風の夜と雨の夜
一人の寂しい夜に
二人が窓を叩いてくれる
歌う風と踊る雨
僕が眠るまで
二人は庭で宴を彩る
ありがとう
寂しくないよ
今は音が欲しいんだ
ありがとう
おやすみ
変なおじさんは変なおじさんの
同一性をなくさないでいてほしい


公共放送でアーカイブ化されるより
押入れのなかのビデオライブラリとなれ
頭の中で日本語
心の中でも日本語


勿論
声に出すのも日本語

文字にするのも日本語
漢字
平仮名
片仮名

片時も日本語が離れない
四六時中
日本語に付きまとわれ

 ....
焼豚のおもてに
5月の文字がある
だいぶ明るくなった
夕方のひかりが
ずっと閉めきっている
カーテンの端から
こぼれている
町内放送のピンポン
子供たちは
晴れた日は外で遊ぶように
 ....
何を書けばいいのかわからなくなった後に
語り出すのはどんなことだろう
わたしは 自分に素直になる

YouTubeの検索履歴
いつもならスワイプしてしまう Twitterのタイムライン
い ....
 空が騒がしい午後

 肌で感じる空気が重い

 空だって泣きたい時はある

 道路に水滴の跡が見えた時

 頭のてっぺんで感じる空の悲しみ

 この世の悲しみをすべて感じられ ....
どうだっていい奴が死んでいく

どうでもよくない奴も死んでいく

もうどうだっていいよね、って
つぶやくそばから次々と死んでいく

世界は
どうだっていいものであふれていているから
 ....
終雪や「不要不急」の木霊消え 書くために神経をすり減らす
書きたくて
神経を研ぎ澄ます

書くために
時には誰かを殺し
書きたくて
自ら奈落に堕ちる

書くために集中し
書くために食べるを忘れ
書きたくて
 ....
このお店は改装中です。
ですから、お立ち入りにならないでください。
改装が終わったら、
あなたも入ってみると良いですよ。

わたしは言葉を商っています。
わたしは「無限」という言葉の意味を ....
四つ葉のクローバーが2と2の間でくるくる回って、
+としても×としても、答えは4で変わらなかった。
そんな幸運を、四つ葉のクローバーは私に見せていた。
あたし、一番好きなお菓子
チョココロナ
ねじれたとんがり頭のパンに
一杯につまった
チョコクリーム
時には頭から齧ったり
時にはお尻のチョコクリームから舐めたり
学校帰りの食卓に二個載っ ....
日付が変わる前、朋と電話で話した
コロナの{ルビ蔓延=はびこ}るご時世を
朋は、コロンブスの卵に喩えた
僕は、こんな時こそ{ルビ詩=ポエトリー}と云った

ここからがスタートライン
目に見 ....
僕は桜の道を歩いたのだ
家に帰る時 桜を見ているふりをして 
タワレコの前にCDを見に現れる 家に帰る時に
でも ああ 僕が歩いたことのある道を


僕は店の前に現れる タワレコの 
そ ....
真っ白なノート
何も無いスケジュール
空っぽの鞄
新品の靴

キラキラしているように見える
それらが
僕の背中を押した

ここから出て行く準備は
細かなスケジュールは

僕は最 ....
死んだ父が
殺された、という
名札をつけて立っている

その横をコンビニ袋に
かつ丼を入れた男が
実存の靴を鳴らして歩く

蛍光灯の下で
頭だけ照らされた女が
命について考えると
 ....
兵隊蟻の隊列
ポテトチップスの欠片

吹く風、生暖かく

蹴散らせ!踏み潰せ!

