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大好きだったシンガーが死んだ
ピッツバーグからグレイハウンドに乗って
何かを探しに行った時代は
まだ探すべきものがどこかにあった
今はもう
クリック一つで何でも見つかると
真実かど ....
一握りのエリート軍官僚が
机の上だけで妄想する演習で
動員された中学生は
上空の核反応で黒焦げになる
町は核実験場になって
たくさんの科学者たちは
眼の色を変えてデータを取る
....
ブランデンブルク門を見上げる
パリ広場でギターをかかえている老人は
天国への階段を弾いている
逆さ十字の腕章をつけた
ドイツ軍兵士のコスプレで
ビールをラッパ飲みしている青年に
好奇の ....
風鈴の短冊に書いた願い事
神社の参道に飾ってもらった
風にくるくる回って
思い出しているのは
遠い日にかすんだ夏祭り
知らなくてもいいことを
いっぱい知って
裸電球に輝いたは ....
里山が消えていく
脱炭素を熱心に論じる
快適にエアコンの効いた会議室で
アルマーニのスーツを着込んで
化石燃料と気候変動の話を
ビジネスチャンスだと
ノリで上気した額をてからせ ....
ふるさとの山に咲く藤は
忘れていた苦い思い出のうたかた
恋した人の横顔のおぼろな輪郭が
霞む春の海の島影に重なる
時をさかのぼる旅に
のめりこんで逃避する快感は
ギャンブル依存症の彼と ....
何も言わずに死んだけど
あの男は何一つ知らなかったのかもしれない
騎馬民族は動物の皮をとても上手に剥ぐ
虎は全身の皮を剥がれても走り回る
羊はすぐに死んでしまう
羊毛の刈り取りをするのを ....
崩れかけた壁に
ミサイルの破片が
突き刺さっている
心には
言葉にならない
恐怖の破片が
10発中9発の迎撃に成功した と
テレビは誇らしげに伝える
残りの1発で瓦礫に埋も ....
若草山のてっぺんで
何と叫んでいるのか異国の言葉
ウイグル語みたいに聞こえる
鹿の目当てはせんべいだけなのに
首を上下に振ってくれるだけで
心が通じ合ったかのように喜ぶ
野生だけど馴れ ....
タクシーの車両は古いものばかりだ
バンパーには傷
ボディの塗装はくすんでいる
乗客はたいてい老人だし
運転手だって負けないくらいの老人だ
買い物する間駐車場で待っている
一人暮 ....
居酒屋で隣り合ったおじさんは
おらぁ故郷を捨ててここまできたんや
なんて自慢気に言う
よっぽど話しかけやすい感じなんかな
どうでもいいけど
捨てたんじゃなくて
捨てざるを得なかったとい ....
遍路道の長い階段を
杖にすがってのろのろ登る
持鈴の響きが風のざわめきを寸断する
線香と蠟燭はちゃんと持参している
駐車場に整備された多目的トイレに
行き倒れ同然で寝泊まりする人 ....
農道で戦車を追い越す軽トラは
収穫したサツマイモを満載している
焼酎造ってるほうが平和だがな
軽トラの若者は思うけど
アル中の父親のいる家族にとっては
ちっとも平和なんかじゃない
砲塔はじ ....
船の窓から宇宙を眺めると中性になる
雲は薄っぺらな模様になって
海の青のところどころに
赤茶色と緑とに塗られた陸地が
安物のTシャツのプリントになっている
そのプリントの上で
生ま ....
ご神体は山だった
うさぎは皆に撫でられて
頭と耳がぴかぴか光っている
カレル橋のヤンネポの犬もそうだった
ウイルスが沁みこんでいる
だだっ広い草原に意味不明な巨石
群がる観光客を羊だと思っ ....
赤煉瓦の港町は
後ろ暗い汚物が一掃され
うわべだけは瀟洒な衣装を着ている
遠い国からの荷物に潜んだ
赤い蜘蛛にとっては新天地だ
交響曲が聞こえてくる
泥とあぶらが染みついた服で
....
「自分を信じなさい」
そう言った詩人は
認知症になって
譫妄の森の小径の彼方に光を見て
まだあどけなさを顎に残した少女に恋をした
グループホームなどなかった時代
煙突の底か ....
道路に落ちて
雨に濡れた紙飛行機は
どうしようもなくみっともなくて
翼に乗せていたはずの夢は
タイヤの模様に変わっている
行き交う車に踏まれて
アルミニウムの円盤になった
一円玉が隣でし ....
ヒロセマコトさんの藤原絵理子さんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
アメリカ
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
24-11-14
被爆国
-
藤原絵理 ...
自由詩
7
24-8-10
Fluctuat_nec_mergitur
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
24-8-4
お盆
-
藤原絵理 ...
自由詩
6
24-7-27
ベクトル
-
藤原絵理 ...
自由詩
1
24-6-18
故郷へ
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
24-6-13
ねじまき鳥
-
藤原絵理 ...
自由詩
3
24-5-26
ハルキウ
-
藤原絵理 ...
自由詩
3
24-5-24
蛇行剣
-
藤原絵理 ...
自由詩
5
24-5-4
過疎
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
24-4-27
よもやま話
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
24-4-25
巡礼
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
24-4-20
ナイル殺人事件
-
藤原絵理 ...
自由詩
3
24-4-16
ヤー・チャイカ
-
藤原絵理 ...
自由詩
11
24-4-6
ぎんなん
-
藤原絵理 ...
自由詩
3
24-4-4
悲しい酒
-
藤原絵理 ...
自由詩
9
24-3-31
文豪の面影
-
藤原絵理 ...
自由詩
3
24-3-29
戦い
-
藤原絵理 ...
自由詩
8
24-3-28
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