手紙
ともちゃん9さい

おかあさんから手紙がきました。
おかあさんは手が震えるから、看護婦さんが字を書いた手紙でした。
おかあさんの写真が2枚入っていました。
おかあさんはおしゃれできれいで自慢のおかあさんでした。
けれど写真のおかあさんは顔がむくんで、無表情で、
眉毛の手入れをしていなくて、へんなシャツを着て、
髪を中途半端な位置にたばねた恥ずかしいおかあさんでした。
その写真を一緒に住んでいるすぱんがちらっと見て
「おかあさん、田中に似ているなあ」と言いました。
わたしにとってはすっかり変わってしまった、おかあさんなのに、
すぱんはちらっと見ただけで、わたしとの共通点を見つけ出しました。
写真をもう一度見てみたら、おかあさんは笑っていました。
わたしが母の日に送ったカーネーションといっしょに笑っていました。
おかあさんと飛行機1時間半の距離になって、やっとなかよくなれたっぽいです。

その日、ビールを飲みすぎて、次の日はバイトを休んでしまいました。


自由詩 手紙 Copyright ともちゃん9さい 2008-09-23 16:40:50
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