花びらのように
あずみの

わたしに降り注ぐ優しさはどうして
こんなにも哀しいまでに鮮やかな花びら

灰色のわたしを埋め尽くすように
幾ひらも幾ひらも舞い降りる

紅い花びら
白い花びら
青い花びら
黄色い花びら
桃色の花びら
橙色の花びら
紫色の花びら
薄緑の花びら

柔らかく暖かくわたしを包み込む

ああ、それなのに

色を持たない灰色のわたしには
もうすでに枯れ木のわたしには
与えられる優しさに返せる花がない
花を咲かせる力もない

何をもってこの美しさに報いよう
何をもってこの優しさに報いよう

せめて涙でも流せたなら
それを一粒一粒心込めて
玻璃に変えることもできただろうに

孤独な古木に今日も色鮮やかな
優しさという名の花びらが降り注ぐ


自由詩 花びらのように Copyright あずみの 2007-06-20 21:25:32
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