優しさの前に立ったとき
どうしようもなく
人見知りをしてしまう
なかなか差し出せない手を
ぎゅっと握って
その手のひらは
汗だくになってしまう


嬉しさの前に立ったとき
どうしよ ....
なだらかな曲線を描いて
時間が蛇行している
本当は
霧状のものなのに

浮揚している
空虚な意識を投げ込んで

思考は楕円形のひもの上を回り続け
輝きを薄めていく



   ....
「普通」が麻痺した

時間は減っていくものじゃない と知った

私は 素直に横になった

疲れていたと 知った



「普通」が麻痺した

「普通」が暴れなくなった

 ....
ビルは氷柱(つらら)のようであって
交差点に、滴る微笑の鋭角が
夜はひときわ映える

空は無限の海にはあらず
月のマンホールに、僕らは吐き捨てる
ばらけた感情語

それを生 ....
落ちてゆく
夕陽の触り方を
知らない子どもが多い
つるりと
何のためらいもなく
なで回すと
とたんに飽きてしまう
そうして
バイバイと手をふって
見送ってしまうのだ
そんな
少し ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている

風車越しに月を掴もう ....
正直今日の日はえぐれるような1日だった
いろんな意味で
あたしはもっと強くなっていかねばならない
昨日よりももっとぐるぐるめまいがした
あたしはもっと強くならなければならない

 ....
              080924


猫が毛を舐めるのだと
譫言のように呟く男
電車のドアからも
秋風が舞い込んでくる季節
Tシャツのメッセージを考える
Don't monke ....
おかあさんから手紙がきました。
おかあさんは手が震えるから、看護婦さんが字を書いた手紙でした。
おかあさんの写真が2枚入っていました。
おかあさんはおしゃれできれいで自慢のおかあさんでした。
 ....
初めて会う人の顔の真ん中に
或いは胸の真ん中に
おへその辺りに
とにかくその人の中心線に
隙間がないかどうか
確かめる
それは
ある時はボーリングの球くらいの大きさだったり
ある時は米 ....
テレビの電源を
オフにする
それだけでは
現実と私は切り離せない
と知ると
カーテンを開け放って
現在と対峙する

朝焼けも
夕暮れも
物悲しく過ぎた日の
言葉を吐くことを
一 ....
渚のざわめきは
ナトリウム灯のオレンジに溶けて消え
九月の海が
わたしの名を呼んだ

絹を広げたように
滑らかな水面が
夜の底へと続くしろい道を見せる

爪先からそっと水を侵すと
 ....
どうやらここがとてもとても明日で
透明なはずのここは鈍く曇っていて
上を見上げればちょっと青みがかっていて
(水槽だよな)
なんて
ぼんやりしてみたりもする
息苦しいのはきっと酸欠だから
 ....
渇いた喉に、
ジンジャーエールを流し込む。
ありとあらゆる細胞に吸収され、
ぼくは炭酸の泡で息をする。


ぱちぱちと、星がまたたくような音がひろがっていく。
なんとなく宇宙はそこに ....
あなたが忘れたおとなになるよ。
ぼくは、
変えられない未来を、運命とは呼ばない。


もうなにもできなくなるくらい、使い果たしたい。
それがさいごになってもいい、べつにかまわない。
 ....
「かんちゃんはさぁ」

まどろんでた保健室で突然に話しかけられたんだっけ。
アダムとイブがどうとか、
ノアの箱舟がどうとかこうとか、
新約聖書と旧約聖書の区別もついてない私には
さっぱりわ ....
蓄えを崩した時
してはいけない枷がほころび
祝福に満ちるのを感じる
崩すものがなくなるまで
私の都合を優先したいものだが
さいわいただの願望だ
快晴を望みながら蛇口をひねる

へその緒 ....
夏のテーブルは渚
水のように陽だまりがゆれる
私の貝殻はここにあります
波間にさすらった熱い砂は
もうゆるくほどけて


あなたの胸に頬を寄せると
潮騒が聞こえます
時折 やさしく
 ....
暗闇に指を伸ばして
知ろうとしている
指先が暖かく湿る
聞こえるのは、ピアノだけ

鳴いている
泣いている
うまく言えない
でも大好きだよ

ピアノのトリルのような ....
{引用=laisser vibrer

(音楽)鳴らしたままに。(打楽器で)振動を止めない。}

0,

ポリリズム、
異なるリズムの孤独が、偶然同期する
ほんの一時の間だけ、でも
 ....
公園で蝉の骸を踏む乾いた音に
夏の日差しが醒めていきます

夏は生まれゆく季節ではなくて
燃え尽きていく黄昏だから
皮膚の下を流れるもののような色で
手の届かない場所へ
沈んでいくのです ....
紺碧の輝きを放つ
カラスアゲハの翅が
百合の花のつよい匂いに紛れて
大きくひらくのを見た

