開く宇宙
ひだかたけし

響きが立つ
 色が立つ
  輪郭が立つ
   知覚が立つ
広がる意識 何処までも

壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
わたしは喜びに満たされ
壁の響きを聴く
ルゥルゥルゥ
響く壁
ルゥルゥルゥ
わたしは驚き呆然として
響きに合わせ
壁の白
輝き剥がれ
宙に舞う
発光している
白 白 白
白の乱舞だ
紙吹雪
ルゥルゥルゥ
響きに充ちるこの時空を
紙吹雪のごと白輝く
わたしの意識も白に染まり
合一する合一する
壁も白も私も
流動する時空に注ぎ込まれ
ルゥルゥルゥ
響きの木霊はもう止まらず
わたしのなかを熱巡る
原初の激しい熱巡る
穿たれる百の千の眼の合図
熱光となり宇宙を開く

      響きが立つ
     色が立つ
    輪郭が立つ
   知覚が立つ
広がる意識 宇宙の果てまで






自由詩 開く宇宙 Copyright ひだかたけし 2017-09-05 21:13:04
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