海路
レタス

あれは化石の街だった
すべてが固まって
ぼくは言葉を失ってしまった
ある漁師は寡黙に作業をしている
ラーメンを啜りながら
海辺の波をみたら
視界は空を広げ
腕の血管のボルトを力いっぱい絞めて
また歩いて行こうと思った
クリニックは遠くて
とぼとぼと歩くと電柱のヤモリが笑っていた

その柔らかさを指にとどめて
腕の血管を絞めて
生きていたいと思っていた


自由詩 海路 Copyright レタス 2017-09-06 18:37:36
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