雨は詩歌。
雨はメタファー。
雨はわたし。
散文の海へ8
夏休みに入った。
家族連れでにぎわうビーチは、まるでキャンプ場のテント村みたいだ。ビーチパラソルなんて ....
こんもりした
緑の丘に昇り
空の青み仰いで
透明になりゆく世界を
透明になりながら眺めて
明るむ意識の輝きの光と
一緒に揺れている緑の
深みに沈み込みながら
こんもりした緑の丘 ....
○「後ろ姿」
最近僕は気づいたことがある
太っている姿というのは
前からよりも
後ろ姿によくあらわれているということが
人はふつう後ろ姿は見ないから
そんなに太っていると思わないのではない ....
出来る時にするのです
今度いつ
機会が
めぐってくるか
分からないから
・
でもね
あせらなくていい
今は
出来ることを
一つ一つするのみ
無意味でも意味のある日にかえていく誇らしい僕ささやかな日々
ふるさとの山に咲く藤は
忘れていた苦い思い出のうたかた
恋した人の横顔のおぼろな輪郭が
霞む春の海の島影に重なる
時をさかのぼる旅に
のめりこんで逃避する快感は
ギャンブル依存症の彼と ....
孤独の凍結した声 、
聳え立つ 絶えず
峰連なり移動する
蒼白い氷河の俎上にて
峻立する唯物の壁雪崩れ落とし
眼がかつかつと色求めているから
ガラス窓の向こうに ....
魂の過程だ
魂という命は
この体を借りている
こころが色々とこころする
私というひとつの命
・
種
花
果実
種と
続いてきて現在
・
小鬼の私は
銀河の岸で ....
眼いっぱい
ふるえる木洩れ日
ちいさな朱い鰭
息の仕方を忘れた朝に
滲む菖蒲
色香の移った骨抱いて
影は濃く
跪拝する
落涙に 蟻のもだえ
狂える記号たち
傷みの価値 ....
水の上に花が咲いている
花の姿が水にゆらめいている
それをながめながら
幾重にも愛を囁きながら
幾重にも別れにふるえているような
このひとときに
いちばん告 ....
この胸の空だ
空の青さは
魂の深さと
永遠性
永遠という果実
・
つきつめると
こころに行きあたる
だからこそ
手を合わせて
ありがとうと言う
・
一喜一憂すれ ....
森の樹木の根元に
下草の密生し
濃い陰影を纏い広がり浮かぶ
この孤独な初夏の午後に
意識は冴え冴えと
緑の樹間を縫って
走っていく
けれど 、
光、光の柱立つ
蒼穹の ....
恐怖は
人を
不自由にする
悲しみの
根源ですね
・
その対象に
とらわれた
こころを
解放してやることだ
どうでもいいよ、と
・
どうでもよくない
というの ....
雨は詩歌。
雨はメタファー。
雨はわたし。
散文の海へ4
北のはしのトイレは風通しがわるく蚊の住処だった。
蚊にとって海水浴場のトイレほど、衣食住に満ちた住処はな ....
○「ほんとうの愛」
僕は昔からほんとうの愛を求めてきた
しかしほんとうの愛は今だにわからないでいる
ここに僕の不安、不満、空しさ、落ち着かなさ、苦悩などの根がある
ほんとうの愛とはなんだろうか ....
かつてお酒の好きな詩人が
青い背広を着て旅に出ようと言った
夏の来るのを待つ短い ひと時
休日の真昼間
私の心はスーツケース持たず旅に出る
海もあった
太平洋の波の音に吹 ....
病室の午睡時、
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の如く残り
自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ
*
病院の午睡時は誰も居なくなる
ただ人の気 ....
37℃を超えたあたりから ちょっと虚な意識の中で
なんとなく ようやく
スマホの写真を消し始めた
一緒に行った旅行 あなたの写真だけ消していくと
あの時間から あなただけが消え ....
静かさ
満ちる
闇の
沈黙に
解ける悲しみ
・
静かさ
満ちる
光の
ほほ笑みに
解ける喜び
・
静かさ
満ちる
空の
青さに
解けるいつくしみ
雨風鳴る夜更けのベランダ
指先に 手櫛で抜け落ちた髪
中身のはみ出した ぬいぐるみ
ウイスキーの空ビン
時を刻む音が私を苛立たせる
そんな悲しい日々がなくなって
代わりに ....
英子おばさんの胸を破って、無数のレオが現れる、
三等船室でこの上なく楽しくポルカを踊り、
憂鬱の種をめざとく見つけだして、死を迎えるロミオが、
パイロットの制服を着て、離陸の瞬間に肩 ....
こころとこころが
ただ在る
宇宙のなかの
この小さな星の上に
いろいろなこころ
・
私の
こころの終りには
ありがとうを
置いておく
その時に咲く花がある
・
....
それぞれに
それぞれの
世界がある
私は優しい人間ではない
ただ自分でありたい私
また明日どんな日になり何をする?もう一人いる自分が聞いた
早朝のラジオ体操する広場今はなくなりアパート並ぶ
公園も広場もいつの間にかないマンション建つもガラ空き状態
畑とか田んぼが見 ....
○「心をみつめて」
私は
心の中に
蛇を飼っている
だから
地面に落ちている棒が
蛇に見えてしまう
○「平和なとき」
鳥の声
子どもたちの遊び声
青空の下の洗濯物
田 ....
※
物事や心は常に無常、
けれども、
今には、
今の、
今がある、
※
向かい風、
飛び立とうとする飛行機の、
それは、逆方向から促す推進力、
必死に生きよ ....
鉛色の空の下
紫陽花が咲くのを待っている
そこにカタツムリが居たら
梅雨空も悪くはない
四季折々の美しさがある
おっきなおっかない灰色の
雲のもくもく流れゆく
あれは私だよ自分だよ
そう言う君の声
僕の声
なんだ
そう気付く瞬間裂開し
あゝ僕も君もこの世界の
おっきなおっかないうねり
....
宇宙船がどうとかの経緯があったように思われたけれど説明は
具体性を次々と失い何となくうす赤い霧とどす黒い泡が混然と
配色される卵型の記憶の原形になり気づいたら放浪? の途中
学生の頃バイトした喫 ....
光る水に泳ぐ影を
みつめる
お空さんの
まなざし
深く真っ青
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