静かなお堂で
ばらばらにされた体が
くるりくるりと再生される

経もなく
極めて無音

境地に至り
柘榴は美しく気高く
ぽてりと転がる

菩薩が私を触れる
菩薩に私が触れる
 ....
祖父の名前をふと思い出して
口にしてみると
聞こえてくる祖父の名前がある
祖父は他界する間際まで
新鮮な毛布にくるまれ
駆けつけた親戚たちは
その周りで酒や水を飲んだ
酒も水も飲めな ....
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた

)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
 ....
 北の国には幽霊船がいるという。誰もそれを見たものはいないが、晴れた日には沖合に蜃気楼のようなものが立ち上がる。それが幽霊船だという。幽霊船は千の魂を積んでいく。幼くして亡くなった者、戦争で命を落とし .... 目の前の
馬鈴薯と玉葱の炒めものは
たった一枚の皿であれ
時と所により
どれほどの幸いを、もたらすだろう
「背側側頭窓」からチーズケーキがみえる。
その表面にはいくつものき孔があいている。
が、たべてもおいしいだけで、孔の味は発見できない。
唇を重ねていたら冬の揺れ

喪を忘れ投函したの?叱られる

隙間から寒気も入る倦怠期

いさかいの後に沈黙息凍る

店先に売れ残ってる寒椿

地下にある喫茶の店へ冬籠る

寒く ....
のがしたくない つかまえて しまっておきたい

ひかりのはいらない はこのなかへ

ときどき ふたをあけて みて たのしむのさ

きにいったものを あつめ

とくべつなやつにだけ みせ ....
1

コミケの意味さえも知らずに、そこでは生身
のラムちゃんが見れると聞いたのもので。中
味も知らない冊子を所定の場所にドンと置く
と、待ってましたとばかりに、とは言え、一
言 ....
車を買おうと思ったが
高くて手が出ないので
ジョウロを買うことにした
どこのホームセンターでも売っている
水色でプラスチックのやつ
軽くてなかなかいい感じだ
私は徒歩で出勤することに
せ ....
家に帰ると
母がひとり
猫背になって
ゲームをしていた


この部屋に
子供が集まって
みんなでゲームをしていたなって

なんとなく思い出し
急に泣きたくなった
不老の薬
不死の薬

もし開発されてしまったら

それ以外の薬はきっと売れなくなるだろう

病院は閉鎖されて
斎場も葬儀屋も墓地もこの世界から消えてなくなるに違いない

そうなる ....
プレパラートと実験室
ハサミの形をしたコウモリが
逃げ出した。
そいつは
闇に馴染みながら、
すいすいと夜を裂いた。
研究者たちは
議論するばかりで
探し出そうとは
しなかった。
 ....
風が語りかけます
という詩的なフレーズからも
白い饅頭しか連想できない
埼玉県民の悲しき性に
想いを巡らせつつ
北風に逆らってペダルを漕ぐ
世の中とちょっと
気が合わないだけの今日
けんけんぱらん
けんぱらん


みぞれ落つ昼

とんとんとんとんとん


だれもいないやね走る


甘いお茶
ちっとも

おもしろくない午後だったのに

いま ....
 
愛ゆえに

あなたを、許さない

そんなわたしを、許して


 
彼女の股間に棲む生き物
その名称を公に口にしてはいけないルール
文字にしてはならない決まり

誰が決めたか知らない

知らないけれど守らなくてはいけない
暗黙の了解を経て今ここにいたる
 ....
どうでも良い人は傷つけないのに
いちばん大切な人に傷つけてしまうのは

いまの

の使いかたがおかしいとはおもうけれども
そこは

でいこうと思う

なんども繰り返して
繰り ....
角刈りの雲が流れていく
左折すると見えなくなったが
あれは建物などでは決してなく
夕空をゆく
角刈りの角刈りの角刈りの雲であった
うちの猫は来月去勢を控えてる彼はそのことの意味を知らない


きらめいてなおきらめいてきらめいて有限の性を終えてからもなお


猫ならば性は失うものだとはどの教科書にも載ってなくても

 ....
ブス核爆発を三回言って

ぶすかくばくはつ
ぶすかこばくはつ
ぶすかけばこはつ

くそーっ、むずいなー
もう一回だ!

