{引用=
ああ、星野さんの『たんぽぽ』のおかげで、きわめてミクロな白い天使たち、天使たち、あの明るい青空へととても穏やかな風に吹かれながら飛び立ってゆく、飛び立ってゆく。その両の手には種子というただ ....
交差点は今日も
無音のようにうるさい
LEDビジョンが 春を売り出している
笑顔、スマホ、炭酸飲料の泡
「くまモン、そっちの角度で!」
はいはい、と首をかしげたとき
遠く、山の方から風 ....
モンスターの徘徊する
この夜陰、
ドアをそっと
静か大胆に開け
差し入れる足首の
ほっそり真白く美しく
あいかわらず 、
お綺麗ですね
慣れて居るから
大丈夫です
....
二人の影を照らす
月明かり
朝まで踊る
私はここにいるって
感じさせて
やめないで
音楽がすごく良い
秘密のビート
挿し込んで
私たちはずっと
朝まで踊る
朝まで踊る
....
よごれへたれて疲れたきみも
またあしたまで
あしたまでおんぶしておくからね
たくさんぶつかった日も
すりきれそうな日も
いまは一旦あずけて
ずっとぶら下がってみてるよ
....
人生を退会する時
「こんなサービスがあるから
まだ会員を続けませんか?」
そう言われても
それは
希望か
それとも
うっとおしいだけだろうか
メンテナンス中につき
利用できま ....
下唇噛む
血が滲む
喝采される声
私の頭の中で絡み合う
糸と糸
胸のうち溜まる
ドロリと穢れた液体のような
頭の上に伸し掛かる重石
もはや取り除くことできず
ただ私は手を動かすの ....
お前が馬鹿にするほど
人として駄目になっていくのに
気が付かないか
それとも駄目になるなんてないと
思うのか
法律がなかったら
俺はお前に何をしてるか
分からない
これを脅迫だと思 ....
今日は月曜日
朝から色々色々色々
そんなこったろうと思っていたけれど
こんな日は自分をもてなす
蒸しパンを蒸かす間
烏龍茶を淹れる
私の茶壺は
茶色のぽっ ....
あの最悪な男。
俺等はあんなんならんわ。
なあ、そうだろ?
数年後
あの最悪な野郎。
俺等はあんなんならんわ。
なあ、そうだよな?
十年後
あのろくでもないやつ。
俺 ....
撮影の許可とる「あ・うん」夏釣場
青葡萄膨らみを増す三房なり
梅雨入りや今朝の雨音閑かなる
培ひし友情絶つや青嵐
怒り心頭、それぞれに
それぞれのたましい
誰ものたましい
えごいすと
怒り心頭、戦い絶えず
自らの魂の為に
他者の魂
傷つけるを厭わず
他者の魂と
競うことだけ好み
勝ち負けだ ....
『ジイドの日記』を読んでいて、ぼくがもっとも驚かされたのは、友人であるフランシス・ジャムについて、ジイドがかなり批判的に述べていることだった。ジャムがいかに不親切で思い上がった人間か、ジイドは幾度 ....
細かい風が吹いて
開け放った窓から
レースのカーテンをすり抜けて来る
異次元へゆけるかどうかは
内緒の話だけれど
そうだね
みあげる満月が
異世界なのなら
星の ....
伸びやかに ひびかせてみて
小さな耳を 掻き抱いて
月の端から生えた 竜の顎が
頸木に巻かれて うなだれる
ここは 空にいちばん 近いところ
星さえ望めば 奪えそう
宇宙には 葛藤があ ....
にんげんじゃないと
はじめから言っていたのに
その声のトーンは
どこか戦っていた
背中のチャックは
都市のざわめきにまぎれながら
幾度となく
重力を裏切った
宙に浮かぶ輪郭は
....
まだ泳ぎ方も知らなかった
プールの青
透明で冷たい
頭から飛び込んだんだ
息を止めたまま沈んでいく
足をばたつかせるけど
やり方はそれで合ってたのか?
全然わからない
今このま ....
横から見た姿が
千葉のかたち
けして犬ではなく
赤い皮膚を着せられている
ぼくの足は
館山を歩き
鼻先で野田を指し
おしりで鴨川の波を撫でる
だれかの手のなかで
ゆるやかに笑 ....
よくよく考えたら
気づいた
詩では
気持ちいい表現が好き
気持ちいい一文が好き
歌では
気持ちいい歌詞が好き
気持ちいいメロディが好き
絵では
気持ちいい陰影が好き
気持ちいい ....
仕事中に「いとしのエリー」をじっくり聴いていたら、
歌詞が意味不明でだんだん腹が立ってきた。
「もどかしさもあなたにゃ程よくいいね」って何なんだよ
……桑田ぶっ飛ばしたい。
昔からJ- ....
彼は何をぐずぐずしているのか
さっさと問題を解決したまえ
これが健常者の意見である
だが僕はぐずぐずしていたいのだ
絶賛ストライキ中だ
もう三十年にもなる
効果はバツグンよ
....
子から親 親から子へと渡す紙
特製のレシピにかすむ走り書き
先達を追いぬいた朝ことば無し
その枝に咲いた花にも意識して
喧嘩したのは正直だったから
心に深い傷を与えあって
理解しあえることもある
綺麗事だと思う人もいるかもしれない
確かにそれで全部終わる事もある
でも今日は
理解しあえたと信じることにし ....
何が愛なのか
比べられなくても
輝かなくても
感じとれなくても
どこかにある
あなたの愛を
見たいと思っても
闇に溶けてしまう
不確かなもの
美しくしなやかな
あなたがいるだけ ....
あゝ海が拡がった
無限の大洋、無限の揺蕩い、
水の水の水の水の
波立ちうねりざわめき囁き
巨大な静かさの懐かしい生動 、
囁きざわめきうねり波立ち
広角の意識視界の移動ゆるり弛まな ....
なんのために書いているか?
初期衝動と原点確認。
描きたいテーマがあるからじゃない。
『こち亀』を読んで夢中になって楽しかったから、自分でも同じように破茶滅茶な漫画を描きたい。
『こち亀』 ....
四角い窓から月が見えた時
この頃だったなと思い出す
琵琶湖の西
鯖街道を通り
原生林を間近に感じるログハウス
まだ肌が艷やかで
自分が美しいと思い込んでいた頃
....
角度に実直に
ながれる水
起伏に忠実に
うねる水
感情に従順に
あふれる水
代謝に一途に
したたる水
速さを競って
にごる水
優しさに慣れて
とどこおる水
正しさを嫌っ ....
こんなふうに、結局のところわたしたち似たもの同士だし。こんなふうに、流れ、うずまき、ぶつかりながらまじりあい、あわだつ分子のひとつひとつだし。
ペイズリー柄の緑色の安いバンダナを買いたかっただけ ....
蛾蛾蛾、
長い長い年月の、
土とホコリの溜まった、
そのアルミニウムの窓枠に無数に繁殖するに至った、
その、ちいさなちいさな三角形の飛翔体、
蛾、
蛾蛾、
蛾蛾蛾、
蛾蛾蛾蛾蛾蛾、蛾蛾 ....
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