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草々は刈られ
広々とした川辺に
一本足のたんぽぽだけが刈られずに
ぽつんと取り残されていた

小春日和はきまぐれに
命の鍵をもゆるませる
死ぬのだったらこんな日がいいなと
薄い皮膚のま ....
調律をしをえたばかりの
おとぎばなしは
こぢんまりとした
こどもの耳の中で
ふたたび輝く

なまえのない宝石を
空にかざす
君がなまえをつけてくれ

ささくれたブランコに留まる
 ....
もとより文鳥は風切羽を切っているので
高くは飛べないけれども
不便はない、という
狭いこの診察室で暮らしていくには
ここには空がない
文鳥は空を知らない

ねえ
鳥の脚を見て
そこだ ....
爪を切ろうと思い立ち
爪切りを探す
スフレを焼こうと思い立って
泡立て器を探すように

引き出しの二番目
わたしを待っていたかのように
すぐに見つかった
それは切った爪を受け止める装置 ....
窓から見える小高い山
緑生い茂るその腹に
数年前の豪雨災害で
怒涛の如く樹木はなぎ倒されて
深くえぐられた大きな傷は
年月をかけて
少し目立たなくなった
人のからだのように
山のからだ ....
うつろいを風で知る
突然キンモクセイの香りが通り過ぎて
ふるさとのまちなみをおもいだす

大切な人を喪って
もう何十年と経っているのに
まだちゃんと立ち直れないの と
彼女は言った
あ ....
ぼんぼりが灯る参道すれ違う人のひとりがあなたのようで

いつだって食べきることができないでもて余すのに追憶を買う

はかなさとうつくしきこと金魚釣り尾ひれ胸びれ赤い焔よ

人波をぬければ路 ....
お寺の境内の一角、緑の葉が繁り、そのところどころで小さな可憐な花が咲いている。
その紫色を見ているとなぜか懐かしさでこころのうちがあたたかくなる。
「萩の花だわ」
すれ違っていく観光客の会話でそ ....
森田拓也さんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
川辺の物語- そらの珊 ...自由詩13*24-11-22
さよなら雨- そらの珊 ...自由詩12*24-11-17
ものぐるほし- そらの珊 ...自由詩14*24-11-5
爪切り- そらの珊 ...自由詩9*24-10-16
鼓動- そらの珊 ...自由詩6*24-10-12
家路/エバー- そらの珊 ...自由詩9*24-10-11
夜市- そらの珊 ...短歌5*24-10-6
慈雨- そらの珊 ...自由詩15*24-10-4

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