すべてのおすすめ
いつも通る公園の入り口に
いるホームレスのおばちゃんがいなくなっていた
でも
そこにあるマグノリアの木に
真っ白い 大きな花が咲いていた
おばちゃんがその大きな白い花の中から
にこにこ手を ....
ブナ林を歩いていた
二人で
おれは少し茸や山菜をさがしながら
おまえはきれいな花や苔に触れながら
ブナ林を歩いていた
木漏れ日が、いいな。
そうおれが言うと
おまえは、そこここ ....
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった
十二年前H君は中国人の留学生に ....
朝、目覚めて、海を、見に行く。
ねぼけ、まなこに、潮風、しみる。
寝巻に、残る、熱、冷めてゆく。
寝汗が、冷えて、少し、目覚める。
海辺の、ディスコは、閉店、時刻。
....
おれは歩いていた
いつもどおりの海岸沿いを
おれは歩いていた
いつもどおり美しい海岸沿いを歩いているのにおれは
おれは海が見えなかったちっともおれには
おれには唇 ....
きれいだね きみと あさひと
きれいだね すなと そらと
....
?.
誰も傷つけないように
貝殻を拾いにゆこう
まだ潮が高いから
ゆっくり 遠回りをして
(神様の邪魔をしないようにはできないのよ)
踏みしめる靴 ....
思い知るって
すげえ言葉だな
思い知ったら
血も流れない
バリャス・トリンケで縛れ
夜は潮が嘆くからさ
バリャス・トリンケで縛れ
おまえの 恋も涙も
―――夕日の中で
....
?.
旧市街のプラサに
仮設テントが建って
ワインの試飲祭が行われた
一週間続く
ぶるじょわなお祭りだ
入り口で
一ユーロでグラスを買って
あとは一杯一ユーロで ....
仕事のない月曜日
事務所に向かうお前の後を
朝
潮風がしみ
猫舌でいつも遅くなるおまえは
長い足ですいすい歩くから
まだ半分ねているおれは
かるく小走りだ
お前の少し後ろを
朝
....
?.
(脱皮中の大蛇が、ぐるぐるするめまいのなかで想いました)
眉間のあたりがパキパキいってらあ
白黒の国にいこうかな それとも
クリーム色の国でやさしく暖かく生きてゆくか
....
海を見下ろす高台の公園には、昔この国の王侯貴族が避暑地の別荘として利用した赤レンガ造りの建築がある。現在は音楽大学として使用されており、小春日和のお昼時に、セロ学生の太く若い旋律は白い玉砂利を撫ぜ、 ....
?.
隣の丸っこい車と空と
くぎりもつかんわ おい
馬にまたがったのが一昔
鉄にまたがったのよ人ごみで
血の暖かささあさあさあ
ペトロールでパトロールでロッケンロール ....
青みがかる灰色の空
春の若葉も静かな会話
横断歩道 赤に変わって
僕は止まる 息を吐いて
思うことはたくさんあるが
思っても仕方のないことばかりで
晩御飯の ....
笑ったり
照れてギャグにしたりせず
まじめなかおをして
ぼくはあなたとSEXがしたい
という。
瞬きもせず
言い訳など考えず
....
君に
君の心と僕の言葉が反対を向いてどうしようもない時は
僕のことをへちまのちんちくりんと見なして
うっちゃってくれればいいよ
僕は少し酢とかにんにくとか
鼠の尻尾とか ....
赤い靴をはかされて
踊り続けるのはやだな
意外に知られていないのか
うっかりさんが多いのか
みなさん踊り狂っていらっしゃる
赤い靴をはいて
踊らされ続けるあの子が
痛みをこらえながら ....
こんな寒い日は
どうしてもシチューが食べたくなる
早く帰ろう
家に帰ろう
どうしてこんなところにいるんだろう
まったく馬鹿みたいだ
足を踏まれるために都会へ来ている
糞を踏んだ足が
さ ....
誰かの悪口
雨と ふみならす 小声で言って
私のにおい
日本語の、あいしてる、を、
あの壁をこえてサ行の庭へ
サクラ サヨナラ シラナイ シ シ
....
蜂が蜜を集めている
花に頭をつっこんで
こんなちいさな生き物でも
死ぬことがあるなんて
レモンの香りが漂っている
あれを持っていたのはだいぶ前なのに
刺すように つんざくように
顔の ....
1999年8月某日
午前七時起床
朝食後、心理テスト
当てはまると思うものを○で囲む
それからこのテストを作った奴が俺よりちゃんと世界を観ているのか
どうかということが一時間に一度くらい ....
幹さん、
どうでもいいですけど
高円寺のキャバクラで詩人っていう名刺配りまくるのはやめて下さいよ。
大将二号店で2本目のつくねをほおばりながらキムがつっけんどんに言い放った
どうでもいいけどキ ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
だまっていたほうがいいことは
わかっている たくさんのことば
わかるということは
ことばでいえるようになることでなく
いいつくせなくなること
わからないということは
ことばでい ....
青のお墓で悲しむことはありません
白の立ち姿を遠目で映します
赤のお空で産声は響きます
黒の後ろ姿を光で焼きつけてください
あなたのいた砂の層が
うららかに音を奏でて
....
鏡
鏡に沈む
愁いは波紋となって
私を揺らす
深さの計り知れない底から
ひきあげて
ひきあげて起し
唇に秘密を添えて
黒髪を噛み薄ら笑う
見苦しくはないかと
歪なのは私 ....
「 」
昨夜のあいさつは、耳からこぼれる雨のよう
に切なく潤い熟し、さららと色を空を映す欠
けては満ちる月の鏡。
お早う
もうこんな時間
そろそろ失礼します
耳に残 ....
どういう
ことかしら
丸い物を転がすなんて
何も転がさなくっても
わたしは、ひとりよ
自転する内臓が
閃いて
新陳代謝している
ぷふ
それも
わたしの限界を
諦めず
つ ....
視線をゆきます。
ひっそりとした
鋭角な色のない
告白にも似た存在の道
とぎすまされた意志の果てには重く輝く種子が宿る
涙で
洗われた深い瞳
そこに秘密を映す
答のない ....
真夜中の
骨の色素が熱を帯びて
暗く
暗く蒸発してゆくのです
未だに守れぬ約束へと
恐ろしく白い
わたしの骨は
いったい何を支えている
夢か幻か否現実か
未来は己で決める
....
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