街なかで白い小鳥を配っていた
籠に入ったたくさんの小鳥を
小鳥配りの人が要領良く配っていく
受け取らないつもりでいたのに
いざ目の前に出されると受け取ってしまう
わたしが手に取ると
それは ....
ある日めんどりは思いました
どうしてわたし
歩いているのかなあって
ためしに羽ばたいてみたけれど
やっぱり重くて飛べなかった
もう何年経つかしら
最近は疲れちゃって
毎日卵は産めないわ
 ....
なにげなく偶然に
となりどうしになった、名前
お互いブランコだなあって
思った、夜

こいでるスピードもたぶん違うし
わたしは何かとものを言いたがるから
足でとめて また土をける け ....
わたしのいつも見ている景色です
ありきたりです
でも、たまに
はっとして
おもわずカメラで収めたくなります
記憶に留めるだけの時もありますが
後に悔いてしまいます
焦ってカメラを構えても ....
 
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった

下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった

 ....
山岸さんは、
もう いない。
おさるさんに似た顔で
さようなら
もいえず
むねにちいさく根づいたきずが
うずくのである
おさるさんに似た顔で
いま
さようならをいおう
山岸 ....
ポケットのビスケットが
粉々に砕けて割れた
壁にじっと押しつけていたせいで
鳥が飛び立つのを見たかった
小さなクロツグミが羽を広げるのを
僕はしくじった
ビスケットは無残に割れてしまった
 ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
                 080513





水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
素足に若草
浅く緑の
木々は萌え
目眩するほどに
花曇りの日なら
なおのこと
生まれたてのそれらは
やわらかに躍る

耳に愛しい鳥の名を
春になるたび
あなたに訊ね
匂い淡しい ....
  (カワセミ!カワセミ!)

木々の重なりの一番深く
真っ暗な沢の灌木で小さな光を見つける
ポストの底に忘れ去られた手紙のように
思い出せないのに忘れられない
ちいさな鳥の形を
手 ....
林檎がふるえている
暗い海の底で
ヒリヒリする電波を発しながら
傷んだ痕をさらしている


林檎たちがふるえている
共鳴しながら
いくつもの透明な触手を
スルスルのばし
痛みをそっ ....
      最後の /色

      残されたままに/
/ひとつの ....
その川の子供の神様が
いつからそこに居たのかは
神様自身にも分かりません
気づいた時にはもうそこに居て
そのほかの子供の神様や
村の子供たちと楽しく遊んで暮していました
村の子供たちが夕方 ....
ふらふらと 
京都から帰ってきた
 

またウイスキーを一瓶、
一気に飲み干して 

そうだな 
俺は俺を殺したいのだと思う 

今はそんな夜 


また見たいな ....
あの、ね

  君の語りの中にはいつも海があって
  壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
  波はいつの間にか言葉になって
  こだまする、喉の奥

赤いうさぎを抱いた少 ....
あなたはいま、幸せですか?

君の単純な問いかけに
イエスともノーとも言えなかった僕は
不断桜の幹に身体をあずけ
枝先の小さな葉を気にしていた

こいつも光合成してるんだなあ
陽ざ ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな

溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな

孤独という状態を
 ....
冬紅葉の点在する山深く
孵らない卵の無事を祷りながら
死んだ鳥たちが青い空から降りてくる

「きれいなからだの時にもっと」
「若い奴らの指は欲しがってばかりじゃ」

その朝に目覚 ....
「第一話・名もない色」と書いてみた。二年と五日前の扉絵


漁火というたましいに導かれ浴衣のうさぎ逃がすわだつみ


王冠を貝に譲ったソーダ水だまりこんでた午後がいとしい


消 ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
     一

 細かな枝をつたう幽かな震え
 桧皮色の樹皮を湿らせ
 梢を這う、自動律たる水の脈動 )))
 沁みゆく荒地の渇きへ
  一滴、
 地球システムを孕んだ涙のかたち

 ....
遅く迎えた朝に
雲間から覗く空は
アイスブルーの明るさで
粉雪を落としていた
そのひとひらが
頬をすべり
手のひらにとける
捕らわれた夢から
抜け出せないままの体を
目覚めさす冷たさ ....
アスファルトに
心臓を打ち付けて
白線に
手を伸ばす
剥きだした 傷跡

           指 は

震 えて

           チェックメイト

後ろ指
指さない ....
最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いく ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と

   キューブを完成させる方法
   かしこく、方程式どおりに回すのか
   バラバラにして組み立て直すのか

完成し ....
夜のアスファルトに響く
女の足音は 毎夜何をしに来るのだろう
その足音は 決まって必ず湿っている
扉のまえで それはピタリ
と止まり
重いけれど圧力のまるで無い
気配のまま夜明 ....

みずいろのさかなを
凍ったうみで
凍ったうみの
その下で泳がせている

気泡の、結晶
つめたい手
掬うことのない
うたがう事もないさ
たとえばわたしたち
ストレスにまかせて
 ....
水晶を砕いてください船底でふゆの花びらかくまうように






捨ておいた言葉に幾度も拾われて星座のたもと鋭角を知る


閉じかけた波音の日がよみがえる月の鏡の無言を浴び ....
一月前に倒産した
詩学の社長の寺西さんが
事務所の布団に横たわったまま 
十日前にこの世を去った 

様態急変による 
脳内出血であったという 

三年前の「青の日」で 
互いの詩を ....
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