みかんの皮を剥く
皮が出てくる
剥いたはずなのに
と思って皮を剥く
皮が出てくる
ええっと、何だろう
と思って皮をむく
皮が出てくる
落ち着け、今までのは気のせいで皮など剥いてい ....
詩は動いている
迎える向こうの死を前にして
絶えず絶えず動いている
暮れては明ける、
遠い山並みのシルエットのように
見ると木には柿のような実がなっている
もっじく手立てがわからないぼくはいつもダメにしてしまう
たまにうまいこともっじいてみても籠のなかで腐らせる
図鑑をのぞけば似たようなものが載っている
....
はよ起きて
はよご飯食べや
はよ食べーや
はよお皿持ってって
はよ着替えてな
はよ歯ぁ磨きぃな
トイレはよ出て
準備おわってんの
はよランドセルに入れや
えぇ宿題してへんの
なんで ....
私はたぶん泣かないだろう
悲しいことがおこっても
愛しいものが失われても
これまであまりに
くだらないことで
泣きすぎてしまった
私は命を持て余したのだ
だから必要もないのに
いたずら ....
赤い信号の光りが
濡れたアスファルトに落ちて
滲むように拡がっている
思い込みに過ぎないけれど
濃くて固定された光りと
薄くて拡がる光りの違いが
誰かさんと私との違いを
抽象的に表 ....
「環状線に乗っていつまでも回っているのが好きなの」
東京から来た彼女は言った。
それでも大阪環状線は
大阪以外からやってきた人を
大阪の外に吹き飛ばしてしまう。
奈良から来た人を ....
餃子の餡を皮で包む
自宅で作るときは鶏肉だ
あれとこれとを目分量
ああしたら美味しくなるから
こうしておこうと刻むリズム
そうそう胡椒を忘れず粗挽きぐりぐり
よく捏ねてよよく捏ねて
優し ....
1
そして今僕が見ているのは
雲から降ろされる光のはしご
指から零れ落ちる
2
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
....
午前五時わたしの横にはギフが居るあなたは今ごろどこの空のした
正月が終わるころ、
いつとなく思うことがある。
母の島へいってみたい、
そう思う。
オレさえ生まれてこなければ、
兄と両親は、
幾度となく島に、
かえれていただろう…
....
店員さんが運んできたコップの中に
凪いだ海があった
覗き込めば魚が泳いでいるのも見える
こんなにたくさんの海は飲めそうにない
先ほどの店員さんを呼ぼうとしたけれど
彼女なら里に帰 ....
毎夜午前零時に明日は今日になり
今日は昨日になる
何でなんだ
何で
午後の零時ではないんだろう
そこら辺のところ
学者にでも聞けば明確な答えが得られるんだろうな
明日は明日さ
....
夜空に恋をして
何光年も前に放たれた
消滅した星の光に恋をして
占い師の心に浮かぶ物語
あなたはシンデレラの星を持つ
王子様は流れ星に乗り現れる
....
母親の 背中に逃げる 初対面
悲しみが 言葉に出来ず 蕁麻疹
どうしたの わからないから 泣いている
ミサンガに たくす願いは 週替わり
肩車 世界で一番 高いとこ
からからに枯れた紅葉が一枚、地面の少し上から降ってきて、ユニクロの入口に着陸した。木から落ちたのではないらしく、どちらかというと手品のように地面の少し上にパッと現れたらしかった。紅葉はからっからに枯れ ....
アリバイは、崩れない、
紙飛行機は、落ちていた。
雪だるまが、崩れていた、
見渡す限り、雪景色。
お正月の、少し寂しい
公園に行って、冬空をみた。
あとで、 ....
パチンコで負けた金がいま手元にあれば
ipadを買うが
パチンコで負けた金がいま本当に手元にあれば
またパチンコ屋へ行くだろう
ガッデム
ピッピッ
淡々と読み込んで
ピッピッ
段々とのめり込んで
ピッピッ
資料IDの読み込み。
じっと
じっくりと
左から右へ確かめて
じっと
じっくりと
....
黄緑色の音楽を聞いていよう
河原に座っていればいい
水面に手を差し出して
魔法の呪文
戻ってこい、戻ってこい
ウェハースみたいに華奢な音楽を聞いている
戻ってくればいい戻ってくれば ....
胃空間 Stomach Space
異色銃 Peculiar Gun
意図御菓子 Intentional Snacks
イッヒ 壜 Ich Bottle
鰮水 ....
去年は
シロクマの
きぐるみで
過ごしました
今年は
そのシロクマのきぐるみに
黒い絵具で
柄を描きたした
パンダのきぐるみで
過ごそうと
決めました
来年は
クチバシ ....
切り分けた林檎が赤く錆びていく
季語は冬午前の雨にやぶれ傘
転んだよ雨の泥濘寒い空
転んでも直ぐ立ち上がる道師走
新年が来ても無口はかわれない
餅喰って喉に詰まらすお年頃 ....
明日やりますと言い続けて70年
結構なんとかなってきた
比較的、いい子にしていました
最後の願いを聞いてください
Switchください
今年で70回目の良いお年を
クリスマスは私が ....
砂漠で椅子を並べている僕の耳元で
佐々木さんがささやく
卒業生たちは丁寧に会釈をしながら
前方から順序良く着席していく
人は生きているとささやきたくなる
だからいつか人は死ぬの
....
自称詩人が自称詩人であり続けるとしたら
絶対に良い年になんかなりませんから!
まず、今年一年相変わらず
世の中にとって
クソの役にも立たない自称詩を
吐き散らしたことを深く反省し
大晦 ....
この坂道を何度歩いただろう
この坂道は上がっただけ下る必要がある
僕の車にたどり着くために
ある日なにかにふと気づく
なんにせよ、僕は最後にこの坂道を
上がって終わるか
下って終わるか ....
人間関係に悩んでいたある日
神様だという者が現れて
人の気待ちを読めるようになるのと
人の気持ちを気にしなくなるのと
どっちがいいかと聞いてきた
わからないので
お試し期間をくださいと ....
小鳥についばまれた 肉は
果実の それであって
ついばまれずに 落下して
芽をいぶきだすのは そのたねである
ある彗星が太陽系外の別宇宙の存在者が
近々 太陽系内に飛来しつつある ....
幸福を満載に積んだトラックも
ガタガタの悪路を走っていたら
荷台から落ちるよ
幸福は縛り付けておけないからさ
人は誰でもするよね
誰かと自分を比較したら
自分は幸せだって
でも
....
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