{ルビ廣松=ひろまつ}{ルビ渉=わたる}の哲学書のことを考えていた。
 認識論についても 現象学についても僕はなにも知らないものだから 放り出してしまったあの哲学書。
 僕がはじめて読んだ哲学書 ....
暗渠の遊歩道で
綺麗なタチアオイを見つけ
立ち止まる

>今日が見頃みたいだよね

シャッターにかけた指が止まる

驚いて振り返ると
柔らかな眼差しの老人が立っていた

>実 ....
悲しいですね

人は誰でも独りで生まれ

独り死んでゆく

後ろ姿を追いかけても届かず

想い人が亡くなっても日々は変わらない


      ☆


楽しいですね

 ....
願わくば

五月の空に浮かぶ

羊雲になりたい

ぽかり ふわり

風に吹かれて


    ☆


強がりな若葉に誘われて

渓谷の流れに身をまかせ

透明な水に ....
どんなに私が
世界を
愛しても
世界は変わらない
ならば己が変わる
雨降りの日に
部屋に篭もり
ひとり積み木を
積んでいく子に

 涼やかな風、
  すーっと一筋
 網戸から

まばたき
二度、三度
見開かれた眼、
積まれゆく積み木
色とりど ....
風のささやきに誘われて
釣り人は初夏の{ルビ渓=たに}に分け入った
モスグリーンのいで立ちの彼は五月の若葉に溶けて
神経質な魚たちの警戒心を得ることはなかった
川面に近づくには音を立ててはいけ ....
小学生の男の子が
人知れず深刻に悩んでいた
「自分がどこから産まれたかということで」
ママに恐る恐る尋ねたら一喝された!
この男の子は
「ママのうんこの出るところから産まれた」
と思い込ん ....
意識の
幾次元もの
潜り抜け
やっと正気保ち
正気保ち意識の幾次元へと





「さよなら」の無い次元に逝く前に
「こんにちは」の言い方を
覚えなければならない

    ....
蛇が布団の上で死んでいる。いつから死んでいたのか知らない。腐ってはいないが干からび始めている。とても大きな蝿が一匹ぶんぶんと飛んでいる。開け放しの窓から風が激しくて臭いを感じることができない。反故紙が .... 先週免許の更新に行ったのだけれど、そこでは講習はやっていないとのことで、門前払いされた。ハガキをよく見ると、確かにその誤った解釈を指摘する内容のことが書いてあった。帰り道は不愉快で駅前でやっていたダン .... 何も言わずに死んだけど
あの男は何一つ知らなかったのかもしれない
騎馬民族は動物の皮をとても上手に剥ぐ
虎は全身の皮を剥がれても走り回る
羊はすぐに死んでしまう
羊毛の刈り取りをするのを ....
大切な悲しみを
傷つけて
悲しくなる。
光る風は
美しいままなのに



見えないのに在る
そよ風は
光り
さびしいこころに
吹いて来る



のっぴきならない
 ....
浸っている
ひたひたと浸っている

あなたのなかにわたしひたり
わたしのなかにあなたひたり
あなたのなかにわたしひたり

繰り返し繰り返し

 浸っている ひたひた浸っている

 ....
ぎゅっとにぎった手のひらに伝わる金属の鎖の冷たさ
そっけない硬い木の座面
離してはだめだよ と降ってくる、声
靴底で蹴るとざらっとして土埃
膝で漕ぐたびに
行ったり来たり
ふりこはゆっくり ....
地の悲しみの澱を素足で吸い上げて
嘔吐する
花びらの金魚
収めきれず
破裂するまなざしの気配

その歌が流れると
わたしの中に風が吹き草木を揺らした
ことばは糸でつないだ骨片や貝殻のよ ....
ひと一人の命は
地球ひとつの重さより重い












※ガザで虐殺された人の数は2,4000人以上
その7割が女性と子ども達だ
ぼくは森の中に生まれたような気がする

幼い頃から樹が好きで

朝は何時もの森を彷徨い樹を抱いた

今は木目を見ただけで何の樹だか分かるようになって

お気に入りの厚板を何枚も持ってい ....
伸び過ぎた髪を手早く纏めたら
企んでる顔でこちらへおいで
裁きを受ける覚悟なら出来てる
ひとつやふたつの傷なんて些細なことさ

嵐のあとの
老い先短い湖を飛んで遊びながら
朽ち果てた ....
初夏の風が渓谷の香りを運んできた
釣を止めて十七年が過ぎていた
改めて道具を確かめたら
釣り具には問題なかった

真夜中に車を走らせ
モスグリーンで統一した身支度をして
さぁ釣るぞ! と ....
キリスト看板、コンドームの自販機、公衆トイレ

詩が書きたい
詩が書きたい
忘れちゃってた自分の痛さも全部言葉にして数年後に愛すためにも

消費よりも浪費よりも懐古が増えたので私は ....
十人は十色で
数百の紙片が散らばる居間に
佇む私の家族には
血の繋がりを感じさせない何かしらがある
ブランコ技師である父の手は取り外し可能で
今晩も女の胸に爪を立てているはずだ
瓶づめのま ....
思い出が 目をさます

空き缶をつぶした灰皿にあふれ

かなしみに追いかけられていたあの頃

藍色の水たまりから空にこぼれ

にくしみに追いつめられる前の日

あの子に 今度こそ告 ....
むかし戦争があったなんて
――きっと嘘だ、

円柱型のチョコレートを
小さな花紋のある包み紙を破って、
贈り物だと信じて食べた
チョコを食べると、熱くなって
自分が強くなるのを感じた
 ....
崩れかけた壁に
ミサイルの破片が
突き刺さっている
心には
言葉にならない
恐怖の破片が


10発中9発の迎撃に成功した と
テレビは誇らしげに伝える
残りの1発で瓦礫に埋も ....
銀行へ行った日、自転車で坂を下ると、急に夏の顔になった道がひらけて、水色の画用紙を引き裂いたように、夏空が目の前にせまる。ああ、もう夏か。

それで私は小学生の頃を思い出す

なんだかちょうど ....
猫は知っている
人が磨き人に割られるランプらの意味
猫は知っている
女たちがくちびるの感覚で
こぼれる涙に色をつけたがるかの謎を
猫は知っている
男たちの欲望に満ちたやさしさが
つぎの曲 ....
その人の
お心づかいが
嬉しくありがたい私は
生きるための
心の糧を頂いている



礼も過ぎれば
無礼になるというけれど
感謝の気持ちは
次から次へとわき起こる
ああいけま ....
人間

空気

原子
あらゆる物質は素粒子から出来ている
素粒子は刹那に生生流転を繰り返し
留まることを知らない
星々の寿命は100億年と言われ
人は100年程度
どうせ生きる ....
夜がまた
しなだれかかって来る香り
羽毛にくるまりひとりで眠る

その清い
息がこの身に触れるほど
小声でなにかを囁いておくれ

どこまでも
つづく月下のまっすぐな
小道を ....
ヒロセマコトさんのおすすめリスト(1033)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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雨降る街の子のうた- ひだかた ...自由詩4*24-5-28
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