開く宇宙
ひだかたけし
響きが立つ
色が立つ
輪郭が立つ
知覚が立つ
広がる意識 何処までも
壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
わたしは喜びに満たされ
壁の響きを聴く
ルゥルゥルゥ
響く壁
ルゥルゥルゥ
わたしは驚き呆然として
響きに合わせ
壁の白
輝き剥がれ
宙に舞う
発光している
白 白 白
白の乱舞だ
紙吹雪
ルゥルゥルゥ
響きに充ちるこの時空を
紙吹雪のごと白輝く
わたしの意識も白に染まり
合一する合一する
壁も白も私も
流動する時空に注ぎ込まれ
ルゥルゥルゥ
響きの木霊はもう止まらず
わたしのなかを熱巡る
原初の激しい熱巡る
穿たれる百の千の眼の合図
熱光となり宇宙を開く
響きが立つ
色が立つ
輪郭が立つ
知覚が立つ
広がる意識 宇宙の果てまで