いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
私の周りだけが黒く縁取られ

切り取られ

夢か
リアルか

湯気が出ている食卓は確か

これは
夢の走馬灯

それとも
リアル

縁取りは
黒く
黒く
 ....
   {ルビ異花=ことはな}の{ルビ雲夜=くもよ}にしんわりんと咲き


翼よ
きみはなぜ
はたたくのか
熱く青くはためくからだ
その空間を根幹となし
風の性霊を動力とするためか
花 ....
旅先で
必ず訪れる旅館があって
其の庭には
花をつけない
見事な桜が佇んでいた



  花をつけないのは
  私のせいなんですよ



其処の女将は笑う


彼女は ....
一 

 僕にとって大事なものをしまっている大きい封筒がある。その封
筒の中に、去年朗読会で年上の詩人・U さんに会った時にもらった
一枚の白黒写真のコピーが入っている。その写真は黒田三郎の ....
☆ おへそにピアス


おへそにピアスしています
ローライズのずっと上
チューブトップのちょっと下
夏の視線がやたら眩しくて
わたしのまんなか
おへそにピアス
わたしがまだ
あのひ ....
大迷惑な遊びがある
老人のゴッコ遊びである
どうやら弱った振りをして
若者たちの
といってもほぼ全ての人の
善意を測って遊ぶ遊びである
私は偶然その遊びに巻き込まれたらしく
手を貸そうと ....
僕の部屋から見える窓の景色は

一回も同じ景色になったことはない

いつも変わり続ける

そう僕の心のように

ある時は朝日がさんさんと照りつける

爽やかな景色が拡がる

ま ....
{引用=

一、漕ぎゆく者へ


  明るいうたは明るくうたおう
  明るくないうたも明るくうたおう
  そうすれば
  必ず
  いつかどこかが壊れてゆくよ
  治すというのはそ ....
?.

(じーっとお空を見上げている
 僕の屹立)


寝過ごして
宿酔で
テラスにでて
サボテンと一緒に
太陽をあびて

磨いていたら
人前で裸になることは
特 ....
崩れてゆく
驚くほどの速度で
花びらで描かれた美しい絵が
ぼくたちの目の前で
風に吹かれて今

埃っぽい川岸の
薄い黄緑の草むらを踏み分けて
ぼくたちはどんどん歩いてゆく
心の中で詩 ....
夜が明けて 
窓から朝日が射し込むと 
目の前に 
猫背の暗い男が両腕を{ルビ垂=た}らし
立っていた 

「 私ハ生キル事ニ疲レタ 
  アナタノ生霊 
  アナタガ誰カト浮カレル時 ....
セルリアンブルーの本から
零れ落ちる音符のような
啓示
に搏たれつづける心が
1068番目の奇跡を通じて
うつくしく褶曲する地層のような
洞察
へと繋がるのならばと
今夜は違う窓に向か ....
ちっぽけな頭のどこかで
白黒の映像や写真の時代は
その時代全部が白黒なんだと思っていた

だから火蛍の墓を観た時に
少し違和感があった

笑い声
泣き声
みんな飛行機の音に消えた
 ....
情報通の友人から
感情の食べ方を教わったので
早速今ある幸せをかき集め
ジックリコトコト煮込んでみたところ
これが何とも薄っぺらい味であった

アイスのフタを舐めているような
惨めったら ....
?.

ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ

あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
屋根と空
ふたつの雨が話している
風の色は 庇に重い
遠い音 遠い文字
木々をふちどり またたいている


線の光が
線の光に出会い 途切れ
分岐に蒼を残し こぼれ
遠 ....
夜行性なのか
夜になると元気になる婆が
大声で機嫌よくも
喚く濁声
お盆を過ぎたころ
わたし
静かになった田舎に帰省します
電気も水道も
惜しみなく使われて
堪え性もなく
計画性も ....
( 窓の外から聞こえる
( 鳥の{ルビ囀=さえず}りと共に目覚める朝 
( 全ては「無」へと消える  


毎晩 
枕は「夢」をのせている 

閉じた瞳 
繰り返す寝息 
空っ ....
ソーダの泡のような微睡みのなかで
懐かしい とても懐かしいその面影に出会った

記憶の深くに留めようと
すればするほど
表情は淡くなる
ならばこの夢でだけ覚えておこうと
思い切りこころを ....
音を求めたい
乾いた喉を潤す様に
音を求めたい

でも、音は溢れかえってて
一瞬の静寂じゃ足りなくて

音を掴みたい
形が分かる程しっかりと
音を掴みたい

でも、色んな音と絡み ....
{引用=題なんて散漫すぎてつけられぬ

           
            三十一文字の宇宙へ捧ぐ}


レプリカのゲルニカを敷きつめた部屋で健やかに生き呼吸している

 ....
気が付けばいつも
人の輪から外れて
天井の繋ぎ目に向けて
煙を吹きかけている

そういう姿を晒していると
大抵誰かが僕が思う事と
逆側の意図を感じるのだから

存在が掻き消えている間 ....
家になんか
帰りたくない
親も子も
夫もカエリミズ
わたしは
君と
棚卸がしたいんだ

だけど
世間が許しちゃくれない
観音様は
お見通し
岸を離れた船は
戻らない

6 ....
 水車を造つて里を出た者がゐる

 自分が村にとどまれないから

 代はりに水車を廻して――



 いつたい何を

 この男は水車に託したのか

 いくら頑丈に拵へてあるとい ....
ほら
こんな朝だよ
おまえはまだ寝ているこの朝を
俺は吸っているよ
この朝を

ウミスズメが
隣で
少し悲しげだよ
でもそんなことは
おまえは知らなくていい

ひらめがあわ ....
昨日の帰り道に
なにげなく空を見上げたら
コンパスで丁寧に描いたような
丸くきれいな月が浮かんでいたので
ふいにあの人が教えてくれた
あの歌を思い出しました

ここは木屋町でも丸太町でも ....
ぼくは詩を書きたい

人生を描ける人生は
意外と平凡である
しかしその平凡こそ
追い求める理想でもある

今日もまた

朝の散歩をしていると
平凡に出会いました

人は
この ....
宝探しをしようか
長い影の伸びる帰り道
長い髪を夏風に遊ばせて君は
少し目を細める微笑みで
子供みたいな提案をした
その話の続きはなく
会話はぷつりと途切れて
また君は楽しそうに風の中を ....
海を見たことがなかった
見え隠れする光
あれがそうだ、と無骨な指で示された海は
たいして青くなかった、が
軽トラックが、ギシギシとカーブを曲がるたび
輝きを探して、車窓にしがみついた

 ....
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