ルーティンという忙しい退屈の中で
何度も自分を殺し
口から漏れ出たのは
「承知しました」
葛藤を舌に載せ
無機質な会話を次から次へ
無塩のパンを食むようにして
乾いた口をパクパクさせ ....
飛行機が順調に飛んでいる
いつもあの高さ
夜は音が響く
あくる日のはじまりもいつも通り
何もかも忘れてしまっても
最後に残るものがある
かわいそうだね
仕事ばかりの人生なら
人 ....
暗闇から暗渠を覗くのものすべてが恐怖に等しく
その眼が吸い込 ....
そこ、という扉を開けると
静けさを変えたがる少年の嘆きで覆われる
いずれという名のもとでは、いくつもの野望が彼の手をひく
そしていつものパターンでは、その思考に飲まれているばかりだ
拙くてもい ....
止まり木を探している
橋の上から
水面を眺めながら
欠け始めた月に
追い詰められながら
止まり木を探している
カフェの二階で
雑踏を読みながら
沈みかけた街に
....
庭に数式の花が咲いていた。
よく見かける簡単なものもあれば、
学生時代にお目にかかったややこしいものもあった。
近づいて、手でもぎると、
数と記号に分解して、
やがてすぐに、手 ....
青白い顔
まだ魂はそこにある気がした
らしさと共に
だんだん土気色に変わると
らしさから白い鳥が飛び立ち
魂を持っていった
すっかり深い土色となったらしさは
白い花々で埋め尽くさ ....
のんびりしている時に
突如、このままでいいのだろうか
などと考えて焦燥感に駆られる
なんか、やばいんよ
だから、努力みたいなことをする
それは小学校中学校とはまた違う形の努力
....
朝に雨降り冷える大気に
小さくくっきり開く花、
見つめ入る私の傍らを 、
歩を運ぶ人の足早に
アスファルトの窪み
水溜りに映り込む
黒と黄の色彩の対称、
其処此処に群れ成し生える ....
今年は5月に最初の1匹 6月はゆうに10匹 眼球めがけて飛んできた 黄色5 青色7 緑のうんこ 水の表面にハネ虫が浮遊する いろいろがうごめく ぼーっと見ていると なに色かわからなくなる
まだ区 ....
庭に数式の花が咲いていた。
近づいて手でもぎとると
数と記号に分解して
手のひらのうえですっと消えた。
庭を見下ろすと
数式は、もとの花に戻っていた。
*
庭に出 ....
きゃりーちゃん、、、、、詩人♡
アンパンマン、、、、、、詩人
ド素人、、、、、、、、、詩人
教育者、、、、、、、、、詩人(ちょっと地響き)
詩人の方を呼ばせていただきます(政府 ....
午前2時40分
潮が退くように彼方へと旅立った
彼女は母のような慈愛に溢れ
ぼくを可愛がってくれた
もうアンドロメダを越えたのだろうか
友達を 「伴侶の荷物」と呼ぶあなた
サイレンみたいなアラームを止めて
そのまま布団の中で溺れると
無意識の粒子が立ち込める
それらは映像となって
現実のように振る舞い
不思議が不思議でなくなる
サイレンが割り込んできて
手 ....
街灯の
光に舞い散る雪、
愛娘が
膝枕に安らか眠り、
崩れ落ちてゆく時が
大河の流れ一瞬だけ裂き
静まる冷たき沈黙の襲来、
自らの予感の内に
先取りされた
あの瞬間の覚悟、
今この ....
私はコンピュータ
あなたは新しいユーザですか?
ご命令はなんですか?
その機能なら私は得意です
お任せください
あくる日命令された内容は
私には理解ができませんでした
わかるように書 ....
(番外編36)河東君へ、碧梧桐両君へ
俳句は有季定格律か自由律だけじゃないんだよ
(定格→じょうかく は筆者の造語)
見たまえ、川の波を、聞きたまえ、海の引き潮を、
....
眠、覆い、考えられるかぎりのイメージ、それから細いタイヤ、太いキーチェーン、議事録、半円状の、氷、「実際よりすくなく感じられる」
どれくらい必要だろう?
どれくらい必要だろう、遠くなってい ....
I tripped in the mud on the lawn and turned around.
I saw the fire coming out of your bedroom ....
女は秋生まれ
ハーヴェストの季節に生まれ
だから私の構成する
断捨離を行ったシンプルな
ええいや、無味乾燥ともいえる
一室に馴染まなかった
すぐにノートや
ペンシルや
化粧品の類 ....
17歳の夏に家出をして初めて東京に来た
降り立った駅は中野で宿の当ても無かった
夕方になる頃には夜の街の匂いが鼻を掠め
アーケードは人の頭が忙しなく動き始める
通りの裏手に蜘蛛の巣みたいな路地 ....
(実況中継)妊婦にぶつかったスマホをいじくっていた中年男は、でけぇ声で邪魔なんだよと怒鳴って優先席に座った。その瞬間わたし以外の全員は一瞬にして殺意の目になった。これは戦争時の共有感覚なんだよね
....
オマエの嘘で俺がどれほど傷ついたか 分かったか!分かったか‼分かったか‼!
あなたにもそんな復讐心があったんだね
苦しめ!苦しめ‼苦しめ‼!
うん いいよ
北の湖の{ルビ畔=ほとり}に
{ルビ春楡=はるにれ}の大樹が唸るように{ルビ聳=そび}えている
その根元にきみを置いて写真を撮りたい
そそぎこむ小川には姫鱒の求愛激しく
やがて ....
京都三条大橋の側にあった
六階建の大きな旅館
非常階段の踊り場から見下ろす
起き抜けの街の静けさが好きだった
あの頃は赤のマールボロを一日半箱吸っていた
廊下の重い鉄扉が ....
みあげると
竹月だった
なぜかよるの1時に目が醒めた
昼間の
ゆきかうくるまの音が
息を止める苦しさで
かき消えてしまっている夜空の下
たまに
長距離トラックの ....
その日の午後は
いっそう高気圧が張り出し
夏の残ったしめり気より日照りが勝った
まぶしすぎる陽光と
車で海岸線を走る
反射するひるまの海
キラキラキラ
それは水面に遊ぶ星と
まばたくさ ....
爆弾に利き手を奪われ
居場所と未来を塞がれた少女は
残された反対の手で
書割に居場所と未来を描く
現実の空間には絶望が渦巻いている
今この場所に立つために
夢は叶わないから描かない
書割 ....
ゆうらゆらゆうらゆら
何だかとっても今朝の
ゆうらゆらゆうらゆら
緑葉無数無限の揺れ
無限の揺れ森の揺れ
沈黙の中で想いを語り
)ぼわっとぽすっとずんずんずん
)なにかなんだかくるく ....
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