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胸の想いは、
薔薇色の珊瑚だよ

だから貧乏だなんて
口が裂けても
絶対に、
言ってはいけないよ

こんなふうに、
今は。
志のある人なら誰でも
・・・・とても
苦しい、時代だ ....
紺碧の輝きを放つ
カラスアゲハの翅が
百合の花のつよい匂いに紛れて
大きくひらくのを見た

静止した夏の庭。

そこに私がいる
分岐の先に、
意識が流れてゆくのも――
移ろう涼しげ ....
清しく、邪な風に
華奢な下肢をさっと隠した
裾広がりの白地に
ピンクの薔薇の咲くスカート

立襟のブラウスに
光る栗色の髪を
ながく垂らし
ただ、甘く春に散る
花の匂いを漂わせて
 ....
     一

 細かな枝をつたう微かな震え
 桧皮色の樹皮を湿らせ
 梢を這う、自動律たる水の脈動 )))
 沁みゆく荒地の渇きへ
  一滴、
 地球システムを孕んだ涙のかたち

 ....
昨日、往きすぎた駅――

マイホームは地図に載ってない。 )))

疲れ果てた大勢の人たちが、
十二月の憂鬱なプラットホームで
蜜柑の載った赤外線炬燵と
逃げ場のない積みあげた日々の
 ....
白い柔肌にそっと触れるや否や
とつぜん狂った発条みたいな
青白い器官が左右の外耳道から飛びだして
先ずは目玉をふたつ、
声もなくポロンと落とし
詩人である若い女の頭部はみごと分解した

 ....
――外国産と思しき、
ずいぶんと安っぽっちい杉板の木枠に
金槌で小ちゃな無数の鋲を打ち込み、
皺なく「ぴぃーん」と
白い亜麻布を張った
自分で拵えた七百号の白いキャンバスへ
左官が使うみた ....
「俺様がどれほど鮮やかな色で
みごと第一連を美しく染めたとしても
賛美の対象はあくまで作者だろが。
ふん、馬鹿らしくてやってられるかい!

こうして群青は捨て台詞をのこし
肩で風をきると、 ....
勢いベンツのSクラスで
裏通りのちっぽけなパーキングへ
恥も外聞もなく突っ込んだ
そこに無人契約機「むしん君」がある

「むしん君」は大切なトモダチだ、
たった今も20万円を引き出した
 ....
真下に拡がる海原は
厳しく削られた岩の入江を包み、
とうに半世紀を過ぎた
今しも汽笛の鳴る港へと
煌めく漣(さざなみ)を寄せて

夏の賑わいが恋人達とともに
古い桟橋を大きく揺らして訪れ ....
彼の名前は「へー、むぅ・・・・」というレベル。
世間一般的には幾分フェームではあるが、
知る人は希少であるばかりか
ピカソやダリと比べると殆ど知られていないし
彼の作品に感動を覚える人は(全く ....
庭に張り出した大きな出窓のある亡父の書斎にて
毬栗頭の英次は家政婦の運んだカルピスを飲み、
しかし人類の英知はやがて信仰との境をなくすという

それじゃあ、近代主義者の信じるまっとうな学問はど ....
  心は、

 どこまでも果てしなく
       自由気侭で )))


ふと想えば、
 ハイドパーク。

 今しも水晶宮にて

僕は彼<L>と話している

つまり地球環境 ....
俺はインターネットカフェでスカウトされた、
とにかく本格的なホームページを作りたいとのことで
W3Cの勧告に対して正しく記述したマークアップ言語の
謂わば真っ当な【ホームページ】を作れという
 ....
( 錆びた鉄筋を剥き出しにした、
 崩れかけた支柱が夕映えの空へと伸びる )

すでに蝕まれたコンクリートの構造物に滲みる、声

 絶間ない、呪いにも似たその響き )))
 おそらく、何ら ....
遮光カーテンの四隅に朝が零れている
うつ伏せで眠る君をベッドに残し、
素肌にすばやくドレスシャツを着て、
夜の逞しい身体は、そっと部屋を出てゆく

