罅割れた道の端に立つ
  この道は水分を欲している
左腕を伸ばし
拳の先で親指を立てる
すると 車が止まる
あるいは止まらない
二十世紀末という
古代でももっとも新しい時代
私はそのよ ....
(夏)

波音の届きそうにない
部屋でただ
いき過ぎるのを待ってる
テレビにはめ込まれた
冷たいガラスの匂いだけが
わたしに似ている



(秋)

言葉になり損ねて ....
何もない景色があった
見たこともないものを、憶えているのは
緩やかに消えていく光のせいでしょうか

眠れない、夜ならば
明日の仕業にしてしまおう
結局、かたちばかりが残った
匂いが泡立つ ....
コチコチの石頭が
チリチリチリチリ焼けてたね
たまにパチンパチンって
真っ黒な髪の毛のまま

ブルー
チーズ
ドレッシング
だね

二週間分のクマ
眼の下につくって
イボイボだ ....
1日の
はじめに生まれ喜ぶ、方角の
まだ濃紺の稜線から
チチチ、チチチ、と
鳥の音が明るみ
窓に映えはじめ


あ、
時折、
窓をかすめる鳥の姿が
鳥の音に結びつけば ....
詰め込まれたスケジュール
思い返しても変わるはずがない
時間を一つずつ手探りするたびに
何を抱えながら生きているのか
だんだんと見えなくなっていくよ

汗と香水と煙の匂いが立ち込める
博 ....
ぼくは詩人

人に疎んじられても
人からあしらわれても
前に向かって
それはぼくの歩み
それはみんなへの歴史

今日もまた

朝の散歩をしていると
老木に出会った

茶色い葉 ....
膨らみかけの
まるい頭を圧する手は
あなたにとって
始めての試練

そうして知るだろう
温みあるやわらかな手が
差し伸べられるあしたを

そうして迎えるだろう
ため息と酔うた目に
愛でられる日を

花 ....
足に棘が刺さりました。

死に棘が刺さりました。

極めてパーソナルな問題から事の発端は始まります。

自分しか分かりません。死か分かりません。

箱をもらいました。底のない箱をもらい ....
一枚ずつはがれてゆく沙漠から抜け落ちる温度に眼の奥を洗われて、新しい沙漠が水上に浮かんでは映発する様をいくつもの角度から剪断する。つぶらな音覚が限りなく前転してゆくその先では泣くことになるだろう。手の .... 「悩んでいます」という場所の
奇妙な安定感 
むさぼる後ろ向きの安逸
それらに苛立つ
しかしそれははじまり
冷たい風がふく
ゆっくり歩いている
スタンバイする
内観する
飛行へ

 ....
在る

始まって以来続いてきて
この枝の伸びやかな道道に
茂る葉の呼吸は瑞瑞しい

それも
小雪のちらつく昨夜の雲上の月も
陽炎のゆらめく送り火も
私を育ててくれる花娘

季節の ....
うだだ
うだだだ

ぼそそ
ぼそ

へっ
へへっ
へっ

あぁ
ああん

へっ

うだだうだ
うだ


(ねねちょねちょ)

あん?

うだ

あぁ ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
子供たちの遊ぶ声と思っていたのが
機械の音になっていたよ
ぼくは
旅立たなければ
旅立たなければならない
夜のうちに
この夜が明ければ
もう二度と終わらない光が来るから
ぼくは
旅立 ....
 私には自分が岩であった頃の記憶がない。だが、確かに私はかつて岩であったのだ。恐らく私は、人の欲望に汚染されることのない高山の頂上付近で、時折空から降ってくる虚無の波を一身に集めていたと思うのだ。ある .... もしも願いが叶うなら
風のカナリアになりましょう


