朝、のどの違和感で目覚める
よるじゅう、26度に設定した冷房のせいだろうか
そうだとしてもそれを選んだ自分の失敗だ
イソジンでうがいする
その赤褐色の液体の色はどこか禍々しくて
さらに薬品特 ....
けっきょく、しずかになってゆくことが、このいのち
のもくてきであることをしる。はとうのようにおしよ
せるむねのいたみも、あれくるうふううのような、じ
んせいのじけんたちも、あとからふりかえれば、 ....
短冊、
ほそい笹の木にとりつけた、
さまざまな、
にっぽんの夏のいろ、
ゆうがたにリアカーをひいて、
みんなで町内をいっしゅうする、
ものらるのラジカセが七夕の唄をうたう、
そのうち日が ....
ちかいとほい
あゝあなた、
雨降りですね
腹筋の乳房の
ふっと盛り上がり
ひかりちから降り注ぎ
柔らか硬く硬く柔らか
うんとうんとね
もっともっとさ
やはらか垂直に
平面 ....
こころの闇を
照らす
五行歌に
いのちを
焼べる
※ 焼べる=くべる。
・
失われた何かと
ひきかえに
何かを得た
何かは
何かを何かしていく
・
手を ....
落果の
音が
聞こえるくらいの
静かさで
冴える月光
○「『吾輩は猫である』を読んで」
吾輩は人間である
吾輩は男である
吾輩は年寄りである
吾輩は独り言を書く田舎人である
吾輩はメダルとは無縁のふつう人である
○「認知症」
奥さんが認 ....
すれちがいはさみしいね
通り雨は
違う場所に降っている
うそはもっとさみしいね
蛍は水しかのまなくて
手のひらですぐいきたえる
でもわたしはそんな儚い
あなたになれず羽を噤む蝉だ
....
深いふかい闇に沈み
初めて輝き出る光こそ
真なるヒカリ 、
それまでは無ノンセンス、
(光)と(闇)の間でバランス取りつつ
深いふかい闇 、
無というノンセンス*という
真っ逆さまの ....
川底で足を滑らせ 深みに沈んで
水面を見上げていた 外は明るそうだった
記憶は二秒くらいで途切れ 後は母からの昔話
父が飛び込んで 助けてくれたのだって
そうなんだ そんな人 ....
大切な悲しみの
光は
しんとした影を
つくる
愛
食べるものを作る人の手が触れる時
その土は地球だ
人を殺すものを作る人の手が触れる
愛する者たちの息も
貴方のものと同じ空気に違いない
星を眺めるものを磨き
星を渡るものを組み立て ....
手を伸ばせ
まっすぐ伸ばせ
手を伸ばせ
照れずに伸ばせ
欲しいと叫べ
{引用=音}
拾ったノート
裂かれた紙片
路地裏で思案する
この筆跡は、
群青に滲むヤドカリの砂
いまに消える声
ゼンマイの破片
砂利に、ちいさな仔犬
....
風鈴の短冊に書いた願い事
神社の参道に飾ってもらった
風にくるくる回って
思い出しているのは
遠い日にかすんだ夏祭り
知らなくてもいいことを
いっぱい知って
裸電球に輝いたは ....
はしゃぐ子供の
その声音の震え揺れ
優しく柔らか呪われ
仄か輝き出す私の意識
より明るみ炸裂スル瞬間、
わたしの内に
ふと現れ在る
貴女という不思議がる顔
あゝ掴ま ....
闇の中の
黒い石に
光が当たり
私は黒い石だと
初めて知った日遠く
・
生きるとは
こころ
傷つき
時に
愛を知るということ
・
青空の深さに
手を合わす私。 ....
飛ぶことが苦手で
さえずることを覚えた小鳥は
せめてこの歌が朝空高く
飛べばいいのにと願うのでした
誰も傷つけない歌なんてない
....
灼熱の
陽射しに晒す
我が肌は
焦げ茶に染まり
ひとり旅ゆく
人は
誰でも
複雑だ
ただそれが
表に出るか出ないかだろう
・
人のこころを
傷つけて
私も傷つく
ごめんなさい
あなたへ
・
人と人の
縁も
ふしぎだ
....
ある日風が吹く
身が軽くなり自由で
ここがどこかも忘れて
唄いだす
上手いかどうかは
関係なく
好きなだけ
唄えなくしたあの人のこと
やっとどうでもよく思えた
唄は風に乗 ....
痩せこけ骸骨になっていく
無数の子供たちの影 、
一本柱に蒼い首突き刺さり
溢れ落ちるもの 、
しと しと しと
白壁に染み渡り伝わる
音の一つひとつ
反響し自らを刻み込む、 ....
夏が押し寄せてきた
ブルーのイメージ
ブルーだけど薄いブルー
暑さだけで考えればレッド
全体的に考えればブルー
夏は海というイメージ
青空というイメージ
ブルーで包まれている
....
がんばらなくてもいい
がんばってもいい
勝たなくてもいい
勝ってもいい
ほめられなくてもいい
ほめられてもいい
まちがってもいい
まちがわなくてもいい
みんなとちがって ....
お祝いを あつめたから お祭り
あつめて こねてかためて 高く
火を点す
足もとに藁つんで
焼けた 爛れた どぉんど昇れ
マイマイの空家は渦の声
ことば忘れて かぶせ 転がす
あわい ....
激しく降った雨で
低い土手の生い繁る雑木は
いっそう緑濃くなり
駐車場の水溜りをよけながら
歩くスカートの裾が
まつわりつく
建屋の脇には短い竹林の小径
聳り立つ ....
人生はであいである
必死に努力ができることにであった人は
幸せである
心から信頼できる指導者にであった人は
幸せである
であいは
待っているものではなく
自分から求めていくものである ....
夜のスーパーは人影少なく
ゆったりと買い物ができる
入口を入ると野菜コーナーでアスパラとエリンギが眼に飛び込んだ
明日の朝はベーコンと一緒にバターソテーにしよう
このスーパーでは半額シール ....
帯の背中に団扇を挿して
下駄を鳴らす
屋台が並ぶ道は
人が溢れて賑やか
すみません、
ぶつかった人を見上げて
耳の先まで熱くなる
先輩、
よぉ、と言って
和かな所作で ....
涙の夜に
生と死を思います
涙の夜に 涙の夜に
生と死を思います
ふるえる心は
生と死を
深く思ううちに
心の奥の魂が耳を澄ます
銀河の岸の星の死と
(とても悲しい時は何も手に付 ....
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