雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 .... 手をつないで
蛍を見に行ったのだけど

あまりにも きみどりの光が舞うから
僕は天地を失いそうになって

繋いだ手を
ぎゅっと握ったのです

そうすると
君もぎゅっと握ってきたので ....
川沿いに
アジサイが咲いている
アジサイを眺めたら
キャベツを買い忘れたのに気がついた
登り切った坂道を戻るのは
うんざりする
かったるいから
またいつかの日にしようと思う
そのような ....
きみがさかなになる週末さしのべた指さえ背びれの端かすめゆく



「あいしてる」吐き出す泡の数かぞえ「さようなら」にも見まごう深み



すべての色が吸収され青だけが残る孤独に想いを置 ....
我が社は金物を扱うから
社内では安全靴を履く
安全靴は格好悪いから
帰宅するときは
もちろん履き替える
それまでは自分の時間でないので
重たい鉛のおもりを付けて
こころは絶対に弾ませ ....
海の見えない
深い森の中で
事件は起きた

たまごから
孵ったばかりの
おたまじゃくしは
幼いから
なにも知らずに
鰓呼吸をする
木の葉が沈んだ
たまり水で育つ

藻を食べて ....
ヨーロッピアンのバイクで
袋小路にはまった場合
ハンドルの切れが悪いので
往生する
一度でUターンできるような
道幅があれば袋小路とは言えない
単なる行き止まりである
小路だから ....
窓枠の内側だけがすべてなら世界も朝もはねかえすのに


目をとじたままたしかめる左側まだだいじょうぶ黎明の時


暁の別れとともにおとずれるコーヒー2杯の蒸気する朝


ペダル踏むか ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです

夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
 ....
ふるふると ふるえるゼリイ たよりない
裸の心 みたく重なる


今日の月 千年前も 見上げてた
いまも変わらぬ 物言わぬ月


カツ丼を ふたりで食べる いつものように
そして話題 ....
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って

眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない

薄まら ....
  暖かな雨に追われて迷い込み君と出会った六月の町


  徒に花びら数え占った恋の行方を君も知らない


  花は花やがて綻び散るものの定めの前に花鋏有り


  裏庭でか ....
わたしが住んでいた街は
空の上にありました
あなたが住んでいる街の
はるか上空にありました

だから、というわけではないんですけど
わたしはあなたを見ていました
(少し気にかければき ....
夕暮れに
ひめりんごの花弁が
雪のように散ってゆき
落ちた先は
あの子の眠る
寒い土の上でした


最期の言葉も
交わさぬまま
突然
冬空へと消えた
一つきりの ....

震えるペン先に
無限の愛を 付きつけて


紙が破けた

あ〜ぁ
今日も書けないや。
キャベツ畑の真ん中で
僕らまるまっていた

傷つきやすいいろいろを
幾重にもくるんでいた

いたずらな風にあおられて
隠していた顔をのぞかせると
そこには海が広がっていた

一歩も動けずにいたのに
海 ....
つきよにおぼれた

さくらをつつむ

よぞらににじんだ

はかないつぶは

あわにやかれて

うかんだこころの

さけめをなぞって

やんわりふくらみ

おおきくなって ....
異国の名二人の前に立ち並ぶ飛べるのならばどこでも良かった

落ちていく温度もペダルの回転も雨中の喧嘩ドラマ未遂

振り向いた先にあなたはいなくってドアも閉められ抜け殻輸送
鏡にも映らぬ自分を君が知る装飾なしの笑顔泣き顔


オレなんてアタシなんてと赤ら顔錆びた刀で不幸合戦
もう僕は死んだと思つて諦めてと置手紙の日よりゾンビとなりぬ 

親元に連れ帰されたる若ゾンビ腐肉を隠して社長になれり
若ゾンビ社長となりて夏の日の銀行回りに蝿もたかれり

ゾンビとて妻娶りた ....
少し位休んでみたらと全身を包んでくれたハチドキュウブ


スイッチのオフばっかりが見えるのは素顔なんだと思い込んだり


満足が疲労を少し追い抜いたとんだ偽善とランナーズハイ
早番であがった日
明日のこともわからず
夕暮れに、川の流れを見てる

社員さんの嫌味も聞き飽きたなと
すこし考えてみる
あたしなにやってんだろ。

お金を触るから、指が汚れる
手 ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
ほしにうつらぬひとがたを
そっとかかえてかがみにひたそ

にじんでこぼれるほしがたを
なみだとまぜてゆめからぬぐを

ほしのかたちはいびつにまるく
ひとのかたちはうすれてくらい

 ....
スイカの種のように黒光る虫
ヨックモックの空き缶の中
パンくずの社会
掃きだめの市場

ちょびひげのターコちゃんのおじさんは
九龍虫の日常に指をつっこみ
いくつかの虫をつまんで 口に放り ....
風の始まりは
そんな熱の高まりからだと知っている

草笛を吹きながら
その始まりに立っている

(草原は静かに燃える)

気流に運ばれてゆく草の音は
枯れ色の野を赤く染めながら
や ....
電車が自殺志願者をひきました
おかげで電車は遅れました

電車を待っている人は文句を言って
係員さんはアナウンス
と死体集めの為の袋を持って走り回ります
家族は悲しみます
{引用=そんな ....
海にぽとりと落ちる陽
を見る度にみぞおちと
ほねがえぐれて妹から
貰ったビー玉を慌てて
飲み込むギギギの響き
がうつむいた小学生の
歩みのようにのろのろ
僕を家路に向かわせる


 ....
しらいし いちみ さんのおすすめリスト(1064)
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蒸し焼きの雨- 岡部淳太 ...自由詩37*05-6-18
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ラブレター- くしゃみ自由詩2*05-4-16
キャベツ畑のヨット- ベンジャ ...自由詩5*05-4-16
雨粒落下音- かぜきり自由詩4*05-4-15
低速移動- ねいやん短歌3*05-4-15
- ねいやん短歌2*05-4-11
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へいれつ_ひろう- ねいやん短歌105-4-1
早番であがった日- うめバア自由詩605-3-31
白い紙、赫い影- 嶋中すず自由詩4505-3-29
つなぐ- かぜきり自由詩15*05-3-18
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草笛を吹きながら- ベンジャ ...自由詩505-3-17
自分勝手- くしゃみ自由詩3*05-3-10
ギギギの響き- 太郎冠者自由詩1*05-3-9

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