を求めていたのか

カンバスは
筆先の触れた瞬間から
額縁にきちきちと収まってしまう
握り込んだ青い爪が
手のひ ....
骨のことなら知っています


奥深く平面的で
動物的な空が


罪深く走る夜
立てるよ、と勘違いをする男が
束になって走っていました


((はしたなく
    ((はしたな ....
水町綜助さんの自由詩おすすめリスト(1447)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
炭酸レモン- Rin K自由詩43*07-5-12
ゴム- はらだま ...自由詩38*07-5-10
それは、もう- 蔦谷たつ ...自由詩6*07-5-10
ボルヘスさん- 楢山孝介自由詩5*07-5-10
砂の城- はな 自由詩29*07-5-9
道順- たもつ自由詩2407-5-9
_- 猫のひた ...自由詩207-5-9
静かな氾濫をこえて—四つの断章___デッサン- 前田ふむ ...自由詩29*07-5-8
出来損ないの太陽が地上に墜ちてくる惑星にて- 楢山孝介自由詩5*07-5-8
春金魚- 佐野権太自由詩29*07-5-8
「シエスタ」- ソティロ自由詩10*07-5-8
古梅酒- リーフレ ...自由詩10*07-5-7
帰還(feedback)- 高橋良幸自由詩1207-5-7
- 恋月 ぴ ...自由詩26*07-5-6
渚のヴィオロン- Rin K自由詩29*07-5-4
わたし_うたでした- soft_machine自由詩29*07-5-3
hibi- はらだま ...自由詩34*07-5-2
影踏み- 土田自由詩707-5-2
- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-5-2
やさしい手- ソティロ自由詩9*07-5-2
追憶演技- 楢山孝介自由詩12*07-5-2
夏が生まれる- ぽえむ君自由詩28*07-5-2
霧の朝、森に帰る- LEO自由詩34*07-5-2
最初に雨を見た- ぽえむ君自由詩14*07-5-1
夏の鍵盤- 藤丘 香 ...自由詩42*07-4-30
「めそめそさん」- ソティロ自由詩10*07-4-26
書店で働くということ- 吉田ぐん ...自由詩73*07-4-25
きらきら_キラキラ- わら自由詩27*07-4-25
遥か、透明の過程- 佐野権太自由詩32*07-4-25
空平線- 石田 圭 ...自由詩37*07-4-24

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