涼風たつ坂 くだれば川辺
たっぷりとゆれる 青柳
樹下にたたずめば おとこの腕を 
やさしい檻を思い出す

長い髪したひとでした
たてがみみたいに見えました
抱きしめられると 肩に背中に ....
サラリーマンだから贅沢は言ってられないのです。
久しぶりに息子を連れてヘルスセンターへ出かけてみようと思います。
本当は何処か温泉街の露天風呂のほうがいいんだけどね。
 僕らはそそくさと脱衣 ....
虚脱しつつ
自らの狂気と恐怖
抱えながら
悪夢手前
夜陰へ突入する、

 散りばめられた言の葉の
  縮れた枯れ葉のイビツ 、
 赤信号の横断歩道横切るスズメの形為し

あのひゃっ ....
その日は朝から晴れるだろう


神々しい耀きが沈もうとする刻
それは始まる

暁く染まった静くが 一雫
茜く沈んだ沈黙が 一雫
赫く咲いた聲なき聲が 一雫
朱く霞んだ無言が 一雫
 ....
愛こそはすべて
訳されたビートルズを聴いて思ったのよ。

愛って何かしら?

教壇に上がる講師の先生に聞いてみたら
これを読みなさい。って数冊の本を指定してくれたけど、
ソクラテスや ....
 

感情はイニシャライズ光へと生まれる前の産道通過

 

*

光へと向かう感じの生まれる直前の記憶
全人類の普遍的な記憶のひとつだと思う。
 
さて、AIのinkwea ....
自尊心と自己卑下の坂道を
乱れた呼吸で行きつ戻りつ
水面に映る歪んだ笑みをこぶしでたたく
うつし世の花はあやしくかがやき
見るものすべてを惑わせる
常世のことわりを指で折り込み
祝詞のよう ....
夜の帳を漂いながら
時の灯りが揺れるのをじっと視ている
紫煙の向こうに浮かび上がる幻は
優しく誘う

ゆっくり両腕をしならせ
白い鳥になって翔んで逝きたい
反らした上半身の柔らか ....
その直線に、見つめて笑い乍ら
11の行方とタンバリンの喧騒を知らない
でも、の中に含まれていない二硫化炭素でもない限りは
小包のない橋で、どこかのコンビニが屯する
小学生ではないはず、もう走る ....
旅立ちは
5歳の夏
18番線の
プラットホーム

行先も分らず
飛び乗った列車
到着したところが
私の原風景になった

それから何度も
途中下車を
繰り返したが
一度も帰 ....
ほろほろと

独り飲む酒

肩を抱く
天国も地獄も信じてはいないが
死んだらやはりどこかに行きたい
煙になって消えるだけでは
あまりにもさみしいから

海の見えるところに行きたい
サーフィンにも水上バイクにも
磯釣りにも興味 ....
風邪をひいたっぽい
口が病院の消毒のような匂いする
なんか明るい朝だないつもより
この光はぼくかな

でもぼくじゃないにしても

何者かのような明るさに
ぼくの心はしばらく明るかった
 ....
あしをかわにつけたら
みなもがきらきら
みあげると
もりがそよそよ
きもちちいいな
ぼくのあしかな
ぼくのこころかな
かわもきもちいいのかな
おひさまもきもちいいかな
だからぼく ....
日暮れとともに出港し
太平洋を南下する航路
フェリーの舷側が
海面を撫で
闇の中に小さな白波を立てる

夜半に目が覚め
風にあたろうと
デッキに出る扉を開き
手すりにもたれた
夜空 ....
雪が降ってくる
どこまでも続きそうな猛暑の日

日々の熱を溜め込んだアスファルト
太陽で熱された屋根瓦の上で
小さな雪の結晶はあっけなく
蒸発して消えてしまう

しかしそれは少しずつ
 ....
雨を乞う父が安らかに過ごせるよう

夢のなか眠りのなかまで空梅雨

青嵐三十日も遅れて来

雲もなく夕暮れてなお蝉しぐれ

明ける朝にわかにとまどい大暑かな

アイスティーマディソ ....
遠くから夜明けの咆哮トケイソウ

溶けゆくはアイスクリーム木陰の椅子

氷菓子まだまだだめよ母の言い

引き続く夏の星なら三角形

空梅雨のゆくえもどこか淋しげで

さらさやと青葉 ....
暑き日よわたしは果てる汝も果てる

長雨の宵に流せる涙はなく

乾く日と湿る日とに思う{ルビ変化=へんげ}のこと

庭の木が短夜にさらさらと鳴れば

眠れずに午前四時過ぎ暑き日や

 ....
気温は三十度を越えた午前九時
父は誰にも告げず、徒歩で家を出た
まっすぐな国道を四キロも歩いた末
暑さのせいか、何かに躓いたのか、転倒した

通りがかった人や周辺の住民が介抱してくれ、
一 ....
四月に種を撒いたヒマワリは
梅雨のさなかに大輪の花を咲かせ
真夏の太陽を待たずに萎れ始めた

虫食いの穴だらけの大きな葉には
小さな小さな{ルビ精霊蝗=ショウリョウバッタ}が二匹
同じ方を ....
逃げ出したくて
吐いた嘘を
骨は知らない

抗いたくて
千切った縁を
骨は知らない

痛んで
悦んで
肉がくたびれていくのを

誤魔化して
宥めすかして
心がたるんでい ....
風景が霞むほどの雨のあと
水たまりには青空が映る
梅雨明けも近い

空を見れば
もう次の雨雲が控えていて
ころころと変わる空模様

そんな空の下を
こどもたちが
笑いながら走ってい ....
今日は何の花?
白い花
線香花火、みたいね
名前はなんて?
名もない花、知らない草
ナモナイバナ? シラナイソウ?
ん?
そんな名前があってもいいね
なんてことない夜に
マンガみたいなことないかな
おもしろいことないかな とか

ああ。今がそこまでおもしろくないんだ、と
面白かったときを一瞬
思いだして反射する
もう落ち葉みたいに
 ....
太平洋が反射した灰青色の空から
雨は音も立てず降りてくる
寒冷紗のようにふわりと
海を見下ろす緑豊かな岬は
優しい雨に包まれ白く霞む

草を食んでいた岬馬の澄んだ瞳
雷光を映して光り
 ....
日々豊かに降り続く雨は
山の頂きから川を下って
大地を潤し
海へと流れ
やがて世界の端から
宇宙へと降りそそぐ

波に流されるまま
地球からこぼれ落ちた私
遠ざかっていくのは
距離 ....
あふれる想いは
言葉を見つけられないまま
ため息となって、夜空を漂い
暗い海へと吸い込まれていく

焦点の合わなくなった目には
沖合いの漁り火も星座も同じ
水平線の、さらにその向こう
 ....
この町のどこか
古いアパートの
薄暗い部屋の片隅にひとり
力なくうずくまっている
私を見つけたら
無駄な足掻きでもよくやったなと
労ってあげてください

あるいは
都会の真ん中で、大 ....
むすびめがほつれて
じゆうにほころんで
咲く
自由が広がり
水平線まで
等間隔に続く道
深海から
水面を通して、陽を仰ぐ
さまざまな
屈折の偶然の中
ひとすじが
花と名のつくもの ....
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