遠い空を
ゆく
つばめの子の
魂は
次の宿に移る



今回の生(せい)では
出会ってくれてありがとう
つばめの子だった
その魂
次の生でこんにちは



体は有限 ....
小学生のころ、夏休みになると海へよく行った

高学年になると波に挑む遊びをよくしたものだった
大きな波がきたとき、そびえ立つようなその壁のふところに飛び込んで
波を潜り抜けるという単純な遊び
 ....
渚にて真剣にみてこなかったしわ寄せの波繰り返し来る 無事かー!? と聞いて
返事が返ってくるのは
無事な者からだけなので

で、よかった
皆、無事のようだと言っている
何のコントですか

まぁ、生き残った
ピンピンした人たちだけで
 ....
名の無い私は
名の無い鳥に
おまえは生きろと言われ
突っ立つ
そして名付けた



時々は
休みながらも
進むしかないんだ
一歩一歩
この命と共に



終りを
 ....
柔らかいまま生きてるから
噛まれちゃったね

傾いていく夏をいっぱいに浴びて立っていなさいよ

そして、
わたしはもうこれ以上愛することができないから
外へ出て
いろんなものに ....
とおり雨が去ったあと
秋の虫が鳴いていることに気づく

草は成長することに少し疲弊しているかのようで
重くなった我が身をかがめてすらいる
どこまで生きようか、とか、目的もなく
ただ草は、神 ....
時間がとてもながい、冷や麦を食べすぎた。虫捕りはさして珍しい虫が見つかるわけでもなく、数本しかないファミコンのゲームカセットももうとっくにやり飽きた。昼間の茶の間でコップに入った冷えた麦茶を飲みながら .... 藍に満ちた
心のグラデーション
だんだん濃くなってゆく
晩御飯の残り
冷めたまま出した

いつもと違う気配
神経張り巡らせて探す

藍色の夜更け
背中を向けながら
じっと見つめて ....
大地の上に、色さまざまに
生命の創造力が開示されるとき、
大地の素材から、さまざまな形で
生命なきものが創りだされるとき、
それを感得した魂が、意志の力で
おのれの生存の喜びを強めるとき、
 ....
朝、のどの違和感で目覚める
よるじゅう、26度に設定した冷房のせいだろうか
そうだとしてもそれを選んだ自分の失敗だ
イソジンでうがいする
その赤褐色の液体の色はどこか禍々しくて
さらに薬品特 ....
けっきょく、しずかになってゆくことが、このいのち
のもくてきであることをしる。はとうのようにおしよ
せるむねのいたみも、あれくるうふううのような、じ
んせいのじけんたちも、あとからふりかえれば、 ....
短冊、
ほそい笹の木にとりつけた、
さまざまな、
にっぽんの夏のいろ、
ゆうがたにリアカーをひいて、
みんなで町内をいっしゅうする、
ものらるのラジカセが七夕の唄をうたう、
そのうち日が ....
ちかいとほい
あゝあなた、
雨降りですね
腹筋の乳房の
ふっと盛り上がり 
ひかりちから降り注ぎ

柔らか硬く硬く柔らか

うんとうんとね
もっともっとさ
やはらか垂直に
平面 ....
こころの闇を
照らす
五行歌に
いのちを
焼べる

 ※ 焼べる=くべる。



失われた何かと
ひきかえに
何かを得た
何かは
何かを何かしていく



手を ....
落果の
音が
聞こえるくらいの
静かさで
冴える月光
○「『吾輩は猫である』を読んで」
吾輩は人間である
吾輩は男である
吾輩は年寄りである
吾輩は独り言を書く田舎人である
吾輩はメダルとは無縁のふつう人である

○「認知症」
奥さんが認 ....
すれちがいはさみしいね
通り雨は
違う場所に降っている
うそはもっとさみしいね

蛍は水しかのまなくて
手のひらですぐいきたえる
でもわたしはそんな儚い
あなたになれず羽を噤む蝉だ
 ....
深いふかい闇に沈み
初めて輝き出る光こそ
真なるヒカリ 、

それまでは無ノンセンス、
(光)と(闇)の間でバランス取りつつ
深いふかい闇 、
無というノンセンス*という
真っ逆さまの ....
川底で足を滑らせ 深みに沈んで 

水面を見上げていた 外は明るそうだった

記憶は二秒くらいで途切れ 後は母からの昔話

父が飛び込んで 助けてくれたのだって

そうなんだ そんな人 ....
大切な悲しみの
光は
しんとした影を
つくる
食べるものを作る人の手が触れる時
その土は地球だ

人を殺すものを作る人の手が触れる
愛する者たちの息も
貴方のものと同じ空気に違いない

星を眺めるものを磨き
星を渡るものを組み立て ....
手を伸ばせ
まっすぐ伸ばせ
手を伸ばせ
照れずに伸ばせ
欲しいと叫べ
{引用=音}
 拾ったノート
 裂かれた紙片
 路地裏で思案する

 この筆跡は、
 群青に滲むヤドカリの砂

  いまに消える声
  ゼンマイの破片

 砂利に、ちいさな仔犬
 ....
風鈴の短冊に書いた願い事
神社の参道に飾ってもらった
風にくるくる回って
思い出しているのは
遠い日にかすんだ夏祭り


知らなくてもいいことを
いっぱい知って
裸電球に輝いたは ....
はしゃぐ子供の
その声音の震え揺れ
優しく柔らか呪われ
仄か輝き出す私の意識

より明るみ炸裂スル瞬間、

 わたしの内に
  ふと現れ在る
 貴女という不思議がる顔

あゝ掴ま ....
闇の中の
黒い石に
光が当たり
私は黒い石だと
初めて知った日遠く



生きるとは
こころ
傷つき
時に
愛を知るということ



青空の深さに
手を合わす私。 ....
 
 飛ぶことが苦手で

 さえずることを覚えた小鳥は

 せめてこの歌が朝空高く

 飛べばいいのにと願うのでした





   誰も傷つけない歌なんてない

    ....
灼熱の

陽射しに晒す

我が肌は

焦げ茶に染まり

ひとり旅ゆく
人は
誰でも
複雑だ
ただそれが
表に出るか出ないかだろう



人のこころを
傷つけて
私も傷つく
ごめんなさい
あなたへ



人と人の
縁も
ふしぎだ
 ....
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