きゃらめる 5
よる
1
なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
....
私たちは一葉の記憶装置だ
生い茂る木々の端で
保存することのうしろめたさを
知りながら連なっている
陽光が差すその瞬間に
私たちはいつも照れている
風の戯れに私たちは
....
黒い筒の中に入った卒業証書を昨日
僕はうちへ持って帰った
そいつは本当は
日の目をあびていたいんだろうけど
丸まって黒い筒に収まっているのが一般的で
そいつは本当は
沢山の視線を浴 ....
この道を通ると
君を想い出す
君は本が好きで
いつも本を抱えて角の本屋から出てきた
本で手がふさがってると
にこっと笑った君
手を小さく振った僕
君は幻だった ....
あなたといっしょにすごせた十ヶ月間、わたしはとてもしあわせでした
母なる子宮のあたたかな海に守られて、いつもわたしはまどろんでいました
わたしはあなたを選びました そしてあなたの愛するひとを選びま ....
いくつかの茶葉は先生の教えを忘れ
上のほうで ぷかり と 浮いたまま
また いくつかの茶葉は
下のほうで ほっくり と 沈んだまま
僕は固くなった体をほぐそうと
もがいていた
....
1.
みずたまる、みずたまる、みずたまるこ。
みずたまりに、みずたまるこ。
みずに、みずみずし。みずたまるこ。
みずみずしみずたまり。みずにみずたまるこ。
むこうみず、かえりみず ....
または帰ってきたサイレ星人。じゃなくて、「さ入れ言葉」の弁明。「さ入れ言葉」がわかんない人は、以下の文章を読んでおくように。
レレレのレッ!
http://po-m.com/forum/showd ....
言葉を許してしまったら
どうにも落ち着きが悪いから
とりあえず
旅に行きましょう
ささくれだった
太い指が
地図をなぞるのを見るのも
悪くない
車窓から
見える景色が
山ばかり ....
凍えるようなフランスパンに
アプリコットジャムの毛布
パチパチと弾ける
ガーリックバターのシャッポ
クリームスープに浸しては 寒さを癒した
季節
家庭教師の家には いつも
ライ麦パン ....
またはレタス魔人の逆襲。じゃなかった「れ足す言葉」の逆襲。「れ足す言葉」が何か知らない人は、先にhttp://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8106&from= ....
生まれ変わったら
何になりたいかって
お前は聞いたよな
俺は
男も女も生き物はいやだぜ
俺はね
街になりたい
色んな人間がいて
楽しいことも
悲し ....
列車に乗り
外からの赤いランプが
暗い寝台を照らせば
望郷の始まり
そのまま眠りに入って・・・
朝になって乗り換えをして一時間
その後バスに乗り30分
そしてバス停を降りれば
....
春は渡るほどに
瞳で深呼吸をして
そして一方通行の追憶を
リバイバルで・・・
俺の家の近くにも そろそろ
更新の匂いがする歩道橋があり
その歩道橋の階段を登りきれば
少し歩いたあたり ....
にいさん 今 どうしていますか
風の音が聞こえます
ずいぶん強く吹いているようです
窓ガラス一枚へだてて
冷たい外の世界は
やっぱり
窓ガラスもう一枚へだてて
にいさんの部屋へ続いて ....
私はら抜き言葉がとても嫌いだった。「ら抜きの殺意」を抱きかねないほど嫌いだった。しかし最近はだいぶ慣れて、ら抜き言葉にでくわしてもなんとか耐えられるようになってきた。耐えなきゃいけないなあと思ったから ....
反響する月あかり
空は明るい菫色です
白い雲が
流れます
今夜
地上で起きている
出来事が
みな懐かしい
白い廃墟の町も
風の荒野も
現実にあった夢も
何一つ欠けることの無い ....
ファンタジーの中に閉じ込められて
夜空にはしろい雲が流れていた
玲瓏の青い水蒸気に燻され
旅人は迷宮をさまよう
白の魔術は失われ
中空で光さえ
囚えられ
病む
月
夢の
苦しさに
....
今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない
ありったけの洗濯物を押 ....
思いっきり身震いしたら
壊れてしまうかと思っていた
田舎町に
今ではすっかり馴染んで仕舞い
若かったゴジラ達も
皆立派な町の世話役となり
ズルズル引きずっている
逞しい尻尾に気づ ....
おんなのひと の 腋の前のとこが 好き
ぴったり閉じている その時のが いちばん
乳房(ちぶさ)を 予感させる その麓が 良い
夏にちよっと 酸っぱくなりそうな でも いい匂いの
だから 好き ....
僕は置手紙を残して
出て行くよ
このメールの時代なのにね
せめて
僕の体温を感じるものを残すよ
「さよなら」を書くと
いろんなことを思い出して
涙がこぼれるか ....
豚のバラ肉は皮を剥がずに
毛は焼いて処理をする
大きな鍋にお湯をわかし
皮、たっぷりの脂身、少しの赤身のバラ肉を
どぶんと入れる
一時間ほどことこととして
お湯を別の容器にあけ冷蔵庫にいれ ....
大学時代のテキストの隙間から
色の褪せたチケットが
半券も切られないまま何年もそこに
「ところでそのコンサート」
と相方がつぶやく
そう
このコンサートはとてもよかったらしいね ....
時々、半年に一度くらい、文字が判らなくなる時がある(時期があった)。
この日本語というものが、意味のない記号のように見えるんだ。
例えば、『あ』という文字。
可笑しくないか?
線が、三 ....
午前零時半
歌舞伎町の片隅
長旅で東京に辿り着いた女は
コートに{ルビ包=くる}まりしゃがんで
コンビニで買ったおにぎりを
むしゃむしゃと喰っていた
隣で塀にもたれた僕は
熱い缶コー ....
冷凍庫で
ひっそりと眠っている 肉まん
活き活きと冷気を吹く アイスクリーム
カチコチの 鯖・鶏肉・エダマメ・・・
満席ですね
冬の列車
僕はそろそろ起きなくては
流氷も離岸した ....
今そこで
足音がしていたので
どこかに行こうとしているのだと思って
それは廊下の突き当たりにある部屋の中の
粗末な机の前なのかな
と思ったりもするが
その足音は
始めはせわしなく廊下を踏 ....
春光や「カレーの市民」の尻の張り
春光や決死の像に漲りぬ
彫像の裳裾の奥へ春光る
春光の中や塑像の蹲る
緩みなく「考へる人」春早し
春立ちぬ考へること生きること
地 ....
(た)
たーちゃん
僕は「たもつ」だから
君は僕を
たーちゃん
と呼ぶ
たーちゃん、それとって
たーちゃん、あれしまって
たーちゃん、どう思う?
君の声に
溶けかかった僕は
....
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