○「思いやり」
思いやりはちょっとしたところにあらわれる
相手が負担に思わないところにあらわれる
○「理屈妻」
ああいえばこういう
こういえばああいう
理屈はもううんざりだ
お好きな ....
蠅、はえ、馬糞に蠅。
眠る仔馬のお尻を眺めていたら
女性グループに声をかけられた
撮ってもらっていいですか?
仔馬のお尻が好きな人は
どうやら信頼できるらしい
はい、喜んで。
馬の親子と ....
足音が食事をひとつ運んでく
足音がカルテを二枚運んでく
足音が廊下を曲がり消えてゆく
足音が眠りを運んでくる
味。よく知っている。ああ。味。の罰。(アイスを渋々買ってくれたあなた)もう十分 ....
忘れるという
悲しみよりも
今を生きられる
喜びを思いたい
あなたのいのちと
・
私にとって
最高の存在たちと
出会えたことは
幸運である
夢ではないんだ
・
....
暮らすことを
楽しむ
いつもではない
けれど
生を活かす
光の骨をなぞる指のことを もう思い出せない
言葉を思いかえすほどに
少しずつずれて嘘になってゆく
そのグラデーションをせめて美しく
夕映えに織り込んで
待っているうちに
身体は闇の鱗で ....
終りある戦い
えっ
何と戦うの
自分とだろ えっ
そもそも戦わないよ
・
戦いというのは
不毛である
負けても
勝っても
お互いに傷つく
・
争うよりも
握手 ....
○「梅雨空」
見上げれば鬱になる
今日も雨、雨、雨┅
雨の日はいっそう
老いが身にしみる
見上げれば鬱になる
今日も朝から探し物 メガネ 携帯 薬┅
雨の日はいっそう
ボケが深くな ....
ノーブルなおば様の厭らしさというのはあるよ
というのは、このご時世に澄ましてられるとしたら
何か間違った理由によるものと考えざるを得ないからだ
実際、他の誰が災難に落ちようと
澄ました顔を ....
傷ついた
こころ
乱反射して
きれい
これでいいんだ
*今年は鶯がよく鳴いている
隣のじいちゃんもそういっていた
梅はならんかったが
鶯は絶好調である
ホーホケキョ!
*天気だけはどうしようもない
人間が適応するしかない
九州は今週も雨 ....
悲しんだり
喜んだりなどを
繰り返すことで
いのちと共に
深くしていきたい人生
すっこぬけ
すこんと抜けいく
終わりに近付き
意識しながら
崖っぷちで
気力養い
勇気蓄え
落ち着き払い
ほら一段、
すとんと落ち
落ちてみれば
あれこれ現に
或るもの在る ....
図書館へ続く石の階段
日陰には
きのうの命がただよっている
雨ののち
ひごとに深くする手鞠花の青
カタツムリは絶滅したんだろうか
遠い子守唄
世界に向けて閉じられた手提げの中はやすらかに ....
ぽかぁんと穴あいてる漆黒に
漆黒背景に賑やか盛んに踊り
濁り黄の満月どろんと浮かび来た
今年初の熱帯夜に感じ想い浮かぶ
死の境界 、
ぷかぷかしてたい今宵の意志に
私の夢は自由
右に行ったり左に行ったり
上に浮かんだり下に沈んだり
どこへも行ける
物を掴む手があり
自分を立たせる足がある
そう私の夢は人間
窓も柵もない場所へ行きたいけど
そんな場 ....
スーパーが出来る話は立ち消えに空地のままで寂しさ残る
町内に小さなスーパー一軒だけ百円バスで隣町行く
一軒もホテルなどない過疎の町観光もなく衰退の一途
魚屋の小父さん声がよく通るつい ....
雨上がりの
澄んだ空気と
緑鮮やかな
葉の群れに
うるおうこころ
・
銀河の岸で
魂釣りをする
小鬼の私
釣った魂は
おいしく頂く
・
草団子を
おみやげで
....
かわいげのない子供でした
大人のずるさを知ったのが3つの頃で
上目遣いで人を見るようになったのが5つの頃でした
かわいげのない子供でした
こっちへ行けば ばあさんにそっくりだと拒絶 ....
僕は昔アメリカで見たのだ
知ることで その景色を
今は無い ビルや人を きっと
僕の記憶に残すことで
感覚は知るのだろう
きっと木々を あるものとして
見た 思いを ないものと ....
金曜日
朝日に顔をしかめて
パジャマのままで通りに出る
すれ違う人たち
アトラクションみたいな駅前ロータリーで
敗者の通勤経路
誰かが仕掛けたアラームが鳴り止まない満員電車で
使用資 ....
{引用=
潤んでいる。日差し。君のその白い面持ち。夏のプールの青さを反映させながら、水面に浸かっている君の、まだ少しだけあどけなさを残した、その朱色のくちびる。水色の水鏡(みかがみ)にそっとくちづけ ....
死んでも旬でいるために
生はどんよくに波をかく
波うつことで脈ありと
信じていけるその日まで
脈動はきざまれた
きざまれてわかたれた
脈動はわかたれた
わかたれてきざまれた
わたしとあ ....
その子の瞳に
歪な丸さの ヒが躍る
画用紙の真ん中で
赤み帯びた鮮やかなオレンジは
吠えたける
甘い香りも
緑の葉蔭も
棘のある茎も
パレットに襲って来る溶岩 ....
夏至の8時まえごろはまだ闇夜ではなくてもう少しで闇になろうとするうっすら微かに水色が残る東の空にまだ低い朧月を眺めつつどうやら「かぐや」って名前らしいとあるホテルの看板を横目に車を走らせつつ詠んだ ....
真正面に満月だ、
カーテン引き
窓を開けたら
アタマ瞬時真っ白に
白銀のヒカリ放ち
光耀くっきり
まぁるく輪郭帯び
その生々しい実在
魂ずんと射抜かれ
意識すっと透明に澄み
両手合 ....
欲が出て限が無いが
放てば
満ちる
と思い
自分をなぐさめる
・
不安がわいて限が無いが
放てば
満ちる
と思い
自分をなぐさめる
・
限が無いことばかりだが
....
やれるときにやれることを
十分に味わったほうがいい
やがて
走れなくなる
歩けなくなる
立てなくなる
若いときには夢にも思わないことだが
わかった時にはもう遅い
老いるということは
....
頭上から日々がのんべんだらりと垂れてきて
道の上に寝そべるので
そいつをよけながら歩いた
ところが日々は うねうねと気持ち悪い動きで
こちらの脚にまとわりつこうとするので転びそうになる
俺は ....
亡くなった母子の墓石に
死者が手を合わせてる
縁者ではなく旅の途中の
襤褸をまとった枯れ木の姿
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