久しぶりに
馴染みの店に
掃き寄せられた
落ち葉の面々
互いの無事を
半ば涙目で喜びつつ
とりあえずハイボールで
万感をこめて乾杯する
真っ赤に出来上がるヤツ
いつまでも ....
我と我と我あり
他者らを抑えて
生き抜くさまは
さつばつ かぁ
: 我と我あり。他の屈服まで終らない。良いものみたよ。ありがとうさま。
論理を実践していたらロンリーになった
警官が多くて景観を損ねている
首相が殊勝な顔をしてる
ダジャレも三重なら許されるはずだった
新芽がコケるのは悲しい
この胸のうちを
語るすべを
教えてほしい
さすらい
ぼんやりした街灯
こわれた蓄音機
つくすってどういうこと
信じるって何
神様とか
外は風
たぎるヤカン
林檎の皮
お風呂には ....
ほんのり白い{ルビ繭=まゆ}のなか
疲れた夜に横たわり
ゆっくり静かに沈みます
外界のざわめきが届かぬように
繭を編んで眠ります
ナポリタンのアンポンタンが、パスタを食べながら私にこう言った。
「詩は嫌いだ。偉そうだから」
それを受けて私はフォークを皿に大袈裟に当てると、ナポリタンのアンポンタンにこう言ってやった。
「詩が ....
気怠い朝
電車で隣に座った人の
スマホを持つ腕の肘が俺の脇腹を刺す
肘にナイフが付いていて
人知れず意識を失っていく
みんなスマホを見ていて気づかないうちに
暗殺される
の妄想
そ ....
ゆっくり流れ動く蒼天の冷気の
響き輝雲の純白に染め抜かれながら
この地球大地との正しき協和音を形造り
寝そべる牛の駆け抜ける獅子の飛翔する鷲の
人と共に進化する途の高ぶりを鎮め掃き清める
....
冷えた指この世の果てがそこに居る
イヤホンの中で無限の春に会う
目蓋から水だけ落ちる安定剤
小指から溶けて旅立つ子供の日
指先に見覚えのある夏の雪
視 ....
二両編成の電車を降りて
乾いた白い路を真っ直ぐに進む
いったい何処へ行くのだろう
てくてく歩いてゆくと
荒波寄せる岸壁に{ルビ聳=そび}える
古い灯台が観えてきた
ぼくは左腕に巻かれた包帯 ....
今宵の月光の柔らかな白銀の拡がり 、
周辺に無数の星を散りばめ輝かせ
不協和音の地上の呻き聴き取り
協和音の天上へ誘う契機与え
られながらも
同仕様もないこの苦痛、
この ....
雨音が秒針のように
夜中の時を刻む
寝返りを何度も打つ頭から
ニョロニョロと飛び出す神経が
雨音をリフティング
眠れない眠れない眠れない
午前3時を過ぎた
雨よ時を刻まないで ....
って
どうよ!
下痢をしているわたしの部屋に
ジミーちゃんがたずねてきて
唐突に言ったの
最近
猫を尊敬するの
だって
猫って
あんなに小さくて命が短いのに
気にもとめない様子で
....
痛み止めのかわりに睡眠薬を飲んで、
買い物へと出かけて行く。
主婦に休みなんてないんだよ。
あなたは主婦ですか?
いいえ、家事手伝いです。
わたしは単なる家事手伝いです。
昔は夢や ....
(番外編41―18―4)
寸分違わぬドイツの民族歌曲はどのようにして生まれたのか
歌曲、ドイツというと仰々しい
シューベルトの冬の旅を思い出す
歌の種類を明確に区切るは難しい
童 ....
白い闇が襲う
これまで生きてきた想いが募る
私に prestoをかけようとする
崩れかけた斜面の沿線
時には避けて
時には埋めて生きてきた
はじめて神様に祈りを捧げたの
....
水族館から
水族が溢れ出した
水族は移動を続け
乾燥地帯にも
幾ばくかの水分をもたらし
貧弱な草木を発芽させた
水族館の後には
館と館長だけが残った
館長の手の甲にはいつし ....
その風貌は決しておだやかなものではない。
知性的には見えないし物腰は粗雑、語り方も大っぴらで遠慮がない。
かれは嫌われる。
とくに知的エリート層はかれを蛇蝎の如く忌み嫌っている。
かれを無 ....
この街にあるのはマックだけで
あとは ロータリーと木と
坂道があるだけだった
冬はイルミネーションが灯った
駅を出た人は家に帰る
人の列をなして
バスも走った
その割と長い坂を登った
....
秋空に
流れる雲を
眺めては
ひとり路ゆき
涙ひまなし
全国からの人力財力注入
破壊された瓦礫の撤去
洗浄
建て直し
尋ねて応援
買って応援
忘れることなく注入
辛抱強く注入
注入
注入
再び地域に命が宿るまで
自らの
肉の終わり
見切った上で
歌い書き表さぬば、
それ、タマシイの詩書き人に在らずと。
あゝ私の記憶と云う、
奥深き畝溝から飛び立つ
銀の鱗粉の輝き羽ばたき
密やか途絶えることなく
燃え盛る意識の原野に
色付く豊潤な響きの渦 、
ビートを刻み垂直の流出の
次第輪郭を ....
さらば
太陽の空の下
恋人は
雨傘をひらいて
探していた
ひまわりは
恋人たちに集まり
歌っていた
世界一周の
浪路はるか
夏の日をなつかしむ
黄色いリボ ....
やさしい世界のそとで
ひとつの雲が青空に浮かぶ
その雲に向かって
泳ぐ金魚の色は黒い
悲しげな陽射しがいつまでも綺麗で
僕は首が痛くなっても雲を眺めていた
青空を ....
もみじ、
肩まで浸かった露天風呂からのぞむ、
さりゆく、秋の赤い夕ひが、
ひとすじの、きまぐれな寒風とともに落としていった、
いちまいの、
星のカケラ、
休憩室の掲示板に、ずらりと並んで立 ....
正しいのかもしれないけど世界が詩で構成されているとするとあまりにも不安定なので、かりそめに民主主義や資本主義があるのかもしれないと考えると安心できるし。という考え方はあなたはいかに思いますか。
....
ぼくは斬首刑を執行された
{ルビ亡骸=なきがら}の臓物は白日のもとに晒され
医師はぼくの秘密を探ろうとした
だが 魂の在りかだけは解らなかった
真実は真実で何処にも逃げはしない
ぼくの悪行を ....
公園の池の際に母子がいる
母は子供にパンを渡し
子供にパンクズを池に投げさせた
池の鯉は競って大きな口をパクパクした
傍には鯉に餌を与えないで下さいの看板がある
通り過ぎる人々の視線が母子を ....
ゆるりと白雲の流れ、
一拍、一呼吸置き
ふと見上げたら
もう消えて
自らの意志を行使した
冬空の青だけ厳めしく
冷える人の肉身を見下ろして居る
仕方なく手打ちを二 ....
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