宝石
モリマサ公

マジにミラクルがもうすぐそこをとおるのがわかる

おれたちは
どこに浮かび上がり、
どこに染み込んでいくんだろう

真昼のみずあび
世界で一番きれいな
ひかりのうでが砂をいじっている
ひかりのあしが床をはしっていく

あたしたちは
晩夏のセミの声をびっしょりとあびながら
ながされるように東京をよこぎり
こころからしみでながら
意味を吸い込み
そうやって君は
暗闇でまぶたの音をききながら
すこしずつおおきくおおきくなっていく

氷の溶け出す感覚で
全部がするメルトダウン


ビルたちがボクたちの一部みたいに機能してる

歯車がいくつも透明にまわりだす
歯茎をのぞきこみ

マジにミラクルがもうすぐそこをとおるのがわかる




自由詩 宝石 Copyright モリマサ公 2008-08-16 02:48:38
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