すべてのおすすめ
遠雷や深夜のシンクの銀のいろ
生きている時間が光る梅雨の雷
梅雨晴やギフはお家でお留守番
テーブルの上の湯気かな虹二重
風青しキッチンクロスを干して空
....
缶チューハイ二本で秋意の顔つくる
式部の実きらいだけれど愛してる
トナカイの隣に座るうちの猫
秋の蝶少女のごとくうずくまる
屋根のない自転車置き場冬支度
....
遠音とてエノコログサのそよぎおり
過去猫は覚えているか小鳥来る
一生をシャム猫として木の実落つ
みどりごの瞳の奥のほしづくよ
月さやか時計を捨てて丘で待つ
エプロンは空色でした秋の朝
小鳥来るメトロノームのその隣
港町夕焼け市場のレモン売り
十六 ....
夫が食器を洗ってくれている音がする
それを背中で聴いているのが好きだ
時々、夫は「よーしゃ」「うぉーし(ゅ)」と言う
それは私の心を思いきり健やかに笑わせてくれる
探すより探されたい想い一つ夜の灯りのしたにともる
ギフのシルエットがごはんのあとの毛繕いをしている
うちの猫は来月去勢を控えてる彼はそのことの意味を知らない
きらめいてなおきらめいてきらめいて有限の性を終えてからもなお
猫ならば性は失うものだとはどの教科書にも載ってなくても
....
午前五時わたしの横にはギフが居るあなたは今ごろどこの空のした
冬の野のポケットにいま入ります
彷徨い歩く
今日も
現の森を
消そうな歌声
蘇らせるために
でも 悲壮感は
希薄 なんだか
楽しい 遠足みたいで
スキップしたくなる
待ってい ....
雨降りの午後
日曜の午後
約束キャンセルの
電話が鳴った
私もキャンセル
したかった
とってもとっても
ちょうどよかった
雨降りのこころ
....
アンティークの囁きに耳欹(そばだ)てて
移ろった時代(とき)にこころ飛ばす
見も知らぬあの人この人
知らない異国のあの時代(じだい)この時代
これは紋章の刻印の入ったシルバーの ....
木犀のうすだいだいの花びらのなかからこぼれ咲いた秋の日
もう輝きは求めない
もうダイヤモンドは忘れる
もう光の中には立ち尽くさない
もう何も見ない 決めた
風が誘っても揺れぬ花
風が見初めても動じぬ娘
風が遊んで ....
こころを金庫に
預けて旅に出た
何も持たずに
こころも持たずに
ねこだけ連れて
出逢いの無い旅
知っている街
知らない顔
ねこだけ連れて
出逢いの ....
まだ名すら持たない子猫わが部屋に命一つを持って加わる
あの葉っぱ
棘だらけ
触れたくない
踏みたくない
遠くから 高みから
眺めていようか
お他者(よそ)の反応
痛まない人 見かけたら
訊いてみるんだ
....
すずめ すずめ 今日はどうだった?
餌(え)も満足 遊びも満足
素敵だね 素敵だね
仲間もみんな無事だったかい
毛沢東には やられなかったかい
夜の寝床は どこなのか こ ....
秋の蝶よしなしごとにしばられて