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穏やかに白く
少しだけ痩せた面持ちで
たなびく蒼い雲よりはるか
高くに在って潤むもの
この想い捉えて放さず
冬枯れた枝のすがる指先逃れ
軌跡すら残さずに
やわらかな光秘め沈黙の
あらゆ ....
伝えようとした
なんども 白い指先が

――風のすべり台
    すばやくくぐって

  冷やかさ 
    保てず

      触れるや否や
   潤みほどけ

数えきれな ....
意識はふくらみ 肉体から浮き上る
こどもの手に握られた風船みたいに
実体のない 軽すぎるガスで ぱんぱんになった
自我――今にも破裂しそう(でなかなか破裂しない)
が 明後日の風に弄られる
 ....
水面から突き出し露わにされた
見えざる岩の 固く 鋭い突端
流れを切り裂いて
空間を満たしとどまることのない
               行進を
                ただ白く  ....
手稲山の頂辺りに白いものが見える
――書置き 今朝早く来て行ったのだ
見つめる瞳に来るべき冬が映り込む
雲間の薄青い空
氷水に浸した剃刀をそっと置かれたみたいに
張り詰めて でもどこか 痺れ ....
{引用=ひび割れ}
雨音は止んだが
雨はいつまでも
乾くことのない冷たい頬
満ちることも乾くこともなく
ひび割れている
  悲しみの器



{引用=天気雨}
泣きながら微笑むあ ....
煽り煽られ踊る火に
鳴りやまぬ枯木林の
奥の奥
紅蓮の幕は重なり揺れて
熾の{ルビ褥=しとね}はとろけてかたい
静かに 微かに 
波打つ青い心臓のよう
円くなって まどろむ
火蜥蜴は涼 ....
音楽が辺りを小刻みに震わせる時
からだが先に踊り出す人
静かなうねり 心地よい慣性
グラスの中のブランデーのように
心は 甘く揺らめいて


音楽が辺りを小刻みに震わせる時
暗い片隅に ....
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人であると知る
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人ではないと知る
ある日
同じひとりの人が

そんなふり幅で
弦も響いて
からっぽだから余計に ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
白い羽根のような雲がゆっくりとほどけ
ひとつの比喩が影を失う
意味からやっと自由になった娘らを
解釈は再び鍵をかけ閉じ込めようとする


ああ自己愛
鏡の中にしか咲かない薔薇よ
瑞々し ....
影かすめ
   ふり返り  だれも


――夏よ
荒ぶる生の飽食に晒された{ルビ石女=うまずめ}よ
あの高く流れる河を渡る前に
刺せ わたしを
最後に残った一片の閃光をいま
仰向けに ....
まだ強い日差しを俯く花のように
白い帽子で受けながら
歩道の向こう
小柄な婦人が歩いている
ゆれるバッグの中で
小さな鈴が歌っている
{引用=――しゃらん しゃららん}
たったひとりの{ ....
  乱雑に積まれた古本の階段をうっかりと
 踏み外して雪崩る時間
目眩き
感光した 
 若き夏の日の窓辺
   白く濁る波の音 
         瞑り流されて
     大好きだった  ....
雨色の絵具
乾かない涙と癒されない傷のために
散り果てた夏の野の花を
鎮魂に疲れ果てた大地へ捧げる
生者の燃え盛る煉獄へ
死者を捉えて離さない
空砲の宣言と
紙で織られた翼のために
憤 ....
キーボードの上で
テントウムシが{ルビ触覚=おぐし}を直している
ENTERの右の
7HOMEと8←との間
溝にハマった姿勢だが
寛いでいるようにしか見えない

{引用=どこから とか
 ....
海は想う
 「わたしを包み込むこの方は誰?
 凪いだわたしを優しく撫で
 荒れ狂っても受け止めてくれるこの方は


空は想う
 「ちょいと撫でりゃこの通り
 吐息一つで身をよじりやがる ....
真昼の光の深層
魚のような身のこなし
リズムゆらめく角度から
乾いた{ルビ鼓膜=スネア}くすぐるブラシ


目蓋の裏を青く引っ掻いて
一匹の夜が踊り出す
はだけた胸
地を蹴るつま先  ....
白い蝶 光の眩暈
追って追われて
追われて逃げて
見えない糸が絡んだように
もつれてはなれ
はなれてもつれ
火照った空気に乗っかって
この夏の向こうへ


恋と憎しみは良く似ている ....
{引用=*名を呼ぶ}
名を呼ぶ
ここにいないあなたの
井戸へ放った小石のように
真中深く 微かに響き
瞑っても
抱き寄せることはできず 
こみ上げる揺らめきの 
糖衣はすぐに消えて
 ....
炎天下
  暗転する

