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あなたは針で
わたしを刺していった
はたちきっかりでいったあなたの
のこしたことば
いくど読み返したことだろう
「あなたにわたしを息づかせるよ」
あなたを愛で殺してしまっただれか
....
みんなイイネなんか押してないで
詩でも書けばいいのに
似てるなにかに頷かないで
ちょっと違う!って叫べばいいのに
秒速5センチメートルみたいに
青春に恋はしたけど
....
だめだ
もうだめだと思いながら
それでもまだ生きながらえている
この鼓動は止まることがなく
呼吸が止むことなく
陽の光を浴びて幸せを噛みしめる
気を失ってしまいたいと切望し
なに ....
三月の終わり静かに雪原を食むもの
山々はうたた寝
雲の枕に青い敷布
芽吹く前の樹木が苔のように覆っていた
――チャコールグレイに粉砂糖
それもあっという間に銀のしずく
いくつもの涙が一つの ....
○入院したらよくわかる
生死は
本来表裏一体なりと
1日1日が
貴重な1日であったと
よくわかる
○初入院生活
もっといい詩が書けるよ
と友に励まされる
○入院すると
重い ....
針穴に糸が通った遠い日から
ずいぶんいろんなものを縫ってきた
時には
縫われることを嫌って
ぴちぴち跳ねて
てんでに海へかえってしまう布もいたけれど
人の営みのかたわらに
一枚のぞう ....
生まれてきてからこれまでの
血の成長を袋に詰める
明日には収集車が焼却場に運んでいく
つい最近知り合ったばかりの
知遇を本棚にきれいに並べる
いつの間にか本棚はいっぱいになった
拠 ....
町
花弁
サファイア
大地が鳴ってる
静けさ聴こえる
どんな時にも祝福を
憎悪ではなく祝福を
死の間際こそ祝福を
大地が鳴ってる
静けさに耳傾け
底の底から湧きあがる
生きて今在ること、
共鳴する ....
潮風を浴びている
白い丘
黒い岩肌、
なめらかな、
すべるように飛ぶ鳥の
くすんだ青の骨
、風に中指をのばす
調律師はもうなにも
弾かなくても、それが見えた
やさしい音楽 ....
こみ上げる想いに潤むひとみのように
雪はこらえにこらえて雪のまま
朝いっぱいに流れ着いた三月のある日
外に置かれた灰皿の傍 四人の男が並び
みな壁を背にして煙草を吸っている
見知らぬ ....
ゴミ捨て場に群がるカラス
性質の悪い笑みを浮かべる人間よりは 美しい
羽根が 七色に染まる度 描く曲線は
一度 空へと舞いあがり
再び 地上に 降り注ぐ
天使の梯子のよう
細や ....
窓辺に座って目の高さの夜桜を眺める
春霞の空は街のひかりを吸って灰色に濁っている
額にあたる風が花びらを舞わせている
涙のようだ
あのときわたしが流した涙のようだ
涙はし ....
その場しのぎでかけたほうきのあとが
際だたせているホコリの存在
誰もいない教室で
立ち尽くしているあの子が
完璧な掃除をめざすことは
もうない
ちょうどいい汚れを残した部屋で
綺 ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から
魚を、逃がす
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
....
星ひとつ 星ふたつ 静かに尽きる夜
キリンは街をさまよい歩く
まっすぐな線がまだいくつも
引かれていない 幼子の 夢の灯を
螢の群れる木のように 揺らしてそっと
キリンは ....
このメールを打ちながら
ほんの少しあなたは微笑んだのだろう
ありふれたジョークのような
たった二行から
一滴零れた微笑みが
ザクザクの雪解け道をよろけながら歩いていた私の
胸の底にぽたりと ....
黄金の虫が
炎に包まれ
檻の中から
飛び立った
見学していた
子供達の間から
歓声が上がった
黄金の虫は
ドーム状の
天井近くまで
舞い上がり
ふらふら堪え揺れ
すっと力尽 ....
あの陽だまりに置き忘れられた深い裂け目
おれの胃袋はもう紫色の朝へ停泊していた
窓から女が見えた裸のまま
微笑んでいた カメラの前みたいに
ブラインドが降りるまでの一瞬だった
おれはその一瞬 ....
目覚ましが鳴る
私の眠りが破られる
また目覚ましが鳴る
私の眠りが破られる
いったい何度目覚ましは鳴るのか
私をどんな眠りから
どんな目覚めへと連れ出そうとして
目覚ましは鳴るのか
そ ....
呼ばれ
現われ
戻れなくなったものたちが
一心不乱に花を愛でている
なびくはずのないものがなびき
冬はひとたび その身を隠す
鏡のなかを
動くきざはし
....
野良猫に話しかける人を
路地裏の防犯カメラが覗いている
春の陽気はくすぐったいから、似合わない
見下ろせば宴、地獄の淵はビルの屋上にある
天国の近くは高い金網が必要
恋はいつまでも恋 ....
紅葉の森を過ぎていくと
ささやかな秋の風の音さえも
白い雲の果てに枯れ落ちていった気がした
また訪れるあの人へ
遠くなってしまったあの人の温もり
忘却の彼方から
舞い降りる晴れ渡る声
....
先生もうそをつくのだ
親もうそをつくのだ
警察官もうそをつくのだ
裁判官もうそをつくのだ
政治家もうそをつくのだ
医者もうそをつくのだ
子どもたちよ
大人たちはみんな
少しずつうそをつ ....
遠くにある町を眺めている
海の向こう
タバコはもう吸っていない
クジラが見えた気がした
工場からでる黒煙
憧れの場所は蜃気楼
町は僕を忘れた
スーツで泳げたら ....
パンク、てか
パン食う
詩人
じゃなくて CG
心は丸刈り
風邪ひいた
かきーん
枯木のまえに坐り
わたしは次第にあなたになる
滲む
たくさんの色たちのように
あなたも次第にわたしになるのか
河のかげにうつろう赤茶色の葉
昼の ....
遠くの情景に
ひとまず別れを告げて
内なる心象に目を向ければ
喜怒哀楽と
それらに紐ずけられたものどもが
溢れてくる
それらは、別々に現れるのではなく
万華鏡で回し見するみたいに
....
今日は。
昨日の。
明日ではない。
明日は。
永遠に。
やってこない。
時の果て。
まあるい。
星の。
いのちは。
今日を生きる。
だけ。
あの日を。
越えて。
....
夢のなか昏い洞窟のしたたり落ちる水滴と
森の朝の露が合成されてぼくらは生まれた
やがて酒場のにぎやかで気怠いピアノの鍵盤を踏んで
自分が誰だか気づきはじめるか忘れ去ってしまうかの
どちらか ....
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