整然とした生の営み
獰猛な死への傾き

俺は天を仰ぐ
二本の巨人の足となり
生まれて今日まで
濃厚なキスさせて貰った記憶ない

どうせさせて頂けるなら濃厚がいいからさ

でも
キスって、させて貰うんじゃなくて
奪い取るもんなのかな

俺って軟弱な意思の
意 ....
後ろで手を組んで
足をそろえて
ちょこんと立つ女の子のように

春が遠くで見ている

少し
体を傾けて

小さく笑いながら
浅い春が
私の中に居る
いつからかずっと居る

浅い春は
爛漫の春になることなく
淡い衣のままで
ひんやりとした肌のままで
佇んでいる

(そのはじまりを
 浅い と形容されるの ....
 なんとなく思っていたこと

 論じてみよう

 ボディーシャンプーに押され気味です

 でもやっぱり石鹸じゃなきゃ

 そんな人と論じてみたい

 使っていると泡立ちが悪くな ....
わたしはさいきん
けずりぶし
いえ、最近じゃなく
常時そうなんです

ふりかけられては
振り落とされては
そこが あつかろうが
さむかろうが
おどっている
おどらされている
 ....
青いケーキはおいしいかい
寒の戻りだったよ 今日は

昨日も 勘が戻っていなかったし
競馬は当分自粛しなきゃね

昨日まで元気にぶーんぶーん やってた

ハエも自粛しちゃったのか
 ....
鉄を歩く
乗りもの置場の跡地
人は生きる
舌の根が乾く
抱きしめられたまま
父などは逝った
公民館に隣接している朝市で
複数のものを見る
入れるものがないのに
さっきからポケ ....
探すより探されたい想い一つ夜の灯りのしたにともる
ギフのシルエットがごはんのあとの毛繕いをしている
今日もひとりでいたわたしが死んでゆく
春になろうとしていることを目で捉え
そして触ろうとしたあなたの髪を
さらり、簡単すぎるほど軽くすり抜ける

ねえ、どうしてこんなにたったわたしの ....
人は真面目なのだ
長い文章を見ると
読むのが面倒だと思う
だけれど
誰もすべて読めなど言っていない
なので
一行だけ読んで
本を閉じた
すると
先生が怒った
それでも僕は
また一 ....
もう、行っちゃうの?
悪びれるふうもなく
出て行くんだね

ずっと
ずっとずっと
逢いたかった
昨日までのわたしと
おなじわたしに
戻るんだね

元気だしてって
いわれてもなぁ ....
月見さんのお葬式に行くために
月見さんと一緒にいる
彼女はただ薄目で虚空を見つめながら
静かに手をのばしている

僕は凪いでいる
泣いてはいない
晴れてもいない

月見さんのお葬式に ....
里山の風景
置いてきたもの
忘れたつもりの
うろこ雲

世界は
えまるじょん
溶けるものと
溶けないものと

愛したものと
愛したもので
愛するこの世を
生きてゆけ

 ....
クーヘンさんのおすすめリスト(665)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風の夜と雨の夜- 丘白月自由詩320-4-4
ビデオライブラリ- ナンモナ ...自由詩9*20-4-4
ノートを閉じてしまえ- こたきひ ...自由詩120-4-2
夕方- フユナ自由詩5*20-4-2
流行り病- かの自由詩120-4-1
通り雨- 佐白光自由詩1*20-4-1
どうだっていい- パン☆ど ...自由詩1*20-3-31
終雪や- 足立らど ...俳句1*20-3-29
書くために神経をすり減らしても- こたきひ ...自由詩320-3-29
言葉屋- おぼろん自由詩6*20-3-26
しあわせの四- 水宮うみ自由詩2*20-3-26
チョココロナ- 花形新次自由詩120-3-25
聖火_――二〇二〇年・三月二十四日――- 服部 剛自由詩120-3-25
桜とタワレコ- 番田 自由詩220-3-23
- 卯月とわ ...自由詩220-3-21
何時- 為平 澪自由詩920-3-20
巨人の足- ひだかた ...自由詩520-3-20
濃厚な口吸い- こたきひ ...自由詩4+20-3-20
ひなた- ガト自由詩10*20-3-19
浅い春- 塔野夏子自由詩4*20-3-19
石鹸を論じる- 佐白光自由詩2*20-3-18
けずりぶし- 唐草フウ自由詩8*20-3-17
寒の戻り- ナンモナ ...自由詩7*20-3-16
追悼その他- たもつ自由詩2*20-3-12
ギフと。- もっぷ自由詩120-3-11
甘いバターと春、或いは- みい自由詩820-3-10
面倒- きみのて ...自由詩220-3-7
風邪- 立見春香自由詩320-3-7
朝と- プル式自由詩720-3-6
センザンコウモリ- AB(な ...自由詩3*20-3-3

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