極めて正直な
光の圧に屈服

発汗 溶解した エロチシズム

レイバンをかけたロダン
    考えない人たち

        薬指に カラスアゲハ
  ....
滲む濃紺のシルエット
おくれ毛ぬれたその耳を塞いで
いたのは 誰の声だったのか

小さな手から逃げ出した
風船は 空いっぱいにふくらんで 
音もなく 破裂した 大人びて寂しい

始まり ....
書き連ねたその名が
細波となって 寄せては返す
好きだ 好きだと 漏らした声
海に降る雪 静かに跡もなく


わたしは溶岩
死火山の 抜き盗られた{ルビ腸=はらわた}
灰の伝道者だった ....
死の天使は軽妙がいい
悲壮は生にこそ相応しい
諦めもある一線を越えれば解放だ
概念だけの救いなんて幽霊にも劣る


仔犬のように震えている
不安の口に手を突っ込んで
ズルリっと裏返し  ....
{引用=*小樽カントリークラブ}

空は灰 まだらに吠え
泥めく海 見渡すかぎりの獣
分厚い風を羽織り
霧雨でぬれた頬
それでもゴルフ
おそらく
たぶん
見るからに
上手くはない老 ....
青い裂果 
   光の手中に墜ち


さえずる鳥 ついばむ鳥
文字へと変ずるか 黒く蟻を纏って


大気に溶けだす肉体は祈り
小さな動物の頭蓋のよう
未満の種子 生を宿すこともなく ....
その美の真中に隠された荒野に
どうか 花ひとつ
植えるだけの土地を譲ってくれませんか

血の滲んだ足を隠して走り続ける旅路のどこか
ほんの一歩か二歩
見守る場所を許してほしいのです

 ....
{引用=どうかあなたという揺るぎない現実に対して
絵空事のような恋情を描くわたしを許して下さい
これらの時代錯誤で大げさな言い回しは
詩人気取りの馬鹿な田舎者がそれでも言葉だけ
精一杯めかし込 ....
生まれ持ったもの 遺伝だろうか
あるいは環境 日陰育ちなのか

わたしの扱い方が悪かったのか
つい荒々しく掴み 力任せに――

その瑞々しさとは裏腹 なんという辛口!
泣いているのは わ ....
がらんどう
でなけりゃ鳴らない
灯りはいらない
隙間から射し込む程度
《{ルビ外面=そとづら}はいつだって焼かれているさ
がらんどうで
鳴かねばなるまい


万華鏡を回す要領
青白 ....
星丘涙さんのただのみきやさんおすすめリスト(70)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大晦日の空に- ただのみ ...自由詩17*17-12-31
嘘の種- ただのみ ...自由詩14*17-11-15
極めて人間的- ただのみ ...自由詩15*17-11-8
流時紋- ただのみ ...自由詩18*17-11-4
白髪の朝- ただのみ ...自由詩14*17-10-18
秋の雨/感傷として_五編- ただのみ ...自由詩17*17-10-14
サラマンダー- ただのみ ...自由詩15*17-9-27
音楽が辺りを- ただのみ ...自由詩12*17-9-23
ふり幅- ただのみ ...自由詩11*17-9-13
風の痛点- ただのみ ...自由詩18*17-9-6
さてどうしよう- ただのみ ...自由詩9*17-9-2
夏石女- ただのみ ...自由詩14*17-8-30
小さな鈴- ただのみ ...自由詩13*17-8-26
ある感覚の喪失- ただのみ ...自由詩4*17-8-16
生者の鎮魂- ただのみ ...自由詩11*17-8-14
真夏の夜の夢の手前- ただのみ ...自由詩13*17-8-12
じっあーつ- ただのみ ...自由詩9*17-8-9
リズム- ただのみ ...自由詩6*17-8-5
去来蝶- ただのみ ...自由詩13*17-8-2
おかし詰め合わせ- ただのみ ...自由詩18*17-7-29
この夏へ捧げる- ただのみ ...自由詩9*17-7-26
暮れないまま- ただのみ ...自由詩16*17-7-15
忘我のプラトニック- ただのみ ...自由詩12*17-7-8
絵ソラシドう?- ただのみ ...自由詩3*17-7-5
海辺のカソカ- ただのみ ...自由詩7*17-7-1
青い裂果- ただのみ ...自由詩16*17-6-24
花ひとつ分の土地- ただのみ ...自由詩13*17-6-14
ミューズへの恋文- ただのみ ...自由詩9*17-6-10
白いふくらはぎ- ただのみ ...自由詩8*17-6-7
がらんどう- ただのみ ...自由詩13*17-6-3

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