落ちてゆくエレベーターのなかで――
右手 ....
漣(さざなみ)にゆれる光、
色とりどりに瞬き
帯のようにながれる黒髪の
穏やかにつづく果てしない海原を
まるで生死も判らず、漂う女

魔のように澄んだ水底に眠る
――恐れと不安。

 ....
 ■ はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、

 (( 夜を奔るジャングルの声。。
 ――ヴァルー、ぎゅりぎゅる‥‥

 女 ♪「アツサー0.01ミリの 温もりぃひひ
 (( 眼の光、レアな匂い
 ....
もうすぐ、生暖かい夜が
苦いクスリとともに
グラスに注いだ水と一緒に
――やって来るョ。

窓の外は今しも
オレンジの火炎に包まれ、
妖しい空へと
黒煙を立ちのぼらせては

昨日ま ....
 ありふれた【豆】。――心奪われて
一粒づつ、手の生えたやつを鋏で切り落とし、
妖しい黄緑の笑いに負けまいとする
僕は生体機械。幸せなど知らない

 そう。かなり前に飯炊きの胎から生まれて
 ....
どんよりと低い空に 
ふうっ、と 溜息をもらし
雨を吸った暗いモルタルの壁は
重々しい匂いを滲ませて湿ったまま

窓枠に収められた日々を嘲い
片付いた雑事に安堵を覚えると
たちまち、身体 ....
生きている もーん
――だから?

 いえ・・・・

でもなお、生きているよ

煙草を一本、吸って
屁をする ブー

 さら
    さら

潮の匂いにみちた風が
木々の枝 ....
薔薇色の大理石の壁
ふりそそぐシャンデリアの光
ペルシャ絨毯の幾何学模様を踏んで
白いドレス姿の君が浮き立つ

言い知れぬ暗みと喧騒の中を
艶やかな笑みとともに君が通り過ぎる
氷を砕き、 ....
合わせ鏡の無限につづく
午後の部屋に宝石ごと散らばる
湿った夜の匂いは 勢い、
女の前髪を固めるスプレー
そして酷くリアルな口紅の
仄かに苦い蝋の味。

――さて、早々と店にゆく
カウ ....
  一 風呂

 陽の涼しい頃。
「お風呂からどうぞ
と彼女(?)は云った、
日本式の内庭に案内されると
葦簾張りの小屋に岩風呂があった

霞んだ白に残した青み、
空高く尾翼は全く見 ....
風が死んで、
また一人、また一人倒れ
アジアでは奇形の動物達が生まれ
生まれては殺されて

蒸せるような夏
君が棄てた女
――は、ブラウス姿で
ごろり仰向けになり
天井を見つめたまま ....
 朝露に濡れた葉のギザギザ。地表を這うように草木を透かして訪れた地獄の陽を浴び、緑に燦然とかがやく【ヤマソテツ】と呼ばれる羊歯を踏みながら言葉なき森の奥深く、「幸」住むと人のいふ原始の密林を駆け巡る雛 .... M子はさぁ、
ちょいと小柄な女なんだけど
子持ちでキャンキャン働くOLで
けっこう可愛いんだけど だいぶ生意気。

去年の暮れ・・・・部長とさ
ホテルから出てくるクルマに
サングラスかけ ....
 「らんらんらん。

  婆ちゃん、爺ちゃん
   レロレロ ばー
 わけも判らず学校に通う
ぶらぶら歩く道すがら
 ヘンな匂いのする
化学工場の辺り

  湿った塀のつづくデコボコ ....
ほのぼのした顔で
有るったけ ふみにじり、
思う存分に略奪して
走り去ろうと
する

 と、

足に纏わりついた母
「行かないでおくれよ

なんて云うので
「ああ、そう
お腹 ....
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