自分というだめなものを
道草次郎

自分というだめなものを持ち上げて
よいしょっと背負えるようになりたい

それができず
自分を引きずっている毎日

自分にがっかりし
がっかりしたくないがため
投げやりになる
日々

詩を書いて投稿する
その行為に
意味を見いだせない
今日

練度の足りない言葉をつかい
平凡な印象をあなたに
与える
この詩

こんな
もののなかに
世界を終始させてはいけないという
予感

あなたを傷付けるナイフすら
持ち得ない
無力

揺れ動く
こころ

経ってゆく時間

1本の電話
一通の手紙
それに怯える1秒1秒が
しかし自分を生かしうるという
唖然

生きているということ
生き続けているということ
それは
当たり前であり
当たり前でないこと
ほんとうは
めまいのようなものであるということ



むこうから誰かがやってきて
荷物をおろして
しばし佇んでいる
語らいましょうと目を覗くと
その人は静かに笑い
立ち上がり歩いていってしまった

その背中には
たくさんの荷物がしっかりと
結わえ付けられていた
すきまから童が
ひょこっと顔をだす
手を振られたから
無意識に
てをふりかえしていた






自由詩 自分というだめなものを Copyright 道草次郎 2020-08-06 08:54:54
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