静止した夏の庭。

そこに私がいる
分岐の先に、
意識が流れてゆくのも――
移ろう涼しげ ....
好きだった
あれこれ眺めること
時間だけを支払うこと
手ぶらでドアをこじ開けること
手放せずにいた
かもしれないを
恐れていた
買わないが消えてしまうのを

自動ドアに認知されない子 ....
マジにミラクルがもうすぐそこをとおるのがわかる

おれたちは
どこに浮かび上がり、
どこに染み込んでいくんだろう

真昼のみずあび
世界で一番きれいな
ひかりのうでが砂をい ....
午後からは雨がやんだ

小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う

雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる

会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように

僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから

ほら

こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
アナタハ ダレデスカ

身寄りも帰る場所もなく来る日も河川敷を掘じくる佐久間少年ですか
地球の汚染大気に蝕まれ余命いくばくもないメイツ星人ですか
ふたりきり
河川敷の工場跡で
下水道に住む ....
わたしの生まれ育った村には
鮮やかな花が咲いていて
広大な田地が広がっている
野良犬がそこらじゅうにべとっと寝ていて
曖昧な微笑みを浮かべる村人と
いないはずの人たちが生きていた

たと ....
期待していた息子が
期待を裏切り
長年の夢をぶっ壊しました

何が原因かって
それは自滅というもので
原因なんてものじゃなく
どうして ああも簡単に
棄て去ることが出来るのか
横で見 ....
道路をわたった向いのコンビニの怠惰な
額の奥にひかりがともってる
「今とてもしあわせだよ」
何度もこの台詞を繰り返す

高速道路の壁を国産車が
ぶち抜いていく
アンデッドなボディーとソー ....
七尾きよしさんのおすすめリスト(337)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地球の丸さの前に立ったとき- 小原あき自由詩26*08-12-11
その瞬間に- 乱太郎自由詩17*08-11-27
「普通」が麻痺した- ANN自由詩408-10-28
さかさまの都会- Rin K自由詩3608-9-28
触れる- かんな自由詩31*08-9-28
胸の前で祈るように携帯を- たりぽん ...自由詩22*08-9-27
レター(ミクシーより)- モリマサ ...自由詩40*08-9-25
毛を舐める猫- あおば自由詩9*08-9-24
手紙- ともちゃ ...自由詩21+*08-9-23
隙間- 小原あき自由詩17*08-9-12
もの言わぬ人- かんな自由詩11*08-9-11
海蛍__(二)- 銀猫自由詩16*08-9-9
金魚姫- 紫音自由詩11*08-9-8
ジンジャーエールに関する宇宙のはなし- ゆうと自由詩2*08-9-5
100円ライター、使い捨て。- ゆうと自由詩5*08-9-4
ナベくんへのながい返事- かんな自由詩15*08-8-29
溢れる- 佐々木妖 ...自由詩5*08-8-28
さよならの砂- 石瀬琳々自由詩10*08-8-27
cresc.(_渡_ひろこ_/_rabbitfighter_ ...- rabbitfighte ...自由詩23*08-8-26
laisser_vibrer- rabbitfighte ...自由詩23*08-8-19
季節は生まれたりしないのに- たりぽん ...自由詩9*08-8-17
美しき残像_☆- atsuchan69自由詩18*08-8-16
無常- 佐々木妖 ...自由詩8*08-8-16
宝石- モリマサ ...自由詩1708-8-16
溺れる魚- 皆月 零 ...自由詩21*08-8-9
「優しい雨」- ベンジャ ...自由詩18*08-8-7
ムルチ(怪獣詩集:帰ってきたウルトラマン)- 角田寿星自由詩1508-7-31
(また)見えない人の話- 吉田ぐん ...自由詩1708-7-28
いらだち- 青い風自由詩4*08-7-27
シガー- モリマサ ...自由詩1908-7-25

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