ぶすかこ、ダアッ、ダメダーッ
ねない

ねむらない

ねたら あしたがきてしまう

ねむったら いちにちが はじまってしまう

うれう ひとりの よるの しずけさも

けんそうに まぎれ けされてしまう

 ....
僕は夜明けをあまり知らない
けれど夕暮れならたくさん知っている

薔薇いろから菫いろへとグラデーションする夕暮れ
金色の雲が炎えかがやく夕暮れ
さざ波のような雲が空を湖面にする夕暮れ
不吉 ....
31
そのときはじめて
おじいの顔つき変わって
おかえりいいうた気がした


32
なあんお前
それぐらいのボルト交換もでけへんのか
飯は喰ったんかいな


3 ....
そこにいて、あそこにいて
あちらにもこちらにもいる夕ぐれ
夕まぐれ、ぽつりと川の中洲に
陽が落ちている、ぽかんとしている

誰もが知っていて誰も知らない
歌を烏が知らないよ、と歌う
なん ....
未来日記(2020年1月13日)

見あげれば(見し人)おぼろに竹林のみち

宮沢賢治も好きな林檎と言えば、青森県産が有名。

ブックメーカーに寄ると2020年1月13日の
全国高校サッ ....
ジャズを聞きながら
君に手紙を綴っていたら
知らぬ間にアルファ波が
出ていたらしい

気がつくと
時計の針の30分が
あっという間に過ぎていた

願わくば
退屈で長い1日よりも
 ....
今日も
なすのぼけ雑炊が
ひなたにおる
雨みたいな顔して
途中のことが思い出せないから
今があやふやになって
こんなに寒いのに
ガラス越しの太陽が照ってる
あったかいからちょっと
ガ ....
太陽光線
待っていた
太陽光線を
願わくばその明るさで
私の全人生を照らしてくれ
太陽光線とは先生
私の人生を照らすのは
先生の思想と哲学と行動なのだ
目覚めるような文章や言葉が書きたかった
今という記憶に埋もれた感性を呼び起こすような
『嗚呼、そうだったね』と涙するような
春の中に芽生えた秋を育てるような
そんな言の葉を 今も
クーヘンさんのおすすめリスト(665)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ずっと繰り返されていた- 秋也自由詩1*20-2-1
祖父- たもつ自由詩2*20-1-31
呑まれる- ひだかた ...自由詩820-1-29
幽霊船- おぼろん自由詩4*20-1-29
昭和二十年、或る夏の夕餉- 服部 剛自由詩1020-1-28
ヴェロキラプトル- ナンモナ ...自由詩6*20-1-27
邪推の- こたきひ ...俳句220-1-25
箱職人- 墨晶自由詩1*20-1-25
Egg-Lab-Mates- AB(な ...自由詩9*20-1-24
ジョウロ出勤- やまうち ...自由詩1*20-1-24
ファミコン- ガト自由詩4*20-1-23
作用と副作用- こたきひ ...自由詩320-1-23
[:urban_legend- プテラノ ...自由詩420-1-21
今日風- Tsu-Yo自由詩420-1-20
記憶- タオル自由詩320-1-19
愛ゆえに- 殿上 童自由詩5*20-1-19
詩にしてどうするの- こたきひ ...自由詩420-1-18
いちばん- 次代作吾自由詩220-1-18
角刈りの雲- mmnkt自由詩220-1-17
屋根の下のギフ- もっぷ短歌320-1-16
早口言葉- 花形新次自由詩120-1-14
ねむらない- たいら自由詩320-1-14
夕暮れ見本帖- 塔野夏子自由詩5*20-1-13
フラグメンツ_カタログNo.31~60- AB(な ...自由詩6*20-1-13
日暮れに口をあけてる- 帆場蔵人自由詩5*20-1-13
りんごジュース(即興ゴル投稿、タイトルこうだたけみさん)- 足立らど ...自由詩120-1-12
純粋な時間- 服部 剛自由詩820-1-11
なすのぼけ雑炊- 次代作吾自由詩120-1-11
先生の哲学は太陽光線- 渡辺亘自由詩120-1-10
目覚め- きみのて ...自由詩3*20-1-10

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