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ざわつく心は
秋の訪れとともに目覚め
不安な心は
闇夜とともに広がる

落ち着きを知ることのないこの動悸は
はけ口を求めて高鳴り
救いの手を求めてもがきはするけれど
空ばかりをつかんで ....
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人であると知る
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人ではないと知る
ある日
同じひとりの人が

そんなふり幅で
弦も響いて
からっぽだから余計に ....
なにも見えない
いいとこなんて見てない
そんなとこ見なかった
葉月。の海月から、棘言葉を聞いた。


雨水が海面を打ちつける、
飛び込み方、を間違えれば、打身。

そんな海原をみてい ....
虹の根元を今日の夕暮れ初めてみた

輝く太い白柱、虹の弧を支え
余りにリアルなその立体の佇まいに
遠い遠い常世から
       繋がり報知する
   そのサイン 
確かに見事に聳え立ち ....
詩を書く
死を嗅ぐ
初秋の空
ぽっかり
青仰ぐ蒼
鬱屈狂気
吐き出し
開く天蓋
陶酔境地
記憶喪失
漆黒の宇
未知の途
迫る獅子
詩の死の
洗礼浄化
入水浮上
起死回生 ....
腕に生ぬるい風が

夏の叢に虫の音が

頭に響く星のこえ

秋の煙を幻視する


過ぎていく

一年が

三年にも十年にも

万年にも光年にも

思える

還って ....
お婆さんが倒れて
救急隊員がやって来る
喫茶店で
我々はがらくたを注文した
ても子伯母さんが居た
てく一伯父さんも居た
てくいち伯父さんは歯が再び生えて来たようだ
三階の部屋の明かりは付 ....
好意の正体を
私は知りたい
最近は
持ったことすらない

一緒にいたいと思う気持ち
寄り添いたいと思う気持ち
かなわないなあと思う気持ち
まあ
それもいいかなって

何も教えてく ....
北のミサイルとホリエモンのロケット

どちらが安全なんだろう

爆弾がはいっていないなら

ホリエモンのロケットのほうがやばそうだ


幹線どうろの青信号

過ぎようとする刹那
 ....
晴れた朝は
自分に似つかわしくない
そんな自己嫌悪から始まる

今日一日をどうやって過ごすか
考えるだけで憂鬱になる

強過ぎる陽射しが疎ましく
外出予定さえ取り消したくなる

い ....
打ちひしがれる
悲しみに
打ちのめされる
悲しみに
ただ悲しくて
ひたすらに悲しくて
寂しくて
泣き出したいほどに
切なくて
こんな悲しい夜に
月は輝く
その仄かな明かりが
余 ....
あなたの膨大な時間と作品に

あんまり僕の人生が仕舞い込まれているもんだから

僕はじぶんの人生の先頭にたって呆然とするしかありません

あなたの作品だけでこんな感じになるのですから

 ....
人はみな明日がくると   
思っている

たがその未来は      
不確定だ

何が起きても       
おかしくない未来がある


死神の 
姿はみえなくても

その足 ....
断捨離中に父の写真を見つけた
捨てようと思ったが
写真の笑顔が余りにも清々しいので
躊躇してしまった

生きていた時は色々あったが
こんな風に笑う人だったのかと
今頃気がついて 少し胸が ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
自分が思うとおりに
まわりも見てくれると
安心なんだけれど
思っている自分と
見られている自分との間に
大きなズレがある場合は
混乱するのではないだろうか
例えば
まわりの人たちからは ....
どこからもとおくの
きみの手足をゆらす風の音
あめの、
裂いたひかりをまねる
キュービック

点をつないで
線をえがいて、それからの
ことは
どうだってよかった
ひだりの
 ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
あれは化石の街だった
すべてが固まって
ぼくは言葉を失ってしまった
ある漁師は寡黙に作業をしている
ラーメンを啜りながら
海辺の波をみたら
視界は空を広げ
腕の血管のボルトを力いっぱい絞 ....
詩情さえ
なくしていいと思っていた
このコンクリートの延長線に
あなたはいない
ひとりをなくした
世界のようなひとりを
なのに今夜は
少し明るい
月見草が咲いていて
私は詩を書い ....
口の中で消された言葉を想像してみて
私が貪り食ったホットドッグの
無味乾燥さを自分のせいにして
ドロリと、横たわる布団の上

死にたいって、嘯く詩人の戯れ
私は、
私は結局それだけを拠り ....
甘美なる赤い香りは
蒼い花を征服して
空間に調和という時間を与える

香水の飛沫
ヒステリックに飛び散る夜
叫びは歌とは違う
言葉が一つ捨てられている

孤独な人は名前を持っているの ....
響きが立つ
 色が立つ
  輪郭が立つ
   知覚が立つ
広がる意識 何処までも

壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
わたしは喜びに満たされ
壁の響きを聴く
 ....
風呂のジャーが爆発する
扉が爆発して
物置が爆発する
戦場だった南側
ガジュマルを観賞した後だった
手帖を読んで居ると
宇宙の田圃でエンジンが鳴る
宇宙から見る那覇市が美しい
笑まい、 ....
月の見えない夜に川岸にいる
水面にはさかさまの空が微かに映っていて
まるで鏡の世界にいるみたい
水の音に耳をすませば
鏡の向こうから声が聞こえた気がした
月は、地上から見えなくたって雲の ....
わたしが
単に私で在る
時、
わたしは世界の一点
世界を占有せんと世界に挑み
わたしは限られた一点に住み込み
限られた一点から世界を眺める
(どけ、そこは俺様の場所だ!)

わたしが ....
削ぎ落とす
底の底に行き着いた今
削ぎ落とす
要らない脂肪
要らない欲望
要らない思い

もぐら叩きだ
底の底で
削ぎ落とす、また削ぎ落とす

私が在る処の私で在るために
私が ....
脱出できずに苦しんでいた時もありました
声を出して 逃げ出した朝もありました

何時だって 
起き出して 打ち震えた瞬間に
支えてくれる腕に 
安堵の溜息を
漏らしていた気がしていま ....
混沌として揺らぐ相変わらずの朝を
秋の気配含む涼風吹き抜け
見上げれば青い青い天空広がる

宇宙の時流は淀みなく静かに進み
混沌の中に律動を見い出した私は
この己産まれた九の月に
思い新 ....
白い羽根のような雲がゆっくりとほどけ
ひとつの比喩が影を失う
意味からやっと自由になった娘らを
解釈は再び鍵をかけ閉じ込めようとする


ああ自己愛
鏡の中にしか咲かない薔薇よ
瑞々し ....
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