ギターを弾きながら
ぼくをあなたは外に誘った
可能性なんてなかったのに
あなたはギターを弾きながら
ぼくを見上げて微笑んでいた
たぶんディープロンググッバイ
ふ ....
鮮明に思い出せるのは一面に広がる花畑
降り注ぐ陽射しの中で貴方と恋に落ちた
永すぎる時間の中で数え切れない思い出を刻んだ
素晴らしい人生だったと胸を張ってそう言える
だから、私が私であ ....
白か黒か
光か闇か
天国か地獄か
決めるのは誰だ
進むか止まるか
拾うか捨てるか
攻めるか守るか
決めるのは俺だ
勝つか負けるか
....
深く眠って目覚めた朝のゆびさきは
少しまだ透明がかって
夜が
見えかくれしている
動いている心臓は赤い磁石
覚醒してゆく時間に
わたしのかけらを
元在った場所に吸い寄せて
願っ ....
穏やかに白く
少しだけ痩せた面持ちで
たなびく蒼い雲よりはるか
高くに在って潤むもの
この想い捉えて放さず
冬枯れた枝のすがる指先逃れ
軌跡すら残さずに
やわらかな光秘め沈黙の
あらゆ ....
キミが折った舟が
わたしを載せて
すべるように小川を下る
冬にさしかかれば
時間が凍らないようにと
祈る
どこへ向かっているのか
きけばよかった
それはたぶん大切なことだったのだと
....
『言葉を免罪符にするな、もっと尊べ。』
中学生のとき読んでいた本に出てきた一文だ。
十年たった今も、なぜか心に残っている。
そしてふとした瞬間に何度も思い出すのだ。
....
平坦な日々の 激しい時間は
誰の心だって傷つける
忘れてしまうしかない悲しみを
心にため込んで生きている
だから思うんだ
もっともっと自分を許してあげて
もっと自分を褒めてあげて
....
ノミは無限へじゃんぷするが
コップに入れて、蓋をすると
そこまでしかとばない
人よ、自らの頭上の空の
ひろがりに
蓋をする{ルビ勿=なか}れ
オセロしてその奥深さに驚いた単純だけど難しくもある
じゃんけんに負けてばかりで勝ちがないそんな一日あるかもしれない
隠れんぼ誰も見つけてくれなくて眠ってしまい気づけば夕闇
枝豆がビー ....
泥酔したいな。
一瞬たりとも正気でいたくない
虚ろでいたい
ぽやぽやしてさ。
何も考えたくないの。
なぁんて
やらないけどね
思うだけだよ
本気でだけど
感情が入り混じって危険になったら
ただ早足でバッティングセンターに行く
やる気のない店員のタバコふかしながらされた挨拶も
今は見えていない
コインを入れて
120Kmで30球 ....
職人がいなくなったと
言い換えても良い
伝統工芸の話だけではない
ものづくり全般
仕事全般のことだ
いくら機械化が進んだって
標準化が進んだって
根っこは人なんだぜってこと
職 ....
ことばが寒さから抜け出し
たいようを追いかける夜に
睡眠剤をウイスキーで呑む
景色はしろく記憶だけ鮮明で
墨汁で色濃く書いた文字さえ
どこか儚い冬のきろくになる
突然の ....
声のない悲鳴が、聞こえる
音のない悲鳴が、聞こえる
ここは静かだ、俺は一人だ
ビルは建っている
笑っている人もちゃんといる
駅前はちゃんと再開発が進んでいる
だが聞こえる
悲鳴が聞こ ....
僕たちは、また新しい朝陽に出会うだろう。
僕たちは、また新しい夜空に出会うだろう。
僕たちは、また新しい言葉に出会うだろう。
僕たちは、また新しい自分に出会うだろう。
僕た ....
わすれそなこと
わすれへんて
ようゆうわ
ひらめいて
これやがなゆうて
さんぽやった
な
加速度て
正も負もあるんやな
わすれたいこと
わすれへんても
ようゆうわ ....
薄いヴェールを剥ぐように
私にしかみえないものを探
している。私はどこにいる
のか。既知の街が未知に見
えるほどこの手に握りしめ
た切り札は擦りきれてボロ
ボロだ。この街はいつも雨
に濡 ....
あの日、貴方が見せた笑顔は優しさそのものだった。
あの日、貴方が零した涙は悲しみそのものだった。
あの日、貴方が褒めた私は嘘そのものだった。
あの日、貴方がくれた温もりに気付けなかっ ....
平凡であることは難しい
目立たず
人並みで
静かな幸福
それはおそらく
種の存続をかけた
ひとつの才能なのだと思う
私の仕事は「ぬ」である。
なぜ「ぬ」が「わ」だの「た」だの「し」だの「の」だの「こ」だの「濁点」だの「と」だの「は」だの「かぎカッコ」だの使いやがるんだ、とおっしゃるかもしれないが。それは貴方に ....
僕は今日も生きている
理由はわからないが今日も生きている
明日はわからないが
今日も生きている
オギャア!と産まれてから
ずうっと生きている
よく生きてきたなあ!
あと何日生きるかなあ! ....
題名のない詩には、名前がありませんでした。
題名のない詩は愛されました。題名がないというだけで、読者にとっても、作者にとっても、なんだか特別になるからです。
題名のない詩は、名前が欠けているという ....
労働というものは
自然界のように複雑で
神秘に満ちている
今日俺は法務省人権相談窓口に行って
パワハラの件など相談してきた
ところが法務省というものも
労働と等しく複雑で
不可思 ....
秋の横顔は
暮れる空を向き
旅立ってゆく鳥の影を
ただ見送っている
あなたも早くお行きなさい
手遅れにならないうちに、と
バスは来た
回送だった
けれどいったいどこへ戻るというのだ ....
白い湯気が十二月の肩をやんわりと叩きます
あとでお疲れ様でしたと
家内の肩でも揉んであげようか
大晦日が近づいてもゆっくりとしていられず
首から上はいまも世間に見られている気がする
....
仕事もテストも駆け引きも
さいきん連戦連敗だ
もう少し若ければ
人生を投げ出してしまいそうなくらい
生きてきた自信かごう慢か
叶わないことに慣れてしまったってことか
....
たまに全てが幻だったかのような
ふわりとした感覚に包まれる
部屋の隅に置いてある
明らかにひとつ趣味の違うクッションが
あなたという日々を確かなものにする
寝起きがすこぶる悪く
....
伝えようとした
なんども 白い指先が
――風のすべり台
すばやくくぐって
冷やかさ
保てず
触れるや否や
潤みほどけ
数えきれな ....
イージーオープンがイージーでない
ひとり笑って寒くなる
目が覚めてすぐ目が西陽にやられて
ちかちかしながら
インターネット動画を見続ける
朝ごはん昼ごはん晩ごはん
昨日の夜も風呂に入らなか ....
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