すべてのおすすめ
ウィルスに乾杯。
ついでに、ブルースウィルスにも乾杯。
{ルビ尾骶骨=びていこつ}に乾杯。
1/2 砂漠にも乾杯。
世の中は満ち溢れていて、
満ち足りていて、
夕 ....
{ルビ梶谷=かじたに}さんは、隣りのゆうこりんが大好きらしい。
大好きだから、チャンスがあれば付き合いたいらしい。 羨ましがられたいらしい。
梶谷さんは、独身らしい。 {ルビ四十路=よそじ}手 ....
「 涙 」
雨が降って
水が地上に生まれ落ちる。
そして
....
五百円玉は機嫌が悪かった
カチャリと投げ込まれた
小銭入れの中には
たくさんの硬貨がいた
その中でも五百円玉は
一番格が上なので
一番大切にされなければならない
五百円玉は小銭入れの中を ....
真っ暗闇の部屋で
明かりをひとつ灯しました
左胸にぽつりと
心臓を燃やす朱
上大静脈の先端を、僅かに焦がして
夢と呼ぶにはまだ早く
意志と呼ぶにはまだ遠 ....
信じられない と
叫ぶ女にはなりたくないな と
携帯電話を耳にあてながら 上の空
500kmあちらで暮らす 君の言葉は
演技派俳優みたいに キメキメで
どんなに情熱的な言葉も
セリフみ ....
{引用=
うすむらさきの 人々が 自転速度で 水平線から
粉末になって 夜になる 太陽が 空にのぼるから
きみは 太陽を掴まえる
緋色の ....
1. 午後に
だれもいない海岸
南国のプライヴェート・ビーチ
抜けるような青い空
まばゆい陽射しが降りかかる
ウェーブのかかった豊かな黒髪を
赤い大輪の花かざりでたばねた
ハシバミ色 ....
私はここにいたんですよ
時にはそっと問題を解くけれど
街灯が点いたり消えたりするから
羽のように笑っています
千切れた場所を見せびらかして
添い寝に意味なんてないのに
ベッドはやたら飾 ....
ところで俺はだてに墓標を背負ってるわけじゃない
今日も墓標に風で飛ばされた紙切れがうまく引っかかった
細かい字で何か書いてある
読んでみた
{引用=
「君に宛てて」(恋愛詩の習作)
や ....
彼はわたしにグレープフルーツを剥いてくれている
私が一房で満足してしまうと、次は自分のため、ゆくゆくはグレープフルーツのために剥けない薄皮を時間を惜しまず丁寧に剥いてゆく
彼は私のパンツの ....
「夢はあるの?」
「無いよ」
「なら、どうして私に夢を語ることが出来るの?」
「知っているのと、信じているのは違うということさ」
「難しいね」
「悲しいんだよ」
「 ....
何も描かれていないその絵本は
風の中にあった
ミルク色をしたその紙の上に
風が運んだ川のせせらぎの音を
優しくのせてゆく
絵本の中では
水は静かに海へと流れてゆく
絵本の右上から小鳥のさ ....
知っていることを知ることで
わたしの輪郭は
かたちを為す
そう、
知らないことも同義であるけれど
わたしのどこかが喜ぶように
いつもいつも
知ること、と記している
....
記憶の糸は ここから近い
青葉とともに樹齢に添えば
風の渡りがよくみえる
耳を
やさしく奏でるように
静かなことばは
紡がれて
会えるひと 会えぬひと もし ....
疲れすぎて
風邪引いちゃった
社会的には
タブーなのに
38℃出ちゃった
頭が痛い
体が熱い
ストレスの掛かりすぎ
お袋がお粥を作ってくれた
久しぶりに食べた
急いで食べた ....
コンクリートの壁に
長く続いている雨が
滑らかに曲線の
渇き潤して垂れてゆく
寝息を立てて
ゆっくりと
沈下している灰色に
波動の存在を
信じた午後の
奇妙な光り反射している
アル ....
揚子江のほとりで
あなたは生きてください
わたしは揚子江の様子は知らないけれど
多分あなたも同じくらいに知らないでしょうけれど
揚子江のほとりにも花は咲くでしょう
この年になっても花の名前は ....
君を失ってしまった
ある日急にいなくなったのだ
警察にも捜索願を出した
けど七年経っても見つからなかった
結局死亡届が出た
僕と君は結婚していた
収入は無くても僕と君は一緒に ....
僕は君を見ていた 君は夕日を見ていた
凄い早さで燈黄色に焼けた雲が流れていく 君は美しい
「この丘、夕日がとても綺麗ね。なんだか心が洗われるよう。海に沈んでいく夕日を見たのは生まれて初めてだ ....
覚えているか、あれは
そう四月のことだ
この街へ来た、電車で来た
覚えているか、それは
都市を走りぬけ
トンネルを抜け、春の中で
ありがちなおぼろげな夢の中で
あぁ、覚えていないこと ....
真夜中の見知らぬ町を
自転車で走っているのは
即ち、愛に他ならず
思想が違うから
時間をおいた方がいい時もあると思うの
真摯な言葉が
どうぞ真っすぐ届きますように
駆け引きす ....
あれ?
此処は何処?
あれ?
俺って誰だっけ?
なにもわからない
あれ?
何してたんだっけ?
あれ?
あんた誰だっけ?
なにもわからない
あれ?
なんで苦しんでる ....
なんて見送りやすく、なんて放しやすい手だったか
そしてその事実の残酷さを
一生忘れない
いつか会えなくなるのは分かってた
2人ともきょとんとしてばかりだったから
それでも触れたのは
触 ....
H2O
H2O
この{ルビ地球=ほし}を巡り廻る旅人
H2O
ぼくのからだにも流れてる
何度も夜中に目が醒めて
冷蔵庫を開けた
ペットボトルのキャップ外し
そのまま ....
先生は
花瓶に一輪の花を持ってきて
作文を書けと言う
こんなやつでも先生になれるのか
僕が代わって授業をしてやろうかと思った
考えても考えても
頭の中の言葉たちが整列してくれない
....
辛い 辛い
辛すぎて…
もうどうしようも無いぐらい
深い絶望
苦しいこの苦しみは……
なぜ…?
僕は何一つ悪い事なんかしてないよ…
自分で自分の腹を殴り
自分で自分の首を絞 ....
東の空が明けるころ
あなたはまだ
真綿の中で眠っている
朝の日のひとすじが
あなたの頬を
さくら色に染めて
はやく春がみたい
と言ったあなたよりも先に
春をみた
猫になりたい
と思った
近所の公園に行った
が、逃げられた
ので不採用
魚になりたい
と思った
海に潜った
が、溺れた
ので不採用
学歴はあった
求人雑誌ひろげれば
....
包み紙を、外す
独特の
ぱりぱりって音
もう
聞き飽きてる
口直しにカルキ水
まだ、甘ったるい
口内がだるい
包み紙を、捨てる
隣で
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49