風にしたがう
空にかしずく
夜によりそう
日にひらかれる
そうして青山を
求めて歩く
それはおそらく
至るところにある
青山に立つことは
眠りか覚醒か
....
さいきん気づいたことに、
この部屋のちっちゃな冷蔵庫は、
ぼくのビールよりも君の野菜ジュースで
埋め尽くされている。
バルコニーのおっきな金魚の風船も、
ゆらゆら揺れているけ ....
揺らぐ感情も理性も
鼻歌でかき消された夜
音量を絞るほどに
主張は心に傷をつける
カーテンを閉めても
光は朝は告げるから
今夜は白湯で乾杯しよう
酔いが回れば
世界も私もど ....
なつかしいテレピンのにおいよ.。
生真面目な心臓に、手かせ、足かせ、口かせ、黒い皮紐。縛り上げて、食い込む、青空。青空に、ねえ、青空に、きみ、青空にさ、青空に磔にするんだよ、なんども、なんども、なん ....
鉄塔の影は魔女のワンピース
すき間だらけのその先で
カラスの影が口を開く
私の足もとで呪文を唱える
黄昏に現れたのは
救いを求める少女かもしれない
魂の尻尾がとても綺麗に見えた
もう魔女 ....
兎色の
小鉢にヌタ
白みそに
いかと
わけぎとを
あえた
もの
味見の
母の手が
ぴょんと
わらう
さあ、手を取り合って
踊りましょう
朝まで
ハイスクールは無期限のお休み
私たちを束縛するものは何もないわ
素敵なあの人に抱かれて踊る私
あの人が持っているものすべて
しっかり受け止めて ....
「今日から
ここで
空手を習います
それはとても
辛いことでした
私の中で整理したことは
たくさんあります
言葉を述べることが辛くなりました
そうしてたくさんの花冠を
君の頭に戴冠さ ....
君は コーラを買った
自動じゃないドアを
少し息を止めて押し開けて
その息を世界へ吐く
ペプシはなかったよ
自動車のドアは断絶だ
いつもそうで 今日もそうだった
コカコーラはうま ....
できることはもう全部やった。
青春の夢をおいかけてきた。
今、何がなくてもふと安らぎがある。
安らぎを得るためには何も必要ではないんだね。
それがはっきりわかってしまった。
....
寒い窓みとったら
みとったばかりの
顔が浮かんでくる
ずる ずる
おうどん おいしいかぁ
ええ音だして
ずる ずる
いわせやんなあかんで
泣く子も
泣き止み
すう すう
寝入 ....
お店にとってお客は神様だけど
神がかった提供をすれば
お客にとってお店が神様になる
子どもにとって親は神様だけど
神がかった能力を出せば
親にとって子どもが神様になる
人は総ての神 ....
仕事が終わった
一日の勤めから解放された
極寒の夕暮れ
車で家へ帰る途中
無性にカップラーメンをすすりたくなって
コンビニに立ち寄った
そこでカップヌードル一つだけ買った
それか ....
水に濡れたまま
雨にうたれている
妻が傘の下からタオルをくれる
いくら拭いても
濡れタオルだけが増えていく
妻は可愛い人
こんな時でも傘には入れてくれない
濡れタオル屋でもや ....
小学校にうさぎ小屋があった時代、少女していた。
アニメーションキャラクターに似せた前髪、宝箱で溶けてく紙せっけん。
春生まれは生まれつき体が咲いている。蕾んでる時間もなく滲んでて、体はいそ ....
私は奇形児
心まで針金で固定できると信じてる人間
私の醜い姿を山の仲間はどう思う?
ああ自然に自由に生きたい
私は奇形
私は奇形
こんな姿誰にも見られたくない
....
楓は老いることで色づくのだと知り
見事だと思った
去年の事
もののあわれといとおかし
桜より梅がいいなと思う
今日この頃
桜が咲 ....
ツイッターが落ちた。ツイッターはものではないので、手を離しても重力によって落ちることができない。それなのに、それでも、ツイッターは落ちた。落ちて、音もなく地表にぶつかり、跳ね返って、キラキラピンクのゴ ....
ゆきの降らない冬の日々
吊られたあらいざらしの
Tシャツはふるえていた
それはゆきを待つわたしのように
次第に乾いていく暖かい日差しのなか
磔刑にされしろくしろく待ちわびている
誰 ....
とてもちっちゃなテーブル
だけどぼくのテーブル
幼い日は僕のテーブルなんてなかったんだ
いまは大切なものをそのテーブルに展げたりして
東京下町大衆酒場ノ味
と銘打ったトーキョーハイボ ....
さみしい夜にはいつも君がいてくれた。
寒い冬でも君がいっしょなら大丈夫だった。
さして面白くもないことにも君は笑って、
さもありなんと僕はおもったりした。
さあ何をしようかと、いっしょ ....
オナモミのように世間にしがみつく奴
落花生のように自分の殻に閉じこもる奴
球根のように地に足つけて生きる奴
綿毛のようにふわふわと漂っている奴
その
遥か遥か上をトンビは飛んで
....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
紙に巻いた夜闇を吸い込むと
久々なので立ちくらみを起こす
街灯もない田舎
そこはもう「世界」ではない
こんな季節では虫も鳴かない
夏に気が滅入るあのざわめきも
今はない
じっとりとし ....
最後に泣いたのいつだったかな
思い出せないくらい
泣いてないな
赤ん坊は泣くのが商売
大人はやすやす泣いちゃいけない
男は人前でおろおろ泣いたら笑われる
最後に泣いた日忘れたな
....
野球の国際試合面白い日の丸背負い重そうな選手
スキー場夏は一面花畑客を呼び込むアイデアを練る
スキー場のレストランが有名にどの料理でも何処よりも美味い
歌を聴き耳に残った詞の一部強調 ....
ギター弾きが曲線のボディーを抱きながら
少し酔ったような眼で女を見ている
虚ろな瞳を漂わせて 少し狂ったビートで
弦をかき鳴らして
エロティックに悶え酔っている
それは魅せているだけ ....
鋭いつららを
振りかざしていた
独りよがりで
闘っていた
何かを傷つけたかも
しれないけれど
握ったつららは
やがて溶けていった
あなたの涙をビーズにして
空になった薬のビンにいれましょう
寂しいときは手のひらの
陽だまりにこぼしましょう
一つ一つ心に溶かせば
懐かしくて震えてしまう
今なら思う
涙でも幸せだっ ....
私の名は「ゼロワン」
このスキー場のゲレンデを
演出するゲレンダーです
一人淋しく
ペアリフトに乗る時は
さっと、隣に飛び乗って
心が凍える時間を与えません
一人激しく転んだ時は ....
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