何本もの糸を断ち切ってきた中
僅かに残った繋がりの糸
距離は遠く長い
在るという充分
困難で苦しんだ時
在る糸に震えが伝播し
彼方から戻る波動を握る
この手に勇気の熱が湧く
人として生まれたのならば
死を迎えるまで
強靭かつ しなやかでいたい
この世をすべて理解しているわけではないのだから
真っ白なキャンバスのように謙虚でありたい
この歳になっても好奇心はい ....
陽の光を朝に浴び
その輝きに手を触れる時
アナタの纏う衣の
すきとほる純白
わたしを包み込む
そうしてわたしは
わたしの自己存在を
眼を見開き見入り
耳を澄まし聴き入り
....
{引用=
青い水面に溶けこんでいる。眩暈。逆さまになったふたりの不定形。ぼくらの身体はまるで揺らめく塔のように、どこまでもながく伸びてゆくように、その揺らぎをなんども繰りかえす。それは途方もなく長い ....
もう二度と会えない
さよならも言えなかった
願いは夢で会うこと
思い出を繰り返し語り
笑ったり泣いたり
居場所を灯す
好物だったそうめん茹でる
そうめんの川にオクラの星
麺 ....
青銅の天空に
白雲の流れ 、
刻まれゆく時に
はしゃぐ子供、
夏の庭先に成人し
昂揚する自尊、
萎縮する帰依、
銀輪の放つ光彩眩しく
罅割れゆく青銅の天空
裏 ....
銀河の岸で
七夕の日
小鬼の私は
手紙を書いた
ムーミンの切手を貼った
太陽は慰めない
空は悲しまない
雨は歌わない
誰もいなくても
人はそうやって
ながくもなく
みじかくもなく
はやくもなく
おそくもなく
香は燃え尽きる
すべては鏡で
なに ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク、
パステルカラーの朝が
たなびく空に滲む
満ちた潮の香りと
膨らんだワンピース
裸足になったキミは、ひとり
貝殻の残骸を数える
砂浜 ....
白い紙の上にこぼれてにじんだ
わたしのかなしみ、
あなたのりんかく
揺れながら
つめたく細い流木のような腕を
にぎりしめたときを
かみしめる
揺れながら
幼子が ヒーローの名前 ....
青いそらに
一本の縄バシゴをかけて
一人で昇って行くのだ
小さくなってゆく姿を
地上の人々は
誰も気付かないままに
陽に憧れてのぼって行くのではない
高い塔か ....
なみだ、
ぽろぽろと剥がれ落ちてゆく、
頑ななウロコの溶解、
あつい塩水が、
頬をつたうたび、
こころは、
飾らない、
まっさらな素裸になる、
なみだ、
かけがえのない、
....
近所の子らの手をひいて
人いきれのする方へ お提灯かき分け
夏の夜がひろがる空で
花を散らせる 長い指さき 見ていた
二十七歳の私
ルリカケスの羽根 織り敷いた
天の川から眺めるこの町 ....
○「自由な時間」
僕はお金持ちではないが
自由な時間だけはたっぷりある
高齢者になって自由な時間の有り難さが
わかるようになった
読書、散歩、詩作、坐禅、登山、家庭菜園┅など
マイペースで ....
渓に静と動あり
静は岩
動は水
森はそよぎ
小鳥がさえずる
貝のように閉じた小部屋
布団にくるまり明日に怯える
昨日と変わらぬ今日はまるで
見飽きたドラマの再放送
誰にも呼ばれない
安心と寂しさと
不安を煽る不穏な夢
眠ることを諦める ....
未知なるヒビキの
内中から受け取るもの
確かなものと鳴り為ると
たとえ堤防が決壊してもね 、
真白き街並みずんずんと
ずっとずっと広がり在って
打ち上げ花火散々見尽くしたら
もう ....
深緑の
葉の
光合成をする
魂(いのち)の
静かさ
昔 暗い電柱の蔭に
鮮やかな口紅を咲かせていた女と
細くしまった腰をもった男との
悲しい抱擁を見た時
思わず浮かび出た詩は
美しかったけれど
月が厳しい弧を描く
夏の ....
からだも
こころも
その時その時の調子があるね
からださんもこころさんも
いつもありがとうね
人生のときを重ねて意味するは詩に詰め込んだ無力のあぶら か
これほど繊細で美しい釣り竿は無い
先端径は1mmを切っている
細くて見えない糸で
これで30cm以上の渓魚を釣るのだ
30本に上る竿たちは
袋に納めるとどれがどれだか解らなくなっている
仕 ....
歩んできた日々を
振り返る
一週間前に通り過ぎたばかりの
森の出口で道は消え失せている
歩んできた日々を
振り返る
あなたが遺した道が途切れてから
見知らぬ景色の中を彷徨 ....
広やかに奥ゆき在る
聖堂に雨降り注ぎ
無数の漆黒の虫たち
動き廻りやがる
疑惑は未だ晴れてない、
俺は我欲捨て切れない、
深い森陰の下草の
緑の間借り人として
深淵を臨む
絶 ....
無
と聞いて
深く思う人と
浅く思う人が居る。
無もさまざまに受け取られる
あっまたおこしになったんですね
まってました わたしは40になりました
ずいぶん遅くおいでだったんですね
こわくて こわくて
ひりひりした山をのぼってらしたんですね
それほどたいしたことでな ....
サボテンとの別れ
身を切られるような痛み
きみとは何万語のことばを交わし
無言で見つめあったろう
きみはわたしの髭を
わたしはきみの棘を
お互い数え飽きなかった日々が
あえなく終わろ ....
川上から金曜日が流れてきた
彼は働きすぎたのだ
川上から土曜日が流れてきた
彼は眠りはじめた
川上から日曜日が流れてきた
彼は手を冷たくしていた
川上から月曜日が流れてきた
彼は左の瞳し ....
宇宙が
生まれてから
ずっと来て
つながっている
私のいのちに
さまざまな
美しい影の
濃淡を
描く
光のいのち
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