綺麗と誉れる籠を出て
道なき森を羽ばたいて
君の行方を輝かす
名もなき唄になりましょう


家を飛び出し幻の
故郷求めてがむ ....
抜け殻の瞳を眺めると
底に微かな水があった

忘れかけていたのは
例えば同情であるとか
例えば憐憫であるとか
そういう物を拒絶しながら
守り抜いた自己が在って

外側から眺めると
 ....
空は 晴れて 
緑が 萌えて 
鳥は 唄う 

どうしようもなく 
春で 
朝で 
まぶしくて 

どうしようもなく 
私は
女で 
せつなくて 

風が「る」のような ....
この日頃
心に映ったいくつかの言葉たちが
モビールになって
中空に
揺れる

長椅子あたりに
たたずむのは
けれどもう溶けて消えかかっている
誰かの
不在の
かたち

陽射し ....
キッチンでは妻の脱皮が始まっていた
手伝われるのを拒むように
かつて僕が愛撫したことのある皮膚を
ゆっくりと丁寧に脱いでいく
新しい箇所は少し湿って
しわしわしているけれど
やがて ....
「機械ってね」
「ああそうですか」
「小動物の骨の無数の結合からできていると思っていたんです」
「ほうらやっぱり……」
「易しい感じがしませんか、ほら、こう……」
「むしろなまぬるいと」
 ....
ゆれてる

あたたかい

草花よけて歩いてる

大きな空に夕日

タンポポがただよってる

自転車を丘の向こうに
置いたままだ

丘のふもと

なで肩の紳士が
高速道路 ....
箱入り娘に関する一連の推論は、世界という
もうひと回り大きな箱に対する裏切りのひと
つであり、それを論じる者たちは、それを奪
おうとする者たちと同じく、等しく同じ罰を
受けなければならない。箱 ....
街は妖しい気配を包んで
機械になってゆきました
段々球体に近づいていって
機械は原口陥入しながら球体内部へ取り込まれていくのがわかります
そうして溝が塞がって
球体が完成する!!
まさにそ ....
世界がスッと聞き耳を立てるから
私は黒猫になって逃げる

トレモロしはじめる胸の高鳴りと
アスファルトを飛び跳ねる
肉球のリズムが重なって
不思議な旋律を描くから
誰にも本音を ....
あなた、むかし、ひとがいました
ひとは足で歩いてました
あなた、でもそれは、あなたではない
足の、裏の、歩くの、速さの、
それらすべては、あなたではない
あなたはまだひとではないから ....
メロディーがその仔猫を取り込むと
仔猫は
おびえた!!
あまりにも当たり前の光景なのでしばし見惚れると
たくさんのメロディーたちが仔猫を片っ端から取り込んでいった
これもあまりにもおあつらえ ....
オレはいつでも檻の中で独り言

ライオン 
ゴリラ 
トラに 
マントヒヒ

ほかの動物はどうでもいい


「だだだだだだっと走りたいです 

だだだだだズバンっと ....
   カカ カカ カ
     くる くる くる
         カ カカ カカ カ
             くるくる くる
くるくる回る機械の中心に
仔猫の憧憬画みえたよ
分解
し ....
前田ふむふむさんのおすすめリスト(2307)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
古代人のヒッチハイク- 岡部淳太 ...自由詩10*06-4-2
季節- たもつ自由詩1506-4-2
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鳥の滴り- A道化自由詩806-4-1
白々しい風- 松本 卓 ...自由詩2*06-3-31
ぽえむ君−前進−- ぽえむ君自由詩7*06-3-31
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非合- 葉leaf自由詩8*06-3-29
飛行- 石川和広自由詩8*06-3-29
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やつとぼく- よーかん自由詩2*06-3-29
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夜の旅立ち- 今唯ケン ...自由詩6*06-3-29
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風のカナリア- まほし自由詩13*06-3-28
脱皮- 松本 卓 ...自由詩2*06-3-28
春愁- 落合朱美自由詩3506-3-27
水栽培- 塔野夏子自由詩11*06-3-25
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ゆれてる- よーかん自由詩2*06-3-23
箱入り娘に関する詩的考察- 岡部淳太 ...自由詩6*06-3-21
子どもの機械- 今唯ケン ...自由詩8*06-3-21
エスケープ- まほし自由詩13*06-3-21
あなたは、まだ- たもつ自由詩906-3-19
メロディーの羅列たちが仔猫を取り込んでいったのです- 今唯ケン ...自由詩5*06-3-19
オリの中- よーかん自由詩4*06-3-19
易しい構造機械「説明書はありません。」- 今唯ケン ...自由詩6*06